【行政への通報フロー】虐待発見!「市町村」か「児相」か「都道府県」か?

虐待を発見した際、迷わず通報するためには「誰が虐待をしたか」「被害者は何歳か」によって通報先が変わることを理解しておく必要があります。
今回は、養護者(家族)による虐待と、施設従事者による虐待、それぞれの行政への通報ルートと対応の流れについて解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL39から抜粋して作成しています。
講師は、元 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室 虐待防止専門官/障害福祉専門官であり、現在、社会福祉法人みんなでいきる 理事/障害福祉事業部長の片桐公彦先生です。
1. 「養護者(家族)」による虐待の場合
家族など、養護者による虐待を発見した場合の通報先は、基本的には「お住まいの市町村」です。
対応の流れ
通報を受けた市町村は、事実確認やご本人の安全確保(分離・保護)を行います。それと同時に重要なのが、「養護者への支援」です。
- レスパイト: ショートステイなどを利用し、介護疲れを癒やす時間を確保する。
- 住み替え: 一緒に暮らすのが難しい場合、グループホームなどを紹介する。
- 負担軽減: ヘルパーなどの福祉サービスを導入する。
虐待防止法は、家族を罰するためだけでなく、疲弊した家族を支援し、虐待を防ぐための法律でもあります。
【要注意】「18歳未満」は通報先が違う!
放課後等デイサービスなどで働く方は特に注意が必要です。
障害者虐待防止法における「養護者による虐待」の対象は、18歳以上の障害者です。
- 18歳以上 ➡ 市町村(障害者虐待防止センターなど)
- 18歳未満(児童) ➡ 児童相談所
「親から殴られた」という訴えや傷があった場合、相手が子供であれば児童虐待としての対応(児童相談所への通報)になります。この区分けは必ず覚えておきましょう。
2. 「施設従事者」による虐待の場合
私たち福祉施設の職員による虐待の場合も、通報先は基本的に「市町村」ですが、その後の動きに「都道府県」が大きく関わってきます。
市町村と都道府県の「二重構造」
- 通報:まずは市町村へ通報します。(都道府県でも可)
- 事実確認:市町村が事業所へ調査に来ます。
- 報告:虐待の事実が認められたら、市町村から都道府県へ報告がいきます。
- 指導・処分:都道府県が事業所へ調査に来て、指導や処分を行います。
なぜ都道府県が出てくるのか?
事業所の指定(許可)権限や処分権限を持っているのは、原則として都道府県(または政令指定都市・中核市)だからです。
都道府県は、障害者総合支援法や社会福祉法に基づき、厳しい調査を行います。
その過程で、虐待の事実だけでなく、
- 「不正請求」が見つかる
- 「理事長による隠蔽」が発覚する
といった場合は、さらに重い処分が下されることになります。
施設虐待の場合は、市町村の調査だけでなく、権限を持つ都道府県による処分までセットで動くということを理解しておきましょう。

まとめ:通報先を間違えないために
- 家族による虐待(大人) ➡ 市町村(家族支援もセット)
- 家族による虐待(子供) ➡ 児童相談所
- 施設での虐待 ➡ 市町村に通報後、都道府県が処分判断(二重構造)
いざという時に「どこに電話すればいいの?」と迷わないよう、事業所内で連絡先リストを確認しておきましょう。
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