【わかりやすい障害種類】「伝わらない」には理由がある。知的・精神・発達障害ごとのコミュニケーションの勘所
【わかりやすい障害種類】「伝わらない」には理由がある。知的・精神・発達障害ごとのコミュニケーションの勘所
対人支援の現場において、全ての土台となるのが「利用者様との信頼関係」です。
しかし、現場からは「一生懸命話しているのに心を開いてくれない」「なぜか怒らせてしまう」という悩みも尽きません。
実は、信頼関係を築くためのポイントは、相手の障害特性(知的・精神・発達)によって全く異なることをご存じでしょうか?
一律の対応では、すれ違いが起きて当然です。
今回は、それぞれの障害特性に合わせた「相互信頼を築くためのアプローチ」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL35から抜粋して作成しています。
講師は、NPO法人ディーセントワーク・ラボ 代表理事の中尾 文香(なかお あやか)先生です。

【知的障害】「言葉」を鵜呑みにせず、感情を言語化する
知的障害のある方は、自分の今の状況を理解したり、気持ちを言葉にする(言語化する)ことが苦手な場合があります。
支援者が陥りやすいミスは、本人の言葉をそのまま鵜呑みにしてしまうことです。
例:「痛い?」と聞いた時
本人は反射的に「痛くない(大丈夫)」と答えてしまうことがあります。しかし、実際は重症化していたり、表情が歪んでいたりすることがあります。
信頼を築くポイント:感情の「通訳」をする
ご本人との信頼を築くためには、言葉以外の情報(表情、行動、ご家族からの情報)を総合して、支援者が「代弁」してあげることが重要です。
- 観察する:「うれしい」と言っているが、実は困った顔をしていないか?
- 言語化を助ける:「そういう時は『嫌だ』って言っていいんだよ」「それは『痛い』っていうことだよ」と教える。
「自分のモヤモヤした気持ちを、この人は分かってくれた(言葉にしてくれた)」という体験が、深い信頼につながります。

【精神障害】「落ち込む前」に気づくための客観的ツール
精神障害のある方は、特性上、必要以上に頑張りすぎてしまったり、物事をネガティブに捉えすぎてしまったりする傾向があります。
また、一度深く落ち込んでしまうと、そこからの復帰が難しいのも特徴です。
信頼を築くポイント:客観的な「ツール」で対話する
調子の波を本人と支援者が共有するために、言葉だけのやり取りではなく「チェックシート(セルフモニタリングツール)」を活用することをお勧めします。
- 本人:「シートを見ると、今日は数値が低いな。自分は疲れているんだ」と自覚できる。
- 支援者:「この項目が出ているから、少し休みませんか?」と客観的に提案できる。
主観的な「頑張れ/頑張れない」の押し問答ではなく、「データ(ツール)を見ながら一緒に作戦を立てる」という関係性が、安心感と信頼を生みます。落ち込む前にブレーキをかけてくれる支援者は、本人にとって頼れる存在となります。
【発達障害】「受容」から始め、客観的事実で「納得」を作る
発達障害のある方の中には、過去に「なんでできないんだ」と叱責され続け、傷ついている方が多くいらっしゃいます。
そのため、指導を「攻撃」と捉えてしまったり、「自分はダメだ」と思いながらも「でも自分なりに頑張った」と防衛的になったりするなど、複雑な心理状態にあります。
信頼を築くポイント:受容+客観的フィードバック
いきなり「ここがダメ」と指摘すると、心のシャッターが降りてしまいます。以下のステップで関わることが重要です。
- まずは受容:「あなたはそう思ったんだね」「そこまで頑張ったんだね」と、本人の言い分や感情を否定せずに受け止める。
- 客観的視点:「でも、仕事(成果)としてはこうだったね」と、感情抜きで事実を伝える。
- 共同作業:「じゃあ、次はどうしたらうまくいくだろう?」と一緒に考える。
一方的に正解を教えるのではなく、「一緒にトライ&エラーをして、成功体験を作る」。このプロセスを共有することで、「この人は自分を否定しないパートナーだ」という信頼が生まれます。
まとめ:信頼構築は「センス」ではなく「技術」です
信頼関係の構築を、職員個人の「人柄」や「センス」任せにしていませんか?
- 知的障害には、感情の言語化サポート
- 精神障害には、客観的ツールの活用
- 発達障害には、受容と納得のプロセス
このように、相手の特性に合わせた「適切なコミュニケーション技術」を使えば、誰でも信頼関係を築くことができます。逆に言えば、これを知らないまま現場に出ることは、職員にとっても利用者様にとってもリスクです。
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