【脱・密室】虐待は「誰も見ていない」から起きる。グループホームに「風通しの良さ」を作る3つの防衛策

【脱・密室】虐待は「誰も見ていない」から起きる。グループホームに「風通しの良さ」を作る3つの防衛策

「うちの職員に限って、虐待なんてするはずがない」
そう信じたい気持ちは分かりますが、虐待は「性格の悪い人」だけが起こすものではありません。

グループホームという「閉鎖的な環境(密室)」と、「ワンオペ(一人勤務)」という状況が重なった時、普通の職員であってもタガが外れ、不適切なケアに走ってしまうリスクがあります。

今回は、精神論ではなく「仕組み」で虐待を防ぐための、グループホームの環境づくりについて解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL18から抜粋して作成しています。

講師は、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の副代表であり、社会福祉法人ロザリオの聖母会 なざれの家あさひの所長の荒井 隆一(あらい りゅういち)先生です。

なぜ「密室」は危険なのか?

グループホームの夜間や休日は、職員が一人しかいない時間が長く続きます。
「誰も見ていない」という状況は、人間を甘えさせます。

  • つい、タメ口や荒い言葉遣いになってしまう
  • 利用者の呼び出しを無視してしまう
  • 感情的に怒鳴ってしまう

こうした「小さな緩み」は、第三者の目がない密室で培養され、やがて深刻な虐待へとエスカレートしていきます。
これを防ぐためには、個人の意識(セルフチェック)を高めると同時に、「外からの風」を入れることが不可欠です。

防衛策① 「いつ誰が来てもいい」オープンな環境を作る

動画で推奨されているのが、「事業所以外の人たちの出入りを自由にしておく」ことです。

アポイントなしの訪問を嫌がる現場もありますが、虐待防止の観点からは逆効果です。
「いつ、誰(管理者、相談員、家族、地域の人)が来るか分からない」
この適度な緊張感があるだけで、職員は常に「見られている」という意識を持ち、言葉遣いや振る舞いを正すことができます。

外部の人が頻繁に出入りし、職員と気兼ねなく話せる(言い合える)関係を作っておくこと。
この「風通しの良さ」こそが、密室化を防ぐ最強のセキュリティになります。

防衛策② 管理者が「利用者」と直接つながる

また、管理者(サビ管)の動き方も重要です。
現場に行かず、職員からの「日報」だけで状況を把握した気になっていませんか?

もし、現場の職員が利用者を威圧していたとしても、利用者はその職員本人には怖くて言えません。
また、職員が日報に「私は今日、利用者を怒鳴りました」と書くはずもありません。

だからこそ、管理者は以下の動きを徹底する必要があります。

  1. 頻繁にホームへ足を運ぶ
  2. 職員を介さずに、利用者様と直接話をする
  3. 「最近どう?」と世間話から小さな変化(SOS)を拾う

職員を通さない「直通ルート(バイパス)」を持っておくことで、利用者は安心して本音を話すことができます。

まとめ:虐待防止は「人の心」に頼らず「仕組み」で作る

「信じているから任せる」というのは、時として「放置」になり、職員を孤立させ、虐待の加害者にしてしまう可能性があります。

風通しを良くし、常に誰かの目がある環境を作ることは、利用者様だけでなく、現場で働く職員を守ることにもつながります。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 虐待の芽を摘む「組織マネジメント」の手法
  • 職員のストレスケアと面談のポイント
  • 利用者への聞き取り(権利擁護)の実践スキル

など、精神論ではない、具体的な虐待防止の仕組みづくりを動画で配信しています。
誰もが安心して過ごせるホームを作るために。ぜひご活用ください。

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