【良好なコミュニケーション】「言いたいことを言う」のが正解ではない?虐待対応にも通じる信頼の築き方

「言いたいことを言ったらスッキリしたけど、相手との関係は最悪になった」
これでは、コミュニケーションが成功したとは言えません。

今回は、虐待防止の現場で管理者として厳しい対応を迫られる講師の実体験を交えながら、 「相互理解」 にたどり着くための正しい手順と、苦手な相手との向き合い方について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL174から抜粋して作成しています。
講師は、東京都障害者虐待防止・権利擁護研修運営委員会の委員であり、社会福祉法人 文京槐の会 は〜と・ピア2の松下 功一(まつした こういち)先生です。

1. 目的は「論破」ではなく「理解」

良好なコミュニケーションの第一歩は、 感情を適切に表せるようになること です。

  • ダメな例:相手を批判したり、攻撃したりするために感情をぶつける。「言いたいことを言う」ことが目的になってしまっている状態です。これでは関係が悪化します。
  • 我慢もNG:かといって、言いたいことを飲み込んで我慢しすぎると、相手へのマイナス感情が生まれ、協力関係が築けません。

目指すべきゴールは、言いたいことを言うことではなく、 「自分の考えを相手に分かってもらうこと(相互理解)」 です。

2. 伝えるには「順番」がある

では、どうすれば相手に分かってもらえるのでしょうか?重要なのは 「話す順番」 です。

  1. 相手の理解・配慮
    まず、相手の気持ちを考え、配慮します。
  2. 「聞く耳」を持ってもらう
    相手が「この人の話なら聞こう」という状態になるまで待ちます。
  3. 自分の考えを伝える
    自分の意見を言うのは、最後です。

いきなり自分の主張をぶつけるのではなく、まず相手を受け入れる。この順序を守ることで、初めてコミュニケーションの土台ができあがります。

3. 難しい相手こそ「自分の課題」と捉える

そうは言っても、苦手な相手や難しい相手に対して、この手順を踏むのは至難の業です。講師自身も「自信はない、自分の目標でもある」と語ります。

しかし、相手に問題があるとしても、「あいつが悪い」と相手のせいにして思考停止してはいけません。
「この人とどうすればうまくやっていけるか?」
そうやって自分の課題として捉え直し、対応方法を考える時間を持つこと。その冷静な「間」こそが、状況を好転させる鍵になります。

4. 虐待事案の聞き取りでも「関係性」が最優先

このコミュニケーション手法は、 虐待をしてしまった職員への聞き取り や、被害を受けたご家族への対応といった、極めてシビアな場面でこそ真価を発揮します。

事実確認を急ぐあまり、相手を追い詰めてはいけません。
まずは相手の言い分や気持ちに配慮し、 「相手との関係を崩さないこと」 を最優先にする。自分の考えや指導を伝えるのは、信頼関係がつながった一番最後で良いのです。

まとめ:自分の成長なくして、解決なし

相手を変えることはできませんが、自分のアプローチを変えることはできます。
「どう伝えれば届くか」を考え抜くプロセスこそが、管理者としての成長につながり、ひいては虐待防止という重い課題の解決への糸口となります。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」 では、

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ピンチを信頼に変える対話力を身につけるために。ぜひご活用ください。

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