【グループホームの支援】「全部やってあげる」は間違い?自閉症の方の身辺自立と家事参加を促すコツ
【グループホームの支援】「全部やってあげる」は間違い?自閉症の方の身辺自立と家事参加を促すコツ
障害者グループホーム(共同生活援助)の現場では、入浴や排泄、着替えなどが一人でできない利用者様への支援が欠かせません。
特に重度の自閉症の方の場合、スタッフが手取り足取り介助することが日常になりがちですが、ここで一度立ち止まって考えてみてください。
「その介助、本当に全てスタッフがやる必要がありますか?」
本人の能力を過小評価し、全てやってあげてしまうことは、かえってご本人の「できる力」を奪い、将来の可能性を狭めてしまうかもしれません。
今回は、日々の暮らしの中で「身辺自立」を促すための具体的な関わり方と、家事を通じた役割づくりについて解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL26から抜粋して作成しています。
講師は、自閉症eサービス全国ネット 代表の中山清司先生です。

【身辺自立】まずは「親御さんへの確認」と「手順の統一」から
まず、入浴や着替えなどの介助が必要な場合、なぜできないのか、どうすれば安心するのかという「個別の特性」を把握することがスタートです。
1. 情報の宝庫「親御さん」に聞く
一番長くご本人を見てきたのは親御さんです。「顔に水がかかるのが極端に嫌い」「この手順なら着替えができる」といったヒントをたくさん持っています。
入居前の面談などで、こうした細かなこだわりや成功パターンを確認しておくことが重要です。
2. マニュアルを作って「対応」を統一する
最も利用者が混乱するのは、スタッフによってやり方が違うことです。
- Aさん:「全部やってあげますね」
- Bさん:「自分でやってください」
これではご本人はどうしていいか分かりません。
「歯磨きの場合:歯磨き粉をつけるまではスタッフ→磨くのは本人→仕上げはスタッフ」というように、「誰が・どこまでやるか」を明確にしたマニュアルを作り、全スタッフが同じ手順で関わることが、ご本人の安心と自立につながります。
【構造化】「視覚的な手がかり」があれば自分でできる
軽度の自閉症の方であっても、「ちゃんとしてね」「きれいに洗って」という曖昧な言葉での指示は伝わりにくいものです。
そこで有効なのが、TEACCHプログラムなどでも用いられる「構造化(視覚的支援)」です。
環境を整えれば「できる」が増える
「できない」のではなく、「やり方が分からない」だけかもしれません。以下のような工夫を取り入れてみましょう。
- 歯磨き:洗面台に、磨く順番をイラストにした「手順書」を貼る。
- 着替え:カゴや棚に「下着」「ズボン」などの写真ラベルを貼り、どこに何があるか一目で分かるようにする。
- トイレ:汚しやすい場合は、座る位置や立ち位置をテープで床に示す。
視覚的な手がかりを用意するだけで、スタッフが声をかけなくても一人でスムーズに行動できるようになるケースは多々あります。

【家事支援】ホームは「施設」ではなく「家」である
グループホームは、管理された「施設」である以前に、彼らが暮らす「家」です。
掃除、洗濯、買い物、調理など、家の中には活動のチャンスが溢れています。
これらを全てスタッフがやってしまうのではなく、入居者様にも「役割」として担ってもらうことをお勧めします。
ルーティン(日課)に組み込む
自閉症の方は、見通しの立つルーティンを好みます。
- Aさん:毎朝のゴミ捨て
- Bさん:食事前の配膳(お皿並べ)
- Cさん:お風呂掃除
このように、「いつも同じ時間に、同じ活動」を担当してもらうことで、生活にリズムが生まれ、「自分はこの家の一員である」という自信(自己肯定感)にもつながります。
スモールステップとワークシステムで活動を広げる
もちろん、いきなり難しい家事はできません。まずはスモールステップで、できることから始めましょう。
1. 身の回りの整理から
まずは自分の部屋の片付けや、脱いだ服の始末から教えます。
ここでも、「引き出しに服の写真を貼る」「今日着る服を置く場所を決める」など、視覚的に分かりやすい環境を作ってあげることが成功の鍵です。
2. 活動の幅を広げる(ワークシステム)
一つのことができるようになったら、徐々にステップアップします。
- 例:料理の補助
- 野菜を洗う(単純作業)
- 盛り付けをする
- 配膳して運ぶ
このように一連の流れを習得する際は、「いつ・何を・どの順番でするか」を示したスケジュールやワークシステムを活用すると、ご本人は混乱せずに新しい活動に取り組むことができます。
まとめ:支援者の仕事は「世話」ではなく「環境設定」
身辺自立や家事支援において、最も大切なのは「ご本人が成功できる環境」を作ることです。
ただ「やってみて」と放り投げるのではなく、手順書を用意したり、マニュアルで統一したりといった「お膳立て(環境設定)」をすることが、プロの支援者の役割です。
「自分でできた!」という経験は、利用者様の表情を驚くほど明るく変えます。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、こうした「構造化」の具体的な手法や、自閉症特性に合わせた「自立支援」の実践例を動画で分かりやすく解説しています。
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