【令和3年度報酬改定】「記録」だけでは減算に?身体拘束適正化、義務化された3つの要件

虐待防止対策の強化と並んで、大きな変更点となったのが「身体拘束適正化」の強化です。
これまで障害福祉分野では、介護保険分野に比べて少し緩やかだった運用が、今回の改定で一気に引き上げられました。

「記録さえつけていれば大丈夫」という時代は終わりました。
今回は、新たに義務化された要件と、減算(ペナルティ)を回避するためのポイントについて解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL39から抜粋して作成しています。

講師は、元 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室 虐待防止専門官/障害福祉専門官であり、現在、社会福祉法人みんなでいきる 理事/障害福祉事業部長の片桐公彦先生です。

1. 減算要件が追加!「記録」だけでは守れない

これまで、身体拘束廃止未実施減算(ペナルティ)の対象となるのは、「緊急やむを得ない場合の記録」をつけていない場合のみでした。

しかし、今回の改定で以下の3つを行っていない場合も、新たに減算の対象となりました(令和5年4月より適用)。

  1. 身体拘束適正化検討委員会の開催
  2. 指針(ガイドライン)の整備
  3. 定期的な研修の実施

これまでの「①記録」に加え、「②委員会」「③指針」「④研修」の計4つが揃っていないと、報酬が減額されることになります。

2. 訪問系サービスにも「禁止規定」が登場

驚くべきことに、これまでヘルパーなどの「訪問系サービス」には、身体拘束の禁止規定が明確にはありませんでした。
今回の改定で、ここにもメスが入り、訪問系サービスにおいても身体拘束禁止規定が明確化されました。

これにより、施設だけでなく、居宅介護などの現場でも適正化への取り組みが求められます。
(※相談支援事業所や自立生活援助など、身体拘束のシチュエーションが想定されないサービスは対象外です)

3. 負担軽減!委員会は「同時開催」が可能

「虐待防止委員会もやって、身体拘束適正化委員会もやるの?負担が大きすぎる…」
そう感じる現場のために、効率的な運営が認められています。

  • 同時開催OK:
    「虐待防止委員会」と「身体拘束適正化検討委員会」は、関連が深いため合わせて開催可能です。
  • 名称の統合OK:
    例えば「障害者虐待防止・身体拘束適正化委員会」といった名称にしても構いません。
  • 法人単位OK:
    事業所ごとではなく、法人全体でまとめて開催することも可能です。

4. 介護保険と同水準へ。具体的な頻度は?

今回の改定は、先行していた「介護保険サービス」の運用ルール(②③④)を、そのまま障害福祉分野にスライド(導入)させた形です。
ただし、頻度については障害福祉独自の実情に合わせたルールになっています。

  • 委員会の開催:
    介護は「3ヶ月に1回」ですが、障害では「年1回以上」でOKとされています。
  • 研修の実施:
    こちらも「年1回以上」。ただし、新規採用時には必ず実施することが重要です。

まとめ:仕組みを整え、減算リスクを回避する

身体拘束適正化は、利用者の尊厳を守るための最重要課題の一つです。
「令和5年から減算」という猶予期間はありましたが、すでに完全施行されています。

  • 委員会は開かれていますか?
  • 指針は整備されていますか?
  • 研修は年に1回以上行っていますか?

これらが未実施だと、経営に直結するダメージ(減算)となります。今一度、自事業所の体制を確認しましょう。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 義務化対応!「身体拘束適正化研修」の動画教材(年1回の研修に最適)
  • そのまま使える「身体拘束適正化指針」のひな形
  • 「委員会」の議事録テンプレートと運営マニュアル
  • 訪問系サービス向け「身体拘束禁止」の周知資料

など、新しい減算要件をクリアし、適正な運営を行うための実務ツールを網羅しています。
手間をかけずに法令遵守体制を整えるために。ぜひご活用ください。

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