【きょうだい児の悩み】「自由に生きて」は呪いの言葉?障害者の兄弟姉妹を襲う「先取り不安」の正体

【きょうだい児の悩み】「自由に生きて」は呪いの言葉?障害者の兄弟姉妹を襲う「先取り不安」の正体

障害福祉の現場において、ご本人や親御さんへの支援は手厚く行われていますが、その影でひっそりと、誰にも言えない悩みを抱えている存在がいます。

それが、障害のある方の「きょうだい(兄弟姉妹)」です。

4月10日は「きょうだいの日」。
今回は、ご自身もきょうだいの立場である講師から支援者が見落としがちなきょうだい特有の心理について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL142から抜粋して作成しています。

講師は、一般社団法人ケアラーアクションネットワーク協会 代表理事の持田 恭子(もちだ きょうこ)先生リオン西多摩きょうだい会 代表の山下 のぞみ(やました のぞみ)先生です。

親よりも長い付き合い。「きょうだい」という存在

障害や難病のある人の兄弟姉妹を、ひらがなで「きょうだい(またはきょうだい児)」と呼びます。

彼らの最大の特徴は、「親よりも長い期間、ご本人と関わり続ける存在」であることです。
親御さんはいずれ亡くなりますが、きょうだいは対等な立場で、親亡き後も長く人生を並走していきます。

しかし、支援の現場はどうしても「親と本人」が中心になりがちです。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんなんだから我慢してね」と言われ、自分の気持ちを押し殺して大人になるケースが少なくありません。

まだ見ぬ未来に怯える「先取り不安」

多くのきょうだいが抱える共通の悩み、それが「先取り不安」です。

  • 「親がいなくなったら、自分が面倒を見なければならないのではないか?」
  • 「自分は結婚できるのだろうか?」
  • 「この先、どんな負担が降りかかってくるんだろう?」

まだ起きていない未来のことを想像し、「こうなるんじゃないか」「自分には無理だ」とネガティブに先取りして不安になってしまう心理状態です。
この不安により、進学や就職、結婚などのライフイベントにおいて、「どうせ無理だ」と消極的になったり、自分の人生を諦めてしまったりすることが多々あります。

親の「隠す優しさ」が逆効果に?

この不安を増幅させている原因の一つに、家庭内での「情報の非対称性」があります。

親御さんは、きょうだいに対して「迷惑をかけたくない」「まだ子供だから心配させたくない」という配慮から、障害名や具体的な支援内容を伝えないことがあります。

しかし、現代の子どもたちはインターネットで検索し、障害に関する一般的な知識は持っています。
「知識はあるけれど、自分の家の状況(弟の障害の程度や将来の計画など)だけが分からない」

この状態は、きょうだいに「自分だけ蚊帳の外に置かれている(信用されていない)」という強い疎外感と、見えない将来への恐怖を与えてしまいます。

「自由に生きていい」という言葉の呪縛

親御さんが良かれと思ってかける「あなたはあなたの好きにしなさい」「自由に生きていいのよ」という言葉。
実はこれが、きょうだいを苦しめる「呪い」になることがあります。

対談の中で、当事者の二人はその心理をこう語ります。

① 疎外感
「『自由に生きて』と言われると、『お前はもう家族じゃない(外された)』と言われたように感じてしまう子がいます」

② 罪悪感
「自分だけ自由になっていいのか、障害のあるきょうだいを置いて一人だけ幸せになっていいのかという『罪の意識』を持ってしまう」

「自由」の定義が分からず、どの道を選べばいいか途方に暮れる子どもたち。
親の愛情からの言葉であっても、きょうだいにとっては「自分だけ逃げていいのか」という葛藤を生む原因になり得るのです。

まとめ:支援者は「家族全体」を見る視点を

障害のあるご本人の生活を安定させるためには、それを支える家族、特に「きょうだい」の心理的安定が不可欠です。

支援者は、ご本人の支援計画を立てる際、親御さんに対してこう問いかけてみてください。
「ごきょうだいの方には、どのように伝えていますか?」
「ごきょうだいの不安について、話し合ったことはありますか?」

情報を隠すのではなく、家族全員で共有し、「チーム」として支え合う体制を作ること。それが結果として、ご本人の将来の安心につながります。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • きょうだい支援の具体的なアプローチ
  • 「親亡き後」を見据えた家族会議の進め方
  • 障害のある本人と家族の関係調整

など、家族支援に関する専門的な講義も配信しています。
ご本人だけでなく、家族まるごと支える支援者になるために。ぜひご活用ください。

知識や考え方の共通認識を作る、スペシャル ラーニング

スペシャルラーニング紹介画像

弊社では、障がい福祉業界に特化したオンライン研修サービス「スペシャルラーニング」をご提供しています。
パソコンやスマートフォンでいつでもどこでも研修を受講できるため、スキマ時間を活用して、研修に取り組むことができます。

スペシャルラーニング(Special Learning)の特徴は主に以下です。

1動画3〜5分、2,000本以上のコンテンツ

1動画3〜5分×数本で1テーマの受講が完結する仕組みです。
1ヶ月30分の視聴の積み重ねでも、しっかりと知識習得につながります。

時間よりも「全員が同じタイミングで、同じ研修を受講する」ことが研修効果を最大限に発揮し、知識の共通認識を作ることにも重要なポイントです。

また、毎月約30本の新規動画が増え続けています。

著名講師の講義による「質」の高い学び

厚生労働省が国の研修で依頼する講師の方や国の研究機関の責任者、元厚生労働省の虐待防止専門官等、障がい福祉業界のトップ有識者と一緒にコンテンツ制作をしています。

そのため、スペシャルラーニングを通して、質の高い学びが実現できます。

導入から仕組み作りまで専任担当者によるサポート体制

研修は仕組み作りがとても重要です。
「どうやって事業所で仕組み化しよう」「やることが増えてしまうんじゃないかな…」
そんな悩みを解決し、運営負担は少なく、学習効果は大きい、研修運用の仕組み作りをサポートします。

少しでもご興味ある方は、ぜひお気軽に以下から資料請求・お問い合わせください!
研修環境の整備がもたらす効果や具体的な活用方法について、わかりやすくご案内いたします!

お電話でのお問い合わせ(平日10:00〜17:00)

072-648-4438 ※土・日・祝日、年末年始を除く

「1分でわかるサービス資料」資料ダウンロードはこちら

当社のプライバシーポリシーに同意の上、送信してください。