【工賃アップの真意】「お金の価値が分からないから意味がない」は間違い?利用者の人生を変える3つのステップ
【工賃アップの真意】「お金の価値が分からないから意味がない」は間違い?利用者の人生を変える3つのステップ
就労継続支援B型事業所の運営において、「工賃向上」は避けて通れないテーマです。
しかし、現場の職員からは時折、こんな本音が漏れることがあります。
「重度の知的障害があるから、工賃が上がっても本人はピンと来ないのでは?」
「どうせご家族が全額管理するから、本人には関係ない」
もし、そう考えて「工賃アップ」の優先順位を下げているとしたら、それは利用者の成長の機会を大きく奪っているかもしれません。
今回は、実際に知的障害のある方へのインタビュー研究から見えてきた、「工賃アップがもたらす意識の劇的な変化」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL35から抜粋して作成しています。
講師は、NPO法人ディーセントワーク・ラボ 代表理事の中尾 文香(なかお あやか)先生です。

なぜ「お金の価値」が分からないのか?
まず、「利用者はお金の価値が分かっていない」という点についてです。
これは能力の問題というより、「経験」の問題であると動画では指摘されています。
「インドネシアの札束」と同じ
例えば、私たちが突然インドネシアに行き、見たこともない現地の札束を渡されたとします。「これで何が買えますか?」と聞かれても、全く分かりませんよね。
「こんなに分厚い札束なのに、水1本しか買えないの?」という経験をして初めて、その紙幣の価値を理解します。
障害のある方も同じです。
「全部管理されていて、自分で使う機会がない」状態では、お金はただの紙切れです。
「自分でこれを出したら、好きなお菓子が買えた」という経験(インプット)があって初めて、お金の認識が生まれます。
工賃アップがもたらす「3段階の意識変革」
工賃が上がり、自分でお金を使う経験を重ねると、利用者の意識は次のようにアップグレードされていきます。
ステップ1:自分の欲求(Self)
最初は「自分」に向きます。
- お菓子が買えた
- ジュースが飲めた
「自分で稼いだお金で、自分の欲求を満たせる」という経験が、働くことの初期衝動になります。
ステップ2:他者への意識(Others)
ここが重要な変化点です。工賃がある程度上がると、意識は「自分」から「人」へ向かいます。
- 家族にお土産を買って帰る
- 誰かにプレゼントをする
「自分の稼ぎで、人が喜んでくれた」
この経験は、障害のある方にとって強烈な自己肯定感につながります。「自分は支えられるだけの存在ではなく、誰かを喜ばせることができる存在だ」と気づく瞬間です。
ステップ3:未来への投資(Future)
さらに認識が深まると、「貯金」や「計画」という概念が生まれます。
- 「将来あれが欲しいから、今は貯めておこう」
- 「仕事は辛いけど、これのために頑張ろう」
目の前の欲求だけでなく、「将来(未来)」を見据えて、現在の行動をコントロールできるようになるのです。これは、人間としての生活の豊かさに直結します。

「昨年より上がった」という事実が尊厳を守る
インタビューの中で、利用者は「工賃が上がる=自分が認められた」と捉えていることが分かりました。
「去年よりも今年の方が高かった」
この事実は、「あなたはこれだけ頑張りましたよ」「成長しましたよ」という社会からのメッセージです。
金額の大きさだけでなく、「頑張りが反映される(アップする)」というプロセスそのものが、人間の根源的な承認欲求を満たし、明日の仕事への活力になります。
まとめ:工賃アップは「人生の豊かさ」へのアプローチ
工賃を上げることは、単に利用者の財布を潤すだけではありません。
- 自分で選ぶ自由を知る
- 人を喜ばせる幸せを知る
- 未来を夢見る楽しさを知る
このように、人間の尊厳やQOL(生活の質)を飛躍的に高めるための、最も具体的で効果的なアプローチなのです。
だからこそ、私たち事業所は「どうせ分からない」と諦めず、1円でも多く還元するための努力を続ける義務があります。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、
- 工賃向上に成功している事業所の事例
- 利用者の金銭管理スキルの伸ばし方
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など、利用者の「人生の豊かさ」を支えるための具体的なノウハウを動画で配信しています。
理念だけでなく、「稼ぐ力」を身につけるために。ぜひご活用ください。
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