【高次脳機能障害】「覚えられない」「すぐ怒る」は性格のせいじゃない?4大症状と原因を徹底解説

【高次脳機能障害】「覚えられない」「すぐ怒る」は性格のせいじゃない?4大症状と原因を徹底解説

障害福祉の現場で、ある利用者様に対してこんな風に感じたことはありませんか?

「さっき言った約束をすぐに忘れる(やる気がないのでは?)」
「些細なことで急に怒り出す(性格が変わった?)」
「料理や作業の段取りが極端に悪い」

外見上は麻痺などがなくても、脳の損傷によって生活に支障が出ている場合、それは「高次脳機能障害」である可能性があります。

この障害は「見えない障害」とも呼ばれ、周囲の誤解を生みやすいのが特徴です。
今回は、支援者が必ず知っておくべき「4つの主要症状」と、その「原因」について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL56から抜粋して作成しています。

講師は、名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院 第1脳神経内科部長 なごや高次脳機能障害支援センター センター長の稲垣 亜紀(いながき あき)先生です。

2つの定義:「学術的定義」と「行政的定義」

高次脳機能障害には、大きく分けて2つの定義があります。

  1. 学術的定義: 脳血管障害や事故などにより、失語・失行・失認などをきたしている状態(医学的な視点)。
  2. 行政的定義: 厚生労働省が支援対策を行うために定めたもの。記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害の4つを主症状とする(生活支援の視点)。

私たち福祉従事者が現場で直面するのは、主に後者の「行政的定義」に含まれる症状による生活のしづらさです。

現場で気づくべき「4つの主要症状」

では、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。代表的な4つの症状を見ていきましょう。

1. 記憶障害

「新しいこと」を覚えるのが困難になります。

  • 症状例: さっきした約束を忘れる、知っているはずの人の顔や名前が思い出せない。
  • 現場の誤解: 「無視した」「ふざけている」と思われがちですが、本人の脳には記憶が定着していません。

2. 注意障害

注意を適切に向けたり、持続させたりすることができません。

  • 症状例: 作業中にすぐ気が散る、不注意なミスを繰り返す、二つのことを同時にできない。

3. 遂行機能障害(すいこうきのうしょうがい)

目標を立てて、計画通りに物事を進める「段取り」ができなくなります。

  • 症状例: カレーを作る手順が分からない、何時に出発すれば間に合うか計算できない、行き当たりばったりに行動してしまう。

4. 社会的行動障害

感情や欲求のコントロールができず、社会的に不適切な行動をとってしまいます。

  • 症状例:
    • 易怒性(いどせい): 些細なことですぐにキレる。
    • 病的浪費: 後先考えずにお金を使ってしまう。
    • 発動性の低下: 意欲がわかず、一日中ボーッとしている。
    • 過剰な正義感: ルール違反(マナー違反)をしている他人に激昂し、トラブルになる。

なぜ起こるのか?主な原因と特徴

高次脳機能障害の原因は、脳へのダメージです。原因によって発症年齢や特徴が異なります。

脳血管障害(脳卒中)

最も多い原因です。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などが挙げられます。

  • 特徴: 中高年に多いですが、「くも膜下出血(脳動脈瘤の破裂)」などは若い人でも発症し、重篤な記憶障害を残すことがあります。

脳外傷(交通事故・転落など)

交通事故や高所からの転落などで、頭に強い衝撃が加わって起こります。若年層の発症も多く見られます。

【要注意】びまん性軸索損傷(びまんせいじくさくそんしょう)
脳が強い回転力を受け、神経の線維(軸索)が広範囲にちぎれてしまう状態です。

  • 特徴: CTやMRIなどの画像診断では異常が見つからないことがあります。「画像はきれいなのに、明らかに症状がある」というケースもあり、障害認定が難しい場合があるため、支援者の丁寧な観察が不可欠です。

低酸素脳症

心筋梗塞や事故(溺水など)で一時的に心肺停止になり、脳に酸素がいかないことで発症します。

  • 特徴: 特に海馬(記憶の中枢)がダメージを受けやすく、重い記憶障害が残ることがあります。

まとめ:その行動は「障害の症状」かもしれません

高次脳機能障害のある利用者様が「約束を破る」のも「怒り出す」のも、性格の問題ではなく、脳の損傷による「症状」です。

支援者がこの知識を持っているかどうかで、対応は180度変わります。
「困った人」とレッテルを貼る前に、「どんな障害特性があるのか」をアセスメントする視点を持ちましょう。

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