【組織論】なぜ市は「自らの恥」をフルオープンにしたのか?三田市監禁事件の検証報告書が持つ「本当の価値」

【組織論】なぜ市は「自らの恥」をフルオープンにしたのか?三田市監禁事件の検証報告書が持つ「本当の価値」

不祥事や事故が起きたとき、組織としての真価が問われるのは「その後の対応」です。

2018年の「三田市障害者監禁事件」において、三田市は行政の対応遅れ(虐待発見から保護まで時間がかかったことなど)について厳しい批判を受けました。
しかし、その後に設置された検証委員会(第三者委員会)の運営と、作成された報告書は、福祉業界全体にとって「貴重な財産」として高く評価されています。

なぜなら、市にとって不都合な事実も含め、プロセスを「フルオープン(全面公開)」にしたからです。
今回は、この事件の「検証プロセス」から、組織のリスクマネジメントと信頼回復のあり方を学びます。

この記事は、スペシャルラーニングのSL157から抜粋して作成しています。

講師は、元独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の研究部長であり、特定非営利活動法人PDDサポートセンター グリーンフォーレストの理事長の志賀 利一(しが としかず)先生関西福祉大学社会福祉学部教授の谷口 泰司(たにぐち たいじ)先生です。

異例の「フルオープン」前提でのスタート

通常、行政や企業の不祥事に関する調査報告書は、「個人情報保護」や「風評被害防止」を理由に、肝心な部分が黒塗りになったり、議事録が非公開になったりすることが珍しくありません。

しかし、三田市の検証委員会は違いました。
最初から「議事録も報告書も、全てWeb上で公開する」という前提でスタートしたのです。

「行政対応のどこに問題があったのか」
これを隠さずに社会へ提示するという選択肢しか、当時の市にはなかったのかもしれません。しかし、その覚悟が結果として検証の質を高めることになりました。

事務局(市)に任せない「ガチンコ」の検証体制

検証の透明性を担保するために徹底されたのが、「委員会の独立性」です。

通常、委員会の運営(事務局)は市が担当しますが、調査対象である市の職員が事務局を仕切ると、どうしても調査が甘くなる(お手盛りになる)リスクがあります。

そこで今回は、以下のような体制が取られました。

  • 調査の主導権は委員に:「誰に、何を、どう聞くか」は、市を通さずに委員(大学教授や弁護士)が直接決定する。
  • 市は裏方に徹する:会場の準備などは行うが、調査内容には介入しない。

委員たちは膨大な時間をかけ、メールで素案を修正し合いながら、忖度のない徹底的な調査を行いました。この「ガチンコ」の体制があったからこそ、表面的な謝罪ではない、本質に迫る報告書が完成したのです。

報告書は「未来の支援」のための教科書になった

こうして完成した「三田市障害者虐待対応検証委員会報告書」は、現在でも市のホームページで誰でも読むことができます。

そこには、行政の判断ミスだけでなく、背景にある社会構造や心理的なバイアス(ノイズ)に至るまで、詳細な分析が記されています。
これを受けて、全国の福祉関係者の間では「この報告書を使って勉強会をしよう」という動きが広がりました。

「虐待の問題って、ここまで深く検証しなきゃダメなんだね」
「自分たちの組織ならどうしていただろう?」

三田市が「恥」を隠さずに公開してくれたおかげで、この報告書は全国の支援者が襟を正すための「生きた教科書」となったのです。

まとめ:信頼回復の鍵は「隠さないこと」

組織運営において、ミスや事故をゼロにすることは難しいかもしれません。
しかし、起きてしまった後に「隠蔽するか、公開して教訓にするか」は選ぶことができます。

三田市の事例は、「徹底的な情報公開こそが、失墜した信頼を回復する唯一の道である」と教えてくれています。

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