【障害者施設の感染症対策】「マスクができないから無理」は通用しない|国立施設に学ぶ基本とマニュアルの壁

障害福祉サービスの現場において、感染症対策は永遠の課題です。

「利用者様がマスクを嫌がって外してしまう」
「どうしても密着した介助が必要」
「手洗いうがいを徹底するのが難しい」

こうした障害特性ゆえの難しさを前に、「うちの施設で完全な対策なんて所詮無理だよ」と諦めかけてはいませんか?

しかし、集団生活の場である以上、クラスター発生は事業の停止や利用者様の命に直結します。

今回は、国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」の研究員であり、元看護師として現場を知り尽くした根本氏の講義より、障害者施設が持つべき「感染症対策の覚悟」と「基本」について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL150から抜粋して作成しています。

講師は、独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設 のぞみの園 研究員/看護師の根本 昌彦先生です。

「防げたはずの感染」は「支援不足」である

感染症対策の話をすると、現場からは多くの「できない理由」が挙がります。

  • 「人手や予算がない」
  • 「利用者が動き回るから止められない」
  • 「自分は感染しなかったから大丈夫(根拠のない自信)」
  • 「ワクチンは危険だ(個人的な思想)」

現場の苦労は痛いほど分かります。しかし、根本氏はこう断言します。
「方法があるにもかかわらず、防げたはずの感染症にかかってしまう。これは『支援不足』ではないでしょうか」

病原体は勝手には動かない

そもそも、ウイルスや細菌といった病原体の多くは、自ら足を生やして移動することはありません。
「誰か(人)が運んでしまっている」のです。

「マスクができないから仕方ない」ではなく、「マスクができない利用者様を守るために、職員がウイルスを持ち込まない・広げない動線をどう作るか」を考えることこそが、プロの支援です。

感染対策の「3つの柱」と障害特性への応用

感染対策には、古くから変わらない「3つの柱」があります。

  1. 病原体の排除(消毒、手洗いなど)
  2. 感染経路の遮断(隔離、ゾーニング、防護具)
  3. 宿主(人)の抵抗力の向上(ワクチン、健康管理)

これらは病院でも施設でも同じですが、障害者施設だからこそ、より重要度が増すポイントがあります。

「自分で不調を訴えられない」リスク

健常者であれば「なんか喉が痛いな」「寒気がするな」と初期症状を訴えられますが、知的障害のある利用者様はそれを言葉にできません。

そのため、感染症が発覚した時には既に重症化していたり、施設内に蔓延していたりするケースが多くなります。
マニュアル通りの消毒も大切ですが、それ以上に「いつもと様子が違う」と気づける支援員の観察眼(日常の対策)こそが、最強の感染対策になります。

コロナ・インフルだけじゃない!施設に潜む多様なリスク

「感染症対策」というと、最近は新型コロナウイルスやインフルエンザばかりに目が行きがちです。しかし、施設運営において警戒すべき感染症はそれだけではありません。

  • 結核:過去の病気と思われがちですが、高齢者施設等で新たな感染が増えています。
  • 麻疹(はしか)・水疱瘡:空気感染するため、感染力が極めて高いです。
  • 疥癬(かいせん)・ノロウイルス:接触感染するため、介助を通して広がりやすいです。
  • B型/C型肝炎・AIDS:血液や体液を介して感染するリスクもゼロではありません。

これら全ての感染経路や初期症状を、現場の支援員は正しく理解しているでしょうか?
「知らなかった」では済まされない事態になる前に、幅広い知識を網羅しておく必要があります。

なぜ「マニュアル」はあるのに機能しないのか?

どの施設にも立派な「感染症対策マニュアル」があるはずです。しかし、いざという時にそれが機能しないことが多々あります。根本氏はその理由として「施設特有の事情」を挙げます。

1. マニュアルの文字が多すぎる

分厚いファイルに文字だけで書かれたマニュアルは、緊急時に頭に入ってきません。読むのが億劫になり、結局「自己流」の対応になってしまいます。

2. 看護師と支援員の連携不足

医療職(看護師)と福祉職(支援員)の間で、知識や意識のギャップがあり、「初期症状のキャッチ」から「対応」までの連携がスムーズにいかないケースがあります。

3. 設備・物品の不足

病院とは違い、十分な隔離部屋や防護具の備蓄がない中で、どう工夫してゾーニング(汚染区域の区分け)をするかという応用力が求められます。

まとめ:国立施設の知見を、貴施設の「当たり前」に

感染症対策において、「100%正解」の方法はありません。対策をすれば業務負担(リスク)は増えますが、それによって得られる安全(ベネフィット)とのバランスを判断し続けるしかありません。

しかし、「知識不足による感染拡大」だけは、研修によって100%防ぐことができます。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、今回ご紹介した「のぞみのその」や、国立で唯一の知的障害児施設「秩父学園」の知見を結集した感染症対策プログラムを配信しています。

  • 文字ではなく「映像」で見る、具体的な防護具の着脱方法
  • 施設内のゾーニングの実践例
  • 看護師と支援員が連携するためのポイント

「文字のマニュアル」から「動画のマニュアル」へ。
職員全員が、国立施設レベルの感染対策の基礎を身につけるために、ぜひご活用ください。

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