【ケース会議の準備】「資料なし」「ゴールなし」で始めていませんか?1時間で成果を出すための事前確認リスト

「よし、会議を始めよう。Aさんについて何かある?」
「……特にないですね」
「じゃあ、現状維持で」

こんな中身のないケース会議になっていませんか?
会議の質は、当日の進行よりも「事前の準備」で9割決まります。

今回は、限られた時間で実りある議論をするために、担当者や進行役が事前に準備すべき「3つの鉄則」について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL94から抜粋して作成しています。

講師は、日総研出版「障害者の個別支援計画の考え方・書き方」の著者であり、武庫川女子大学 文学部 心理・社会福祉学科の教授の松端 克文(まつのはな かつふみ)先生です。

1. 報告者は「3点セット」を準備する

会議の場になってから、口頭で「最近、Aさんが…」と話し始めても、参加者は共通認識を持てません。
担当者(またはサービス管理責任者)は、議論の土台となる以下の「報告資料」を必ず用意しましょう。

  1. アセスメント(この人はどんな人か?)
    基本情報、障害特性、生育歴など。
  2. 個別支援計画(どんな支援をしてきたか?)
    現在進行中の計画内容と、それに基づく実践の記録。
  3. 現状と課題(今、何が起きているか?)
    実践の結果、どのような状態になり、何が問題になっているか。

「こういう計画でやってきたけれど、今こういう課題が出ている」という文脈(ストーリー)を提示しないと、議論は深まりません。

2. 進行役は「着地点(ゴール)」を決める

ただ集まって「どう思いますか?」と聞くだけでは、話が発散して終わります。
進行役(ファシリテーター)は、会議の「目的」「着地点(落とし所)」を明確にしておく必要があります。

具体例:他害行為のケース

  • × ダメな進行:「最近、Aさんが噛み付くんですけど、どうしましょう?」
  • ○ 良い進行:「目的は、最近増えている噛みつきを減らすことです。今日の会議では、具体的な対応策をチームで統一するところまで(着地点)決めたいと思います」

ゴールが見えていれば、参加者もそこに向かって発言できます。
また、進行役を固定せず「持ち回り(輪番)」にすることで、全員が「会議をまとめる難しさ」を知り、自分が参加者の時の発言の質も高まります。

3. 「身内だけ」にしない。外部の風を入れる

スタッフだけで会議をすると、どうしても「なあなあ(慣れ合い)」の雰囲気になりがちです。
それを防ぐために、意識的に「外部の風」を入れましょう。

  • 本人・ご家族
  • 相談支援専門員
  • 役場のケースワーカー

外部の人が同席すると、良い意味での「緊張感」が生まれます。
「専門職として恥ずかしくない議論をしよう」という意識が働き、会議の質がグッと引き締まります。

まとめ:会議は「1時間」が勝負

ダラダラと2時間も3時間も話すのは、現実的ではありませんし、集中力も続きません。
「1ケース、最大1時間まで」と決めて、コンパクトに行うのが望ましいでしょう。

  • 資料で現状を共有する(過去〜現在)
  • ゴールを決めて議論する(未来)
  • 外部の人を入れて緊張感を保つ

この準備さえ整っていれば、たった1時間でも、Aさんの人生を良くするための濃密な話し合いができるはずです。

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「集まってよかった」と思える会議にするために。ぜひご活用ください。

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