【障害者総合支援法】「自立訓練」とは?就労への第一歩となる「機能訓練」と「生活訓練」の違いと役割

障害者総合支援法に基づく「訓練等給付」の中に、「自立訓練」というサービスがあります。

名前の通り「自立するための訓練」ですが、具体的に何を練習する場所なのか、就労移行支援とどう違うのか、混同されやすいサービスでもあります。

実はこの自立訓練、「いきなり働くのは不安だけれど、将来は就職したい」と考えている方にとって、非常に重要な「最初のステップ(土台作り)」となるサービスです。

今回は、自立訓練の位置づけと、2つの種類(機能訓練・生活訓練)の違いについて解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL42から抜粋して作成しています。

講師は、全国手をつなぐ育成会連合会 常務理事 兼 事務局長の又村あおい(またむら あおい)先生です。

就労へのロードマップ:自立訓練は「土台作り」

障害福祉の通所サービスは、バラバラに存在するのではなく、「就労に向けた一連の流れ(フロー)」として設計されています。

多くのケースでは、以下のようなステップを踏みます。

  1. 自立訓練:まずは地域で安定して暮らすための「生活力・体力」をつける。
  2. 就労移行支援:就職に向けた「職業スキル(ジョブトレーニング)」を学ぶ。
  3. 一般就労:企業へ就職する。
  4. 就労定着支援:職場で長く働き続けられるようサポートを受ける。

もちろん自立訓練だけで終了する方もいますが、「就労移行支援(仕事の練習)」へ進むための準備期間として、この自立訓練(生活の練習)を活用するのは非常に有効な選択肢です。

「機能訓練」と「生活訓練」の違い

自立訓練には、対象となる障害や目的に応じて大きく2つの種類があります。

1. 自立訓練(機能訓練)

  • 主な対象:身体障害(肢体不自由)のある方。
  • 目的:身体機能の向上、リハビリテーション。
  • 活用シーン
    • 病院での入院リハビリを終えて自宅に戻ったが、もう少しトレーニングを続けたい。
    • 「一人で路線バスに乗って出かけたい」「家の中をスムーズに動きたい」といった身体的な自立を目指す場合。

2. 自立訓練(生活訓練)

  • 主な対象:知的障害、発達障害、精神障害のある方。
  • 目的:自分の生活をコントロールする力の習得。
  • 活用シーン
    • 金銭管理ができるようになりたい。
    • 他者とのコミュニケーションをスムーズにしたい。
    • 昼夜逆転を直し、朝起きて夜寝る「生活リズム」を整えたい。

また、生活訓練には通所だけでなく、「宿泊型自立訓練」というタイプもあります。期間限定で施設に入所(宿泊)し、家事などを集中的にトレーニングして一人暮らしなどを目指すものです。

利用期間のルール(標準2年)

自立訓練は、生活介護のようにずっと利用し続けるものではなく、期間の決まったサービスです。

  • 標準利用期間2年
  • 延長:必要性が認められた場合、最大3年まで可能。

「2年以内にここまではできるようになろう」という明確なゴール設定ができるため、ダラダラ過ごすことなく、集中してスキルアップに取り組めるのが特徴です。

まとめ:適切な「助走期間」が、就労の成功率を高める

就労を目指す利用者様の中には、生活リズムやコミュニケーションに課題を抱えたまま就労移行支援へ進み、挫折してしまう方もいます。

焦らず、まずは「自立訓練(生活訓練)」でしっかりと生活の足腰(土台)を鍛えること。
それが結果として、その後の就職と定着の成功率を高めることにつながります。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 生活訓練における具体的な支援プログラムの作り方
  • 身体障害のリハビリテーションの基礎知識
  • 就労系サービスへのスムーズな移行支援

など、利用者のステップアップを支えるための専門知識を動画で配信しています。
支援の引き出しを増やし、利用者様に最適なキャリアパスを提案するために、ぜひご活用ください。

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