【実態調査】強度行動障害と重症心身障害でこんなに違う?データから見る「身体拘束」のリアル
【実態調査】強度行動障害と重症心身障害でこんなに違う?データから見る「身体拘束」のリアル
「他の施設では、実際どのくらい身体拘束を行っているのだろう?」
身体拘束の適正化に取り組む中で、他事業所の動向は気になるものです。
今回は、国が行った実態調査(令和元年度 障害福祉サービス事業所等における身体拘束等に関する実態調査)のデータをもとに、現場で行われている拘束のリアルを読み解きます。
この記事は、スペシャルラーニングのSL144から抜粋して作成しています。
講師は、元厚生労働省 障害福祉課・虐待防止専門官であり、日本社会事業大学 社会事業研究所 客員教授の曽根 直樹(そね なおき)先生です。

特に興味深いのは、「強度行動障害」と「重症心身障害」において、行われている拘束の種類や理由が全く異なるという点です。
強度行動障害の場合:「パニック」と「多動」の制御
まず、強度行動障害(重度の知的障害を伴い、自傷他害などの行動が見られる状態)の方に対する調査結果です。
ここで多く挙がったのは、以下の行為でした。
- 他害行為の防止:周囲の人を殴るのを防ぐために手足を縛るなど。
- 隔離(ロック):自分の意思で開けられない部屋に入れる。
- 立ち上がり防止:Y字ベルトやテーブルで車椅子に固定する。
分析:緊急時の対応が「習慣」になっていないか?
強度行動障害の場合、パニック時の「クールダウン」目的で隔離を行ったり、多動を抑えるためにベルトを使用したりするケースが目立ちます。
これらは緊急時の安全確保として行われることが多いですが、「パニックになったら即・隔離」という対応がマニュアル化し、安易な拘束が常態化していないか、点検が必要です。
重症心身障害の場合:「転落」と「ずり落ち」の防止
次に、重症心身障害(重度の知的障害と肢体不自由の重複)の方に対する調査結果です。
こちらは、強度行動障害とは全く違う傾向が見られました。
- 姿勢保持・転落防止:車椅子からずり落ちないためのY字ベルト、腰ベルト、テーブルの使用(これが最多)。
- ベッドの囲い:自分で降りられないように、高柵ベッド(柵の高いベッド)で囲む。
分析:「安全のため」が思考停止になっていないか?
重症心身障害の場合、ご自身で危険を回避できないため、「転落事故を防ぐ」という安全管理の観点から拘束用具(ベルトや高柵ベッド)が使われる傾向にあります。
しかし、前回の記事でも触れた通り、これらが「姿勢保持(ポジショニング)」を超えて、「職員が見守れないから縛っておく」という理由で使われていれば、それは虐待です。
「重症だからベルトをするのは当たり前」という思考停止に陥らないよう注意が必要です。

データを見て「うちも同じだ」で終わらせない
この調査結果を見て、「どこの施設もやっているんだな、うちだけじゃないんだ」と安心してしまうのは危険です。
このデータはあくまで「実態」であり、「推奨される行為」ではありません。
- 強度行動障害なら、なぜパニックになるのか(環境調整)
- 重症心身障害なら、ベルトなしで姿勢を保つにはどうすればいいか(シーティング)
障害特性に合わせた「代替案」を模索し続けることこそが、プロの支援者に求められる姿勢です。
まとめ:拘束の理由は違えど、目指すべきは「ゼロ」
障害種別によって、拘束の形は異なります。
しかし、「利用者の自由を奪っている」という事実は同じです。
あなたの施設では、データにあるような拘束が「当たり前」になっていませんか?
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