導入事例

イーラーニングの強みを活かしスキマ時間で専門性の向上や共通認識を

法人名: あだちの里 西伊興ひまわり園
サービス種別: 生活介護

1996年3月に法人認可を受け、同年9月に法人第一号施設である「ひまわり園」を開設(現 綾瀬ひまわり園)。
「障がい者が地域と共に 笑顔で生活できるよう 私たちは応援します」を法人理念に掲げ、東京都足立区で約17の障がい者支援施設を運営している。職員数は約450名。
「いつでも・だれでも」利用できる障がい福利サービスを展開し、障がいのある方々への理解が深まり、誰もが笑顔で生活できる分け隔てない社会の創造を目指す。
障がいのある方が必要な支援を自分で選択できる『おせっかいになりすぎない』支援がモットー。

−スペシャル ラーニング導入のきっかけが同法人の通所事業所「希望の苑」からのご紹介とお伺いしました。
スペシャル ラーニング導入前の課題や、ご紹介元からの評判はいかがでしたか?


当時、職員の支援に関する専門性をもっと高めていきたいと考え、何かいい方法はないか模索している最中でした。

そういったことを考えてる中、イーラーニングの存在を教えてもらって導入を決めました。

紹介してくれた方は、自閉症や強度行動障がいなどについて非常に詳しい方です。

スペシャル ラーニングには有名な講師の先生が登場し、内容も非常に充実していると教えてくれました。


−ありがとうございます!当時の研修に対する課題を具体的に教えていただけますか?


非常勤の職員は研修に時間を割くことが難しく、障がいを理解することの難しさを感じていました。

他の事業所でもよくある課題だと思いますが、常勤職員たちは研修を受ける機会がある一方、非常勤の方には学びの機会をなかなか与えられていない状況でした。

特に強度行動障がいやこだわりの強い利用者さんへの対応について、講師からの指導を元に現場の支援の質の向上を図りたかったのです。

全般的な学びよりも、具体的な内容をピンポイントで学んでほしいという思いがありました。


−その他にもスペシャル ラーニングを活用して解決したい課題はありましたか?


まずは研修機会が確保できていない非常勤職員で利用してみて、 障がい理解がどの程度深まるのか成果を図りたかったので、そこに重きを置いてスタートさせました。

特に成果が出やすいと見込んでいた非常勤職員を中心に、 スモールスタートで様子を見ながら、どう全体に広げていけるのか考えている段階です。


−2022年4月に利用開始されましたが、導入はスムーズでしたか?


トライアル時にリーン オン ミーさんが用意してくださった研修キットの振り返りシートを使って、 各職員に視聴したものに対しての感想を提出してもらいました。評判は良かったですね。

特に短時間で繰り返し見られる点や、動画の途中で一度業務に戻ってもまた同じところから見返せる点は好評でしたね。 あとは「知りたい内容をピンポイントで探せるので良かった」という声が多くありましたよ。 反対に「コンテンツがとても多いので、なかなか自分が知りたい情報に辿り着けなかった」という意見もありました。

山方様にお話いただいている写真

−支援の合間での視聴にあたり、何か工夫されていることはありますか?


主にパソコンやタブレットを使用して視聴しています。

支援時間は通常9〜16時までで、まとまった研修時間を確保することはむずかしいです。

そのため常勤の職員にサポートをお願いして、その間に非常勤職員は10分程度、研修動画を視聴する時間を作るよう工夫しています。

スペシャル ラーニングのコンテンツは1本数分で視聴できるものが多いため、少しの工夫で研修を受ける時間を確保できます。


またスペシャル ラーニングを導入してから継続している職員勉強会でも、積極的に活用しています。

事前に研修計画を共有し、 予習として指定したコンテンツを視聴するようアナウンスして勉強会までに動画を視聴してもらっています。

日々の業務の合間で効率よく学べるよう、10分以内で視聴できる動画を選んで負担なく視聴できるよう心がけています。


−職員勉強会とは、具体的にどのような内容で行われますか?


毎月1回行っている勉強会で、年間計画に基づいたその月の担当グループが持ち回りで勉強したテーマについて報告、 共有して事業所全体の学びにつなげています。 具体的には各グループに1名ずつ割り当てられている非常勤職員が、 利用者さんに関して抱えている課題や問題点を共有し、常勤職員からのアドバイスを受け、 それに基づくスペシャル ラーニングの動画を活用して勉強し、インプットした内容を全体に報告するという流れです。


スペシャル ラーニング導入前は、常勤職員が外部研修を受けた後に、その内容を報告する会を設けていました。 しかし非常勤職員は時間的な制約から外部研修への参加が難しく、法人での全体研修に参加する機会しかありません。

これでは研修内容が不十分です。

そこで外部研修の代替としてスペシャル ラーニングを活用し、 研修参加が難しい非常勤職員に展開するためにスペシャル ラーニングの導入と同時にこの職員勉強会を開始したのです。


−勉強会で盛り上がったテーマやよく話題にあがるコンテンツはありますか?


自閉症支援の中山先生のコンテンツが多く登場しますね。 他にも具体的な事例や実際に働いている職員さんのインタビューがあるコンテンツは、 より実践的な部分が学べるため、よく選ばれているようです。

講師の先生が具体的な事例を通して教えてくれる動画は、 基礎的な内容で文字だけが流れるコンテンツよりもリアルな講義に近く、わかりやすく感じるのではないでしょうか。


−以前と比べ個人の学習意欲が上がったとお伺いしました。どういった理由があると考えられますでしょうか?


スペシャル ラーニング内の視聴が進むごとにバッジが付与される制度が、 一部の職員にとってはモチベーションになっているようです。

一緒にスペシャル ラーニングを導入推進していたメンバーがいたため、 職員の学習意欲に影響を与えたのではないかと思います。 その職員の存在は非常に大きかったと感じます。

職員勉強会の写真

−スペシャル ラーニング導入前に抱えていた、非常勤職員の専門性向上の課題は解決されましたか?


まだまだ専門性を向上させることができると思っており、今後もさらに利用者さんの支援に還元していけるといいですね。

学びを得られたり困った時に支援のヒントを得られたりできる点は、導入して良かったと感じていますよ。


−福祉の現場は学ぶことが非常に多いですよね。そして学び続けることが重要だと感じますが、それについてはどう思われますか?


おっしゃる通り、すぐに何かを得られるわけではないので学び続ける必要はありますね。 なかなか時間も取れない中、どうすれば継続して学んでいけるのか私自身も模索中です。

スペシャル ラーニングの導入によって、 職員が抱いている課題や支援に対する思いなど今まで見えていなかった部分が見えてきました。 職員たちの意欲はあるものの、研修にかけられる時間が取れていないと実感しました。


−なにか支援で困りごとが起こった時、スペシャル ラーニングを逆引きのように使うことはありますか?


そうですね。例えば利用者さんの行動の背景や理由、 なぜそのような行動をとったのかを理解するために、その利用者さんの障がい特性や苦手な点を把握し、 スペシャル ラーニングで似たような事例を見るという使い方をしています。


−スペシャル ラーニングを導入してみて予想外の効果や良かった点はありましたか?


管理者アカウントの機能がとても便利で、助かっています。 管理者権限が付与されていると、職員の学習進捗管理が把握できます。 そして現場だけでなく、管理者に向けたコンテンツが多いこともいいですね。

報酬改定や制度変更、感染症対策など、 日々急速に変化する情報を自らキャッチアップしなければならないのですが、最新の情報が追いやすくなりました。


また以前は常勤職員が非常勤職員にアドバイスしても、 業界未経験者の多い非常勤職員には基本的な専門用語や知識が通じないケースもありました。 共通言語や共通理解を持つためにも、基礎的なコンテンツでの学習は重要だと感じています。

外部研修の前にスペシャル ラーニングで予備知識を得ることは非常に有益で、 スペシャル ラーニングと対面研修を併用することがより効果的な研修につながるのではないでしょうか。


−他にも現場で活用できたエピソードはありますか?


例えば、こだわりが強い利用者さんへの対応は難しいケースが多々ありますが、 スペシャル ラーニングで関連する動画を視聴した後、支援の振り返りに活用しています。 不適切だった部分を自分たちでフィードバックでき、気付くきっかけになっています。


その時その時で状況が変わる現場で指導を受けるのと、 いったん支援とは離れて落ち着いた状態でスペシャル ラーニングで講師の先生の話を聞いて自分の支援を振り返るのとでは、 理解度や腑に落ちる度合いが違いますよね。

同じ内容でも外部の専門家の話を聞くことで、より客観的に振り返りができますし、 正しく支援できていた時には自信にもつながると思います。


−山方さんは研修計画を年間できっちり立てて毎年やってくださっていますよね。
継続していくことに対するモチベーションはどこから来るのでしょうか?


何か問題が起きてから勉強して解決するだけではなく、 事前に知識を備えて事故やトラブルを未然に防ぐこともとても大事だと思っています。

自分たちがどれだけ問題意識を持って支援に取り組んでいるのか。学び続ける姿勢はこの仕事には不可欠です。

管理者である私が仕事に向き合う姿勢を職員に見せることで、リードしていければいいなと思っています。 時間の制約もありますが、日々葛藤しながらやっていますね。

山方さんがパソコンを操作している写真

−山方さんの推しコンテンツを教えてください。


社会福祉法人 北摂杉の子会の松上さんの法人の取り組みやクレドに関するコンテンツは、とても参考になっています。

対して現場の職員から好評なのは、実際の現場での事例を交えたコンテンツです。

利用者さんも登場する動画や「医療支援の1日」などのリアルな映像は視聴しやすく、職員たちが自主的に学んでいる印象です。


−スペシャル ラーニング導入を検討中の方へのアドバイスはありますか?


学びたいという意欲の強い職員を大切にすることが大事だと感じています。

私たちの事業所ではスペシャル ラーニングでの学習を強制していませんので、学習頻度には個人差があります。

スペシャル ラーニングの管理者機能で、誰が積極的に学んでいるか数値化され確認できるので、 意欲的な職員と一緒に現場の雰囲気を変えていけたらと考えています。

さまざまなコンテンツがあるので、必ず参考になるものが見つかると思いますよ。


−今後の展望や、リーン オン ミーやスペシャル ラーニングに期待することはありますか?


スペシャル ラーニングをはじめとする教材を上手に活用し、 支援の質やサービスの向上に取り組んで利用者さんに還元していくつもりです。

また法人としては研修体系があり、『◯年目はこの研修を受ける』といった具合に細かく決まっています。 都や区が主催する研修にも参加しているため、研修の機会は多くあります。

スペシャル ラーニングの良さを活かしながら、従来の体系的な研修と差別化できればいいなと思っています。

職員育成のひとつのツールとして使っていきたいので、今後も期待しています。


−工夫されながら学習定着を推進されていたり、管理者機能を効果的に使ってくださったりと、スペシャル ラーニングを上手に取り入れながら利用者さんへの還元を考えられている姿がとても印象的でした。
今後もユーザーの皆様と一緒に、障がい者にやさしい街づくりを進めて参ります。
この度は貴重なお話をありがとうございました。

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