導入事例

学びを体系化した上で、継続して学ぶ環境づくりができました

法人名: 東京都手をつなぐ育成会 北区立若葉福祉園
サービス種別: 入所支援

東京都西新宿に本部をかまえ、東京都内にて障がい福祉の事業を展開している。
知的障がいを持つ3名の親が、幸せな生活を送るために活動をはじめて法人を設立。
事業所数は約60箇所、全職員は約2,000名でありとあらゆるサービスを提供している。
東京都以外の各都道府県にもネットワークを持ち、運動体としての活動もしている。

−まずはスペシャル ラーニングを知ったきっかけを教えてください。


2020年の法人施設長会で仁田坂事務局長から、スペシャル ラーニングの導入のお話がありました。

そのタイミングで当施設にも、全職員が学習できるようにアカウントが付与されました。

当事業所では約30名の職員で利用しています。


−スペシャル ラーニングを事業所内でどのように広めていきましたか?


実は最初の1年は悩んだ部分でもありました。

研修コンテンツの量が多いため、どうやって学んでいくのがいいかとリーン オン ミーさんに相談し、色々とご提案いただきました。


−サポートがお役に立ててうれしいです。他の事業所の方は同じように導入を進めましたか?


そうですね、同じような課題を抱える事業所が多かったようで、情報交換をしながら進めていくことができました。 事業所ごとに集まる機会があれば、そこで話すことがありました。

各事業所によって細かい運用の差はあるかと思いますが、導入の目的や課題が共通しているので、基本的な活用方針は同じです。

今でも「どういったコンテンツがおすすめか?」など、話し合う機会はありますよ。


−法人として学びの文化が根付いていたんですね。


はい、元々法人内では日々学習して、支援の質を上げようという雰囲気があったように感じます。

スペシャル ラーニングは、その雰囲気をさらに盛り上げてくれるように思います。

未経験で入職される方にとっては、特に心強いツールとなっています。

寺澤さんのお話されている写真

−スペシャル ラーニングを導入して課題は解決できましたか?


どこの事業所でもそうかと思いますが、非常勤の方に研修を受ける機会を提供するのはかなりむずかしいです。

事業所のパソコンを活用して非常勤の方が研修が受けられるようになったことが、一番大きな成果ですね。

また常勤の職員も外部の研修を受けづらい環境にあります。 現場を空けると申し訳ないという気持ちもあり、なかなか外に出ることが容易ではありません。 イーラーニングを活用すれば、現場を空けることなく研修を受けることができます。


−現場に広めていくにあたって工夫したことはありますか?


イーラーニング自体がはじめての取り組みでしたので、

「まずはログインするところからはじめよう」と当時の主任支援員から提案がありました。

まず慣れてもらうこと、使ってみて学びやすさを体感してもらうことを第一義にして、スモールステップではじめました。

触ってみれば良さが分かると確信していたので、「新しいものが入ったので、一回みんなで見てみようよ」と伝え、とにかく1本目を全員が見ることに注力しました。

一つ一つのコンテンツが数分と短くまとまっているので、ログインさえすればみんな自発的に学習を進めてくれました。


−「コンテンツが簡潔で分かりやすい」と他の方からもよく伺います。こちらに対しての評価をよりくわしくお聞かせください。


私だけでなく、事業所の他の職員もいいと思っています。

コンテンツが短いので、細切れで見れるんですよね。

支援の合間で少し見てみようよという空気が醸成されています。

1つのテーマに対して数分の動画が10本程度なので、毎日少しづつ見れば1〜2週間で1テーマを学び終えることができます。

特に非常勤の職員は勤務時間が限られているので、まとまった時間を取ることがむずかしいです。

パソコンなどでいつでも見れる気軽さと、1本が短いというのは支援現場にとてもマッチしています。


コンテンツの内容や難易度はいかがでしょうか?


取っつきやすいテーマも多く、とても平易に5分程度にまとめられていて見やすいです。

先ほども少し話しましたが、興味・関心は人によって違うため、コンテンツの幅が広いこともいいですね。

事業所発表会の様子

−個人の学びで終わらせることなく、グループワークにも取り組んでいらっしゃいますよね。


私の事業所では、1階と2階で班を分けて実際のケースについてグループワークしました。

最初に、現場のリーダーと主任で、「イーラーニングの活用を支援に活かすには?」という話が持ち上がりました。

検討を重ねる中で、「よりよい支援につなげるには、同じコンテンツを各自で視聴し、次はそこから学んだことを参考にする。

そして現在取り組んでいたり、模索している支援方法について意見を重ねよう」となり、第1回目のグループワークが始まりました。

班ごとにまとめを発表し合うことで、お互いが助け合うようになり、チームワークがより強まったように感じます。

同じことを同じ目線に立って話すことで前向きな意見を出せるように工夫もしています。


初回の研修テーマは「行動障害」についてでした。 事前準備として、個別にテーマの関連動画を見て共通の理解を図ることからスタートしました。 アセスメントの理解を深めて支援方法を見直すことを目標に進めました。


−グループワークはどのように進められましたか?


現場との兼ね合いがあるため全員参加がむずかしく、グループワークの進め方はかなり工夫しましたね。

まずは研修の動画で解説されていた、氷山モデルを利用して進めていくことを決めました。

1階と2階それぞれの休憩室の壁に、ワークシートを貼り付けました。

実際の利用者さんをモデルケースとし、動画を見た人から順番に、ワークシート上にアセスメントの内容を書いた付箋を貼っていきます。

研修で使用した付箋

こちらの期間を1週間と少し長目にとったおかげで、今までグループワークの参加がむずかしかった非常勤を含めたすべての職員が参加できました。

付箋が集まった段階で、支援内容について各班の常勤職員を中心に内容をまとめ、もう一度全職員に共有しました。

全員参加のグループワークとなったおかげで、納得感を持って支援にあたることもできるようになりましたね。


作成した支援方針はそれで完成、ということはなく、よりよい支援につなげるために改善が必要です。

「アセスメントを考える」というプロセスを全員で行ったので、変更が生じた場合も内容を素早く理解し、支援に実行することができました。


−グループワークにスペシャル ラーニングはどのように役立ちましたか?


事前に同じテーマの研修を見ていたため、たいへん意見が出しやすかったです。

研修を受けていない状態では、「自分の意見が本当に正しいのか?」と思い、発言がしづらいんですよね。

「研修内で講師の方がこう言っていたから」という根拠を持って意見ができるようになりました。


−法人内で活用事例のご発表をされていましたが、こちらはいかがだったでしょうか?


法人内でいくつかの事業所が立候補し、スペシャル ラーニングを活用した支援方法について発表会を行いました。

先ほどのグループワークを元に発表したのですが、この企画のおかげで、常勤・非常勤を問わず事業所内でテーマを決めて研修を受けることができました。

学びを深めるだけでなく、実践につなげることができたのは、大きな成果だと思っています。

また実践するだけでなくふりかえりもセットにしていて、フィードバックを元によりよい支援を考え続けていけます。

スペシャル ラーニングはイーラーニングだけでなく、コミュニケーションツールとしても機能しています。


−行動障害支援を最初のテーマに持ってきたのはどういった理由からでしょうか?


日々の支援でもっともむずかしいと現場が感じていたからですね。支援につなげるために、現場での課題に即したものから順番に視聴することにしました。


−なるほど、成果が出やすいことからはじめるのはとてもいいですね。

−次回のグループワークで取り組みたいテーマはありますか?


「8050問題」についてディスカッションしたいと思っています。

前回は行動障害を実際のケースに合わせて話し合いましたが、あえて答えのないことを話し合うことにしました。

やはり親なきあとという課題に直面するケースも増えつつあり、問題として表出化される前に話しておくことが重要だと感じています。

解決はできなくても、事前に考えておくことで、ご家庭からいつ相談があっても良いように出来ればと思います。


−成功の型を生み出されてるように感じますね。同じやり方で違うテーマを話していくことで出来ることの幅が増えそうな気がします。リーン オン ミーからのサポートはいかがでしょうか?


グループワークのご提案がとてもよかったです。教えてもらったやり方を元に、このまま学びを定着させる流れがつくれるといいですね。

年間の計画に組み込むことで、年に3〜4テーマはじっくり議論ができます。


−職員の視聴状況はいかがでしょうか?


管理画面から各職員が視聴したものや学習時間を確認できるのですが、こちらで状況を把握するようにしています。

特に導入当初は個人ごとにバラつきが出てきます。

管理者が数字を見ながらサポートしていく必要があります。

ただ今となっては、誰が何時間視聴しているかの確認は、あまりしなくなりました。 なぜなら、イーラーニングを使用して、グループワークにつなげていけるような学びを「みんなで」出来たことが、次にも同じように活かせる雰囲気になったからです。


−他にもスペシャル ラーニングが役立っていることはありますか?


予想外だったのですが、実は採用に対して効果が出ています。

非常勤の方を募集した時に、イーラーニングでいつでも学べる環境を用意していることを書いていたんですよね。

未経験の方から「私でも学ぶことができる環境があるのですか?」と面接で言っていただき、応募のきっかけとなったようです。

はじめての仕事だと心配も多いかと思いますが、そういった心配を取り除くことができます。

今ではスペシャル ラーニングを視聴し、即戦力として現場で活躍してくれています。


また法人全体で導入していることのメリットも大きいですね。

法人内での異動があるのですが、同じ研修を受けているのですぐに現場に入ることができます。

支援の根拠となる研修が同じだと、事業所や職員によって教える内容が違うといったことがなくなります。

−寺澤さんの推しコンテンツはありますか?


スペシャル ラーニング内でおすすめに出てくる特集は結構見ますね。

その中でも性に関することが流れてきたので、ふと見てみるととても興味深い分野だと感じました。

今まであまり気にかけることがなかったのですが、たしかに気にかけておくべきことだと思いました。

普段から見たいもの以外を見ることは、たいへん学びになります。

初任者向けの動画も学びになります。改めて今見ると、基本の部分が出来ていないかもなとふりかえることができます。

あとは社会人としての基礎やマナーといったコンテンツが入ってるのですが、こちらも改めて見ると学びがあり、現場との意見交換にも使っています。


−これから導入される方にアドバイスはありますか?


コンテンツがたくさんあるので、支援に関すること以外も含まれています。「知っていく」という意味では短く細切れで見られるのに、中身もしっかりしています。

場所や時間を問わず見やすいので、少しずつ見ていくことが重要ですね。

みんなで同じテーマを学ぶことを基本として、各個人が学びたいことを深めていくと、よりいい研修ツールになると思います。

もし導入を迷っている方がいらっしゃれば、あまり重たく考えずに、まず導入してみて気になるコンテンツを少しずつ見ていけば進めやすいでしょう。


−今後取り組みたいことはありますか?


個人ごとに興味・関心が異なるので、個別研修計画の機能を活用していきたいと思っています。

まだイメージではありますが、「見て話して実践して」という流れを定着させ、年間計画を立てられるといいですね。

ゆくゆくはそういったことをしなくても、現場から自発的にテーマを決めてディスカッションができるようになれば理想ではあります。

このテーマについて話す前に、一回研修を見て目線を揃えてから話す流れが基本になるといいなと思っています。


−課題の解決につながったことはもちろん、視聴方法やその後の学び方を、主任、リーダー中心に工夫した「活用の型」が伺えてとても学びになりました。時間をかけて継続していくことで、焦らずに取り組むことも大事ですね。採用にも好影響があるようで、本当にうれしい限りです。この度はどうもありがとうございました!

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