【自閉症の支援】なぜ玄関で立ち止まる?「動かない」利用者へのNG対応とスムーズな切り替え術

【自閉症の支援】なぜ玄関で立ち止まる?「動かない」利用者へのNG対応とスムーズな切り替え術
「さあ、行きますよ」と声をかけても、玄関で石のように固まって動かない。
「お茶を飲みましょう」と言っても、コップを持ったまま何十分もフリーズしている。
激しい行動障害とは対照的に、特定の場面でピタッと「動かなくなってしまう」利用者さんがいます。
支援者としては、つい「早くして!」「ほら、行くよ」と急かしたり、腕を引いたりしたくなりますが、実はそれは逆効果になることが多いのです。
今回は、なぜ彼らは動けなくなるのかという「理由」と、背中を押すための「具体的な切り替えテクニック」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL20から抜粋して作成しています。
講師は、自閉症eサービス全国ネット 代表の中山清司先生です。

「わがまま」ではなく「切り替え」ができない
まず理解すべきなのは、彼らは決して「嫌がらせ」や「頑固」で動かないわけではないということです。
多くの原因は、「行動の切り替え(スイッチのオンオフ)」がうまくいかないことにあります。
例えば、手洗いをいつまでも止められない利用者さんがいますが、あれは「洗う」という動作を「終わらせる(オフにする)」ことが苦手な状態です。
「動かない」現象もこれと同じです。
- 今の状態(止まっている状態)から、次の動作(歩く、飲む)へスイッチを切り替えることができない。
脳内では「動かなきゃ」と分かっていても、身体への指令がスムーズにいかず、フリーズしてしまっている状態なのです。
「早くして!」は逆効果。焦らせると余計に止まる
このメカニズムを知らずに、支援者が言葉で畳み掛けるとどうなるでしょうか。
- 「ほら、早く!」(言葉の指示)
- グイッと腕を引っ張る(身体的な介入)
これらは、本人にとって強いプレッシャー(ストレス)になります。
焦れば焦るほど脳はパニックを起こし、さらに体が硬直して、余計に動けなくなってしまいます。
「動かない」時には、言葉による促しや力づくの対応は避けるべきです。
次の一歩を出しやすくする「2つの工夫」
では、どうすればスムーズに動いてもらえるのでしょうか。
言葉で説明するのではなく、「視覚」や「物」を使って、自然と次の一歩が出るような工夫をしてみましょう。
1. 「次の行動」に必要な物を渡す
言葉で「ご飯ですよ」と言う代わりに、具体的なアイテムを渡してみます。
- 食事に行ってほしい時 → お箸をスッと手渡す。
- 移動してほしい時 → 靴や鞄を見せる。
「お箸を持つ」という動作がきっかけ(スイッチ)となり、「あ、食べるんだ」と身体が自然に食堂へ向かうことがあります。
言葉よりも「物」の方が、彼らにとっては分かりやすい指令になります。
2. 「好きなこと(動機)」を見せる
最も強力なのは、本人が大好きな活動を提示することです。
- ジュースが好きなら → ジュースの写真を見せる。
- ドライブが好きなら → 車の鍵を見せる。
「次はジュースだ!」という強い動機(楽しみ)があれば、それがエンジンの役割を果たし、フリーズしていた状態からスムーズに動き出せることがよくあります。

まとめ:力ではなく「アイデア」で動かす
利用者が動かない時、それは「動きたくない」のではなく「動けなくて困っている」のかもしれません。
そんな時こそ、支援者の腕の見せ所です。
「言葉で説得」したり「力で引っ張ったり」するのではなく、「何を見せれば、彼らのスイッチが入るだろう?」とアイデアを出してみてください。
お箸一本、写真一枚が、魔法のように彼らを動かす鍵になるかもしれません。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、
- 場面の切り替えをスムーズにする「視覚支援」の具体例
- 自閉症の特性に合わせた「待ち方」と「促し方」
- 動かない利用者へのケース別対応アプローチ
など、力に頼らず、利用者の自発的な行動を引き出すための支援技術を動画で配信しています。
お互いにストレスのない移動や活動を実現するために。ぜひご活用ください。
知識や考え方の共通認識を作る、スペシャル ラーニング
弊社では、障がい福祉業界に特化したオンライン研修サービス「スペシャルラーニング」をご提供しています。
パソコンやスマートフォンでいつでもどこでも研修を受講できるため、スキマ時間を活用して、研修に取り組むことができます。
スペシャルラーニング(Special Learning)の特徴は主に以下です。
1動画3〜5分、2,000本以上のコンテンツ
1動画3〜5分×数本で1テーマの受講が完結する仕組みです。
1ヶ月30分の視聴の積み重ねでも、しっかりと知識習得につながります。
時間よりも「全員が同じタイミングで、同じ研修を受講する」ことが研修効果を最大限に発揮し、知識の共通認識を作ることにも重要なポイントです。
また、毎月約30本の新規動画が増え続けています。
著名講師の講義による「質」の高い学び
厚生労働省が国の研修で依頼する講師の方や国の研究機関の責任者、元厚生労働省の虐待防止専門官等、障がい福祉業界のトップ有識者と一緒にコンテンツ制作をしています。
そのため、スペシャルラーニングを通して、質の高い学びが実現できます。
導入から仕組み作りまで専任担当者によるサポート体制
研修は仕組み作りがとても重要です。
「どうやって事業所で仕組み化しよう」「やることが増えてしまうんじゃないかな…」
そんな悩みを解決し、運営負担は少なく、学習効果は大きい、研修運用の仕組み作りをサポートします。
少しでもご興味ある方は、ぜひお気軽に以下から資料請求・お問い合わせください!
研修環境の整備がもたらす効果や具体的な活用方法について、わかりやすくご案内いたします!
お電話でのお問い合わせ(平日10:00〜17:00)
072-648-4438 ※土・日・祝日、年末年始を除く