【B型事業所のディーセント・ワーク】「工賃」と「福祉」の板挟みを越えて|働きがいを作る6つの鍵
【B型事業所のディーセント・ワーク】「工賃」と「福祉」の板挟みを越えて|働きがいを作る6つの鍵
就労継続支援B型事業所を運営する中で、常に突き当たる大きな壁があります。
それは、「工賃(経済活動)」と「支援(福祉活動)」のジレンマです。
工賃を上げるためには、効率よく作業し、生産性を高めなければなりません。しかし、利用者を急かしてプレッシャーをかけることは、本来の「福祉的支援」と言えるのでしょうか?
今回は、この難しい課題に対し、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」という視点から解決策を探ります。
この記事は、スペシャルラーニングのSL35から抜粋して作成しています。
講師は、NPO法人ディーセントワーク・ラボ 代表理事の中尾 文香(なかお あやか)先生です。

工賃向上への挑戦と「プロ」の介入
かつて、B型事業所の平均工賃は月額1万2千円程度でした(現在は約1万6千円)。
「もっと工賃を上げたい」と願っても、福祉職員だけで商品開発をすると、どうしても「家庭的な手作り品」の域を出ず、原価率が高止まりしてしまう傾向がありました。
餅は餅屋に
そこで効果的だったのが、外部の「プロ」を巻き込むことです。
- お菓子ならパティシエ
- 小物ならデザイナー
彼らと一緒に商品開発や販路開拓を行うことで、「福祉製品だから買う」のではなく「良いものだから買う」という新しい価値が生まれ、結果として工賃向上につながりました。
B型におけるディーセント・ワークの「難しさ」
しかし、経済性を追求すればするほど、「福祉」とのバランスは難しくなります。
一般企業のように「納期だから急いで!」「効率よく動いて!」と指導することは、障害特性のある利用者にとって過度なストレスになりかねません。
「稼ぐこと」と「支えること」。
この2つの軸の間で揺れ動くのがB型事業所の宿命ですが、ここを乗り越えなければ、真のディーセント・ワーク(働きがい)は生まれません。

働きがいを作る「6つのポイント」
では、どうすれば経済と福祉を両立できるのでしょうか。
研究と実践の結果、以下の6つの要素が重要であることが分かりました。
1. 柔軟であるための「遊び」を持つ(最重要)
これが全ての根本です。「絶対にこの時間に終わらせなきゃダメ」とガチガチに決めるのではなく、「何か起きても大丈夫」という余白(遊び)を持たせます。
トラブルや急な体調不良も想定内とし、「じゃあ次はこうしよう」と柔軟に対応できる環境が、利用者の安心感を生みます。
2. 地域との関わり・社会参加
「働く」とは、単にお金を稼ぐことだけではありません。
地域の一員として貢献し、役割を持つこと。その実感こそが、障害のある方の社会参加であり、生きがいにつながります。
3. 本人の強みからスタートする
苦手なことを克服させるのではなく、「これが得意だよね」という強みを見つけ、それを仕事に結びつける(ジョブ・マッチング)ことから始めます。
4. 失敗しながら成長へ挑戦する
失敗を恐れさせず、「うまくいかなかったけど、次はどうする?」と試行錯誤できる環境を作ります。
「挑戦したこと」自体を評価する文化が重要です。
5. モチベーションを高めるフィードバック
「失敗しちゃった」と落ち込む本人に対し、「でもここは出来てたよ」「こういう才能があるよ」と具体的にフィードバックし、「自分はできるんだ」という気づきを促します。
6. チームで補い合う
障害特性上、能力の凸凹は必ずあります。
一人で完璧にこなそうとするのではなく、「Aさんの苦手はBさんが補う」「職員と利用者がチームになる」ことで、仕事を完成させます。
障害者雇用の未来「みんな違う、だけど同じ」
法定雇用率の引き上げにより、企業での障害者雇用も進んでいますが、現場の戸惑いはまだあります。
私たちの活動のテーマは「みんな違う、だけど同じ」。
障害のある方が働きやすい職場を追求していくと、それは結果として、健常者にとっても働きやすい、心理的安全性の高い職場になります。
「知らないから怖い(偏見)」という壁を、フェスやイベントなどの「出会いの場」を通じて壊していくことも、これからの重要な取り組みです。
まとめ:B型だからこそできる「働き方」がある
B型事業所におけるディーセント・ワークとは、一般企業のような「効率一辺倒」の働き方ではありません。
「柔軟な遊び」を持ち、「チームで補い合う」。
このスタイルこそが、経済と福祉を両立させ、利用者一人ひとりの人生を豊かにする鍵となります。
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