【防災BCP】個別避難計画は「現代のナマハゲ台帳」!?|逃げ遅れを防ぐ伝統の知恵と心理学
【防災BCP】個別避難計画は「現代のナマハゲ台帳」!?|逃げ遅れを防ぐ伝統の知恵と心理学
障害福祉サービス事業所において、BCP(事業継続計画)の策定が義務化されましたが、皆様の施設では「生きた計画」になっていますか?
「行政に出すためにとりあえず作った」
「避難訓練はしているが、マンネリ化している」
もしそう感じているなら、秋田県の伝統行事「ナマハゲ」の視点を取り入れてみてください。
実はナマハゲは、単に子供を脅かすだけの行事ではなく、地域コミュニティにおける最強の「個別避難計画」システムだったのです。
今回は、ユニークな視点で防災を説く特別講義より、ナマハゲに学ぶ避難支援の極意と、私たちが災害時に陥る「心の罠」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL98から抜粋して作成しています。
講師は、一般社団法人福祉防災コミュニティ協会 代表理事の鍵屋 一(かぎや はじめ)先生です。

ナマハゲは「地域の防災リーダー」だった
「泣ぐ子はいねがー!」と包丁を持って家々を回るナマハゲ。実は、その中身は地域の若者たち(消防団や役場職員など)です。
彼らは「ナマハゲ台帳」というリストを持ち、一軒一軒の家族構成や事情を把握しています。
- 安否確認: 「お婆さん、この間骨折したって聞いたけど、具合はどうだ?」と声をかける。
- 避難路確保: 雪深い山道をナマハゲが練り歩くことで、道が踏み固められ、いざという時の避難ルートができる。
- 信頼関係: 子供にとっては怖い存在だが、親にとっては「言うことを聞かせてくれる」頼もしい存在。
つまりナマハゲは、平時は「神様(教育係)」、有事は「避難支援者」として機能していたのです。
「どの家に、どんな支援が必要な人がいるか」が頭に入っているからこそ、災害時に即座に助けに行ける。これこそが、現代でいう「個別避難計画」の原点と言えます。
現代社会の「弱点」と個別避難計画の必要性
かつての日本(農業型社会)では、ナマハゲのような行事を通じて、地域全体が互いのことを知り尽くしていました。
しかし、現代は違います。
- 支えられる人の増加: 高齢者、障害者手帳を持つ人、難病患者はこの25年で激増しています。
- 支える人の減少: 消防団員は昭和20年代の3分の1に減り、ご近所付き合いも希薄化しています。
「隣にどんな障害のある方が住んでいるか分からない」
「誰が助けに行くか決まっていない」
そんな「つながりの弱い社会」だからこそ、私たちはあえて「計画(台帳)」を作り、訓練しなければ、誰も助けることができないのです。
BCPや個別避難計画は、現代版の「ナマハゲ台帳」そのものです。

なぜ人は逃げないのか?「正常性バイアス」の罠
計画を作っても、いざ災害が起きた時、人はなかなか逃げません。
「自分だけは大丈夫」「まだ大したことない」
そう都合よく思い込んでしまう心理を「正常性バイアス(正常化の偏見)」と呼びます。
あなたは「自分が怪我をする」と想像できましたか?
講義の中で行われたワークがあります。「地震直後、何をしますか?」と書き出してもらうと、多くの人が「火を消す」「窓を開ける」と書きます。
しかし、「自分が怪我をしている場合の応急処置」や「自分が動けない場合の指示」を書ける人は、わずか1%程度しかいません。
私たちは無意識に「自分は無傷で、冷静に行動できるはずだ」という前提(偏見)で防災を考えてしまっています。これが、逃げ遅れの最大の原因です。
BCP作成は「バイアス」を克服するためのスイッチ
正常性バイアスは、日々のストレスから心を守るために必要な機能ですが、災害時には命取りになります。
だからこそ、BCP(計画)が必要です。
BCPとは、行政への提出書類ではありません。
「いざという時、私たちはパニックになり、正常な判断ができなくなる弱い生き物だ」
ということを認め、「だからこそ、事前にこう動くと決めておく(スイッチを作る)」ためのツールです。
- 誰が、誰を背負って逃げるか?
- 職員が怪我をして動けない場合、誰が指揮をとるか?
ナマハゲが台帳を見て動くように、私たちも「迷わず動ける計画」を持っておく必要があります。
まとめ:防災計画に「魂」を込めよう
「BCP作成=面倒な書類仕事」と思っていませんか?
そうではなく、それは「現代のナマハゲ台帳(命を守るリスト)」を作る尊い仕事です。
- 地域の誰と連携するか(現代のナマハゲ役は誰か?)
- 利用者一人ひとりの逃げ方をどうするか?
- 「自分は大丈夫」というバイアスをどう外すか?
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ぜひ、動画で「生きた防災」を学んでください。
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