【異食行動の対応】「食べ物以外を飲み込む」危険への対策|原因と環境調整

【異食行動の対応】「食べ物以外を飲み込む」危険への対策|原因と環境調整

障害福祉サービスの現場において、最も神経を使うリスクの一つが「異食行動(異食症)」ではないでしょうか。

ボルトや硬貨、文房具の欠片など、食べ物ではないものを飲み込んでしまう行動は、窒息や内臓損傷など、利用者の命に関わる重大事故に直結します。

現場では「目を離さないように」と職員に指導しがちですが、長年の癖である異食行動を、人の目(監視)だけで防ぐには限界があります。

今回は、異食行動が起こる背景と、事故を防ぐためにまず行うべき「環境調整」、そして本人の心理に寄り添った対応策について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL20から抜粋して作成しています。

講師は、自閉症eサービス全国ネット 代表の中山清司先生です。

異食行動とは?なぜやめさせるのが難しいのか

異食行動とは、栄養価のない、本来食べ物ではないものを継続的に食べてしまう状態を指します。
具体的には以下のような事例が挙げられます。

  • ボルトやネジを飲み込んでしまう
  • 鉛筆やペンを噛み砕いてしまう
  • 消しゴムを口に入れてしまう
  • 石や土を食べてしまう

簡単には「やめられない」という前提に立つ

管理者や支援者がまず理解しなければならないのは、「異食をやめさせることは非常に難しい」という現実です。

多くの利用者様にとって、異食は突発的な行動ではなく、幼少期から続く長い歴史を持った行動パターンです。そのため、「ダメ」と叱責したり、言い聞かせたりするだけですぐに収まるものではありません。

無理にやめさせようとするのではなく、「いかにして事故を起こさせない環境を作るか」が支援の第一歩となります。

【最優先】まずは「環境調整」で事故を防ぐ

異食による事故を防ぐために最も効果的で、最初に取り組むべきことは「物の管理(環境調整)」です。

1. 「何を食べるのか」を徹底的に調べる

まずはアセスメントです。その方が「何を口に入れやすいのか」「過去に何を誤飲したのか」をリストアップします。人によって、金属を好むのか、柔らかいゴム製品を好むのか、傾向が異なります。

2. 対象物を物理的に除去する

食べる可能性のあるものが近くにあれば、一瞬の隙をついて口に入れてしまうリスクは常にあります。
「異食対象となるものを、手の届く範囲に置かない」ことが鉄則です。

  • 文房具は鍵のかかる棚にしまう
  • 細かい部品のある玩具は提供しない
  • 作業エリアから不要なものを撤去する

精神論ではなく、物理的に「食べられない環境」を作ることが、利用者様と職員双方を守ることにつながります。

異食の理由「口寂しさ」へのアプローチ

環境調整で安全を確保した上で、次に「なぜ口に入れるのか」という理由を考えます。
多くの場合、空腹だから食べているのではなく、「口の中に何か入っていると落ち着く(口寂しさ)」という感覚的な欲求が理由として考えられます。

「指しゃぶり」に近い感覚

小さな子供が不安な時に爪を噛んだり、指しゃぶりをしたりするのと同様に、異食行動のある方も口に刺激があることで精神的な安定を得ている場合があります。

代替品(安全なもの)の提供

無理に取り上げることでパニックになる場合は、「口に入れても問題のないもの」を代わりに提供する方法も検討してください。

  • 事例1:マウスピースを噛むことで、異食が減少し落ち着いたケース
  • 事例2:特定のタオルを口に含むことで安定するケース

健康や衛生面への配慮は必要ですが、「絶対に口に入れてはダメ」と禁止するよりも、「これなら噛んでもいいよ」という安全な抜け道(代替行動)を用意する方が、結果的に危険物の誤飲が減る場合があります。

視覚支援で「食べていいもの」を教える

長期的な支援としては、「食事」と「それ以外のもの」の区別を教えていくアプローチも必要です。

言葉で「これは食べ物ではありません」と説明しても伝わりにくい場合、視覚的な構造化が有効です。

  • 食事の場面:ランチョンマットを敷き、食器に入っているものだけが「食べるもの」。
  • それ以外の場面:机の上に無造作に置かれているものは「食べてはいけないもの」。

このように視覚的に明確に分けるとともに、やはり基本となるのは「食べてはいけないもの(異食対象物)を目につく場所に放置しない」という管理の徹底に戻ります。

まとめ:事故防止は「人の目」より「仕組み」で解決する

異食行動への対応は、一歩間違えれば開腹手術が必要になったり、最悪の場合は命を落としたりするリスクと隣り合わせです。

しかし、現場の職員に「絶対に見逃すな」とプレッシャーをかけるだけでは、職員は疲弊し、いつかヒューマンエラーが起きます。
重要なのは、以下の手順を組織として徹底することです。

  1. アセスメント(何を食べるか知る)
  2. 環境調整(物理的に隠す・管理する)
  3. 代替案の提供(安全なものでニーズを満たす)

こうした「リスク管理の具体的なノウハウ」や「障害特性に基づいた対応」を、貴法人の職員は正しく理解していますか?

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、今回の異食行動の事例はもちろん、リスクマネジメントや事故防止に関する専門家の講義動画を多数配信しています。

知識や考え方の共通認識を作る、スペシャル ラーニング

スペシャルラーニング紹介画像

弊社では、障がい福祉業界に特化したオンライン研修サービス「スペシャルラーニング」をご提供しています。
パソコンやスマートフォンでいつでもどこでも研修を受講できるため、スキマ時間を活用して、研修に取り組むことができます。

スペシャルラーニング(Special Learning)の特徴は主に以下です。

1動画3〜5分、2,000本以上のコンテンツ

1動画3〜5分×数本で1テーマの受講が完結する仕組みです。
1ヶ月30分の視聴の積み重ねでも、しっかりと知識習得につながります。

時間よりも「全員が同じタイミングで、同じ研修を受講する」ことが研修効果を最大限に発揮し、知識の共通認識を作ることにも重要なポイントです。

また、毎月約30本の新規動画が増え続けています。

著名講師の講義による「質」の高い学び

厚生労働省が国の研修で依頼する講師の方や国の研究機関の責任者、元厚生労働省の虐待防止専門官等、障がい福祉業界のトップ有識者と一緒にコンテンツ制作をしています。

そのため、スペシャルラーニングを通して、質の高い学びが実現できます。

導入から仕組み作りまで専任担当者によるサポート体制

研修は仕組み作りがとても重要です。
「どうやって事業所で仕組み化しよう」「やることが増えてしまうんじゃないかな…」
そんな悩みを解決し、運営負担は少なく、学習効果は大きい、研修運用の仕組み作りをサポートします。

少しでもご興味ある方は、ぜひお気軽に以下から資料請求・お問い合わせください!
研修環境の整備がもたらす効果や具体的な活用方法について、わかりやすくご案内いたします!

お電話でのお問い合わせ(平日10:00〜17:00)

📞 072-648-4438  ※土・日・祝日、年末年始を除く

「1分でわかるサービス資料」資料ダウンロードはこちら

当社のプライバシーポリシーに同意の上、送信してください。