【個別支援計画】施設の中だけで完結していませんか?「社会資源」の活用と創出で広がる支援の可能性

個別支援計画の項目にある「社会資源の活用」や「社会資源の創出」。
正直なところ、「何を書けばいいか分からない」「空欄のまま」というケースが多いのではないでしょうか?

しかし、ソーシャルワーク(社会福祉)の醍醐味は、個人の支援だけでなく、「社会」に働きかけることにあります。
施設の中だけで支援を完結させるのではなく、地域を巻き込むことで、利用者様の人生も、地域の在り方も大きく変わります。

今回は、マンネリ化しがちな支援計画に新たな視点を与える「社会資源の活用・創出」について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL94から抜粋して作成しています。

講師は、日総研出版「障害者の個別支援計画の考え方・書き方」の著者であり、武庫川女子大学 文学部 心理・社会福祉学科の教授の松端 克文(まつのはな かつふみ)先生です。

1. 「人手不足だからできない」を打破する「活用」

例えば、「映画に行きたい」という利用者の希望があったとします。
しかし、現場は慢性的な人手不足。「職員が付き添う余裕がないから無理」と諦めていませんか?

ここで登場するのが「社会資源の活用」です。

  • 課題:職員だけでは外出支援が回らない。
  • 活用:地域の学生ボランティアを募り、一緒に映画に行ってもらう。

これにより、外出が実現するだけでなく、利用者にとっては「職員以外の若者と遊ぶ」という社会経験の拡大にもなり、QOL(生活の質)が向上します。
「自分たち(職員)だけでやらなきゃ」という枠を外し、外の力を借りる仕組みを作ることが「活用」です。

2. ないものは作る!それが「創出」

では、ボランティアがいない場合はどうすればいいのでしょうか?
そこで「社会資源の創出」が必要になります。

実習生をボランティアに変えるテクニック

社会福祉士や介護福祉士を目指す学生が、実習に来ることがあると思います。
実習が終わったら「さようなら」ではなく、彼らをボランティアとして組織化していくのです。

  • ポイント:「またここに関わりたい」と思ってもらえるような魅力的な施設であること。

学生との縁を繋ぎ止め、新たなボランティアグループ(資源)を作ってしまう。これが「創出」の一例です。

3. 「助けられる側」から「地域を支える側」へ

社会資源の創出は、ボランティアを集めるだけではありません。
障害のある方自身が、地域にとっての重要な「資源」になるケースもあります。

事例①:行列のできるうどん屋さん(就労継続支援B型)

ある事業所が運営するうどん屋さんは、「障害者が作っています」とは一切アピールせず、純粋に「安くて美味しい」で勝負しています。
結果、お昼時には行列ができるほどの人気店に。

  • 変化:地域の人にとって「障害者の施設」ではなく「美味しいうどん屋さん」になる。
  • 交流:レジでのやり取り(両替の依頼など)を通じて、自然なコミュニケーションが生まれ、差別や偏見が解消されていく。

事例②:限界集落の「ミニコンビニ・移動販売」

過疎化が進む地域(限界集落)で、障害福祉サービス事業所が「何でも屋さん(ミニコンビニ)」や移動販売を行っている事例です。
運転はスタッフですが、販売員は利用者様です。

  • 変化:買い物難民となっている地域の高齢者にとって、なくてはならない「生活インフラ」になる。

ここでは、障害のある人が「支援される側」ではなく、「地域の住民の生活を支える側」として活躍しています。これも立派な「社会資源の創出」です。

まとめ:計画に「夢」と「広がり」を

個別支援計画は、あくまで「個人の支援」のためのものです。
しかし、その個人の願いを叶えるために、地域をどう巻き込むか(ボランティア)、あるいはその個人の活動が地域にどう貢献できるか(うどん屋・移動販売)という視点を持つと、計画の意味合いがガラリと変わります。

「施設内での自己完結」から「地域社会への発信・連携」へ。

この視点を持つことで、支援の仕事はもっとクリエイティブになり、やりがい(夢)も大きく広がります。
次の計画作成では、「地域とどう繋がるか?」をぜひ考えてみてください。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • ボランティア受け入れ・定着のためのマネジメント術
  • 地域とかかわる「工賃向上」の成功事例
  • 社会資源マップの作り方と関係機関との連携フロー

など、事業所の中だけでは学べない、地域全体をフィールドにした支援の広げ方を動画で配信しています。
地域に愛され、必要とされる事業所になるために。ぜひご活用ください。

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