【ASDの診断】脳検査では分からない?「過去の通知表」が必要な理由と、大人の診断が難しいワケ

【ASDの診断】脳検査では分からない?「過去の通知表」が必要な理由と、大人の診断が難しいワケ

「自分がASD(自閉スペクトラム症)かどうか知りたい」
そう思って病院に行くと、多くの場合、医師からこう言われます。

「子供の頃の通知表や連絡帳は残っていますか?」

なぜ、大人の診断なのに、何十年も前の子供の頃の記録が必要なのでしょうか?
最新の脳スキャンでパッと分からないのでしょうか?

今回は、意外と知られていない「ASDの診断手順」と、大人になるほど診断が難しくなる理由について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL176から抜粋して作成しています。

講師は、元ハーバード大学医学部精神科・マクリーン病院の医師であり、精神科・児童精神科医師/博士(医学)であり、よこはま発達クリニックの副院長である宇野 洋太(うの ようた)先生です。

大人の診断を難しくする「カムフラージュ」とは?

ASDの診断において大前提となるのが、「ASDは生まれつきの特性であり、生涯続くもの」という点です。
突然大人になってから発症するものではありません。

しかし、診断を難しくする要因があります。それが「カムフラージュ(擬態)」です。

特に知的な遅れのない方の場合、成長する過程で、
「こういう場面では、こう相槌を打てばいいんだな」
「周りに合わせて笑っておけば、変に思われないな」
といった処世術を学習していきます。

これを「適応」と呼びますが、その結果、表面上はASDの特性が見えにくくなる(カムフラージュされる)ことがあります。
そのため、医師が「現在の様子」だけを診察しても、「ちょっと変わった人かな?」程度にしか見えず、確定診断が出せないことがあるのです。

なぜ「子供の頃の通知表」が必要なのか?

そこで重要になるのが、まだ処世術を身につけていなかった「幼児期や学童期の様子(発達歴)」です。
「素の状態」であった頃に、ASD特有の行動があったかどうかが、診断の決定的な証拠になります。

「客観的な記録」が不可欠

医師はご本人やご家族に昔の話を聞きますが、人の記憶はどうしても曖昧ですし、「診断してほしい(あるいはしたくない)」という主観が入ってしまいます。

そこで、主観の入らない「客観的な情報」として、以下の資料が求められます。

  • 通知表(先生からのコメント欄など)
  • 連絡帳
  • 母子手帳

「集団行動が苦手」「特定の教科に強いこだわりがある」といった当時の先生の記録が、診断の大きな助けになるのです。

MRIやCTでは診断できないの?

「そんなアナログな方法ではなく、最新の脳科学で分からないの?」と思われるかもしれません。

[Image of brain MRI scan]

結論から言うと、現在の医学では、MRI、CT、脳波などの画像・生理学検査だけでASDを診断することはできません。

では、なぜ病院で検査をするのかというと、それは「除外診断」のためです。

  • 別の脳の病気(腫瘍など)が隠れていないか?
  • ASDと併存しやすい「てんかん」の波形が出ていないか?

これらを確認するために検査を行いますが、あくまで補助的なものです。ASDの診断の本質は、やはり「行動観察」と「発達歴」にあるのです。

まとめ:診断は「人生のパズル」を埋める作業

ASDの診断は、現在の困りごとと、過去の客観的な事実を一つひとつ照らし合わせる、パズルのような作業です。
もし受診を考えている方は、実家に眠っている通知表を探してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • ASD診断に使われる心理検査・発達検査の種類
  • 支援者が記録に残すべき「行動観察」のポイント
  • 大人の発達障害への就労支援アプローチ

など、診断の背景にある知識や、診断後の支援について学べる動画を配信しています。
正しいアセスメントを行うために。ぜひご活用ください。

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