【個別支援計画】「作業がない…」と嘆く前に。日中活動を“オーダーメイド”で創り出す発想の転換

個別支援計画における「日課・日中活動」の項目。
「毎日同じ作業の繰り返しで、書くことがない」
「下請け仕事が減ってきて、工賃が上がらない」
そんな悩みを抱えている事業所は少なくありません。
しかし、時代は変わっています。かつての「決まった作業に人を当てはめる」やり方から、「その人のために活動を創り出す」やり方へ。
今回は、マンネリ化した日中活動を打破し、利用者も職員もワクワクするようなプログラムを考えるためのヒントを解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL94から抜粋して作成しています。
講師は、日総研出版「障害者の個別支援計画の考え方・書き方」の著者であり、武庫川女子大学 文学部 心理・社会福祉学科の教授の松端 克文(まつのはな かつふみ)先生です。
1. 事業所の「目的」と「連携」を再確認する
まず、日中活動の内容は、利用しているサービスの目的によって大きく異なります。
- 生活介護: 余暇活動やレクリエーションがベース。
- 就労継続支援A型: 雇用契約を結び、最低賃金を保証する「仕事」。
- 就労継続支援B型: 雇用契約はないが、作業工賃が発生する。
- 就労移行支援: 期間(2年など)を定め、一般就労への移行を目指すトレーニング。
大切なのは、入所施設やグループホーム(暮らしの場)と、日中活動の事業所(活動の場)が連携することです。
「家ではこう過ごしているから、日中はこれを頑張ろう」と、生活全体を俯瞰してプログラムを組む必要があります。

2. 「自動車部品の下請け」が稼げない時代の現実
多くの事業所では、「ウチの作業はこれ」とプログラムが決まってしまっています。
例えば、自動車部品の組み立てなどの下請け作業です。
20〜30年前は、この下請けだけで年収2000万円を売り上げ、利用者の工賃も月7〜8万円出せていた時代がありました。
しかし、今はどうでしょうか?
企業の海外移転などで仕事が減り、単価も安くなっています。「昔ながらの作業」に固執していては、工賃も下がっていく一方です。
「今ある作業」に利用者を当てはめるだけでは、限界が来ています。
地域のニーズや時代の変化に合わせて、私たちも変わらなければなりません。
3. 「農福連携」から「YouTuber」まで!柔軟な発想で仕事を創る
では、どんな活動をすればいいのでしょうか?
キーワードは、「地域の困りごと(ニーズ)」×「利用者の得意(シーズ)」です。
アイデア①:地域の農家さんを助ける(農福連携)
農家が多い地域なら、人手不足の農家さんと連携します。
例えば「大根の収穫」。大根を引き抜くのは重労働で、高齢の農家さんには大変です。そこを障害のある方が手伝うことで、喜ばれ、仕事になります。
アイデア②:買い物客の荷物持ち
高齢者が多い地域なら、スーパーで買い物をした後の「重い荷物を持って帰る」のが大変です。
そこをサポートするサービス(御用聞き)も、立派な地域貢献活動になります。
アイデア③:得意を活かしてYouTuber
作業が苦手でも、何か特技がある方なら、YouTubeでの配信も選択肢の一つです。
「Aさんは何が得意か?」「どんな動画なら撮れそうか?」を3ヶ月単位で計画し、広告収入を目指すのも、現代ならではの「仕事」です。
4. 「枠」にはめるのではなく「オーダーメイド」で作る
これからの個別支援計画に求められるのは、「オーダーメイド」の発想です。
- × 従来の発想: 「ウチには箱折りの作業しかないから、Aさんもそれをやってください」
- ○ 新しい発想: 「Aさんはこれが得意で、Bさんはこれが好き。じゃあ、二人の良さを活かして新しいこの活動(仕事)を始めてみよう!」
今あるプログラムに人を押し込むのではなく、「その人にとって重要な日中活動は何か?」をゼロベースで考える。
そうすると、職員の関わり方もクリエイティブになり、仕事の面白さが格段に上がります。
まとめ:支援者の企画力が、利用者の人生を輝かせる
日中活動を見直すことは、利用者の可能性を広げることです。
「下請けが来ない」と待つのではなく、地域を見渡し、利用者の顔を見て、新しい活動を仕掛けていきましょう。
そこに、今までになかった「新規事業」が生まれ、事業所全体の活気にも繋がるはずです。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、
- 工賃向上を実現した「農福連携」の成功事例とノウハウ
- 利用者の強みを見つける「ストレングス視点」のアセスメント
- マンネリ化したレクリエーションを刷新するアイデア集
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など、固定観念にとらわれず、利用者一人ひとりに合った日中活動を創り出すための実践的なヒントを動画で配信しています。
ワクワクする活動計画を作るために。ぜひご活用ください。
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