【障害福祉の接遇】威圧感を与えていませんか?利用者さんへの「挨拶」良い例・悪い例

【障害福祉の接遇】威圧感を与えていませんか?利用者さんへの「挨拶」良い例・悪い例
「挨拶をしているのに、利用者さんが怖がっている気がする」
「返事がないと、つい畳み掛けて話しかけてしまう」
障がい福祉サービスの現場において、挨拶は単なるマナー以上の意味を持ちます。それは、相手のその日の状態を確認し、安心感を届けるためのケアそのものです。
障がいのある方は、お一人おひとり特性が異なりますし、同じ方でも日によって調子の良し悪しがあります。
だからこそ、一般企業のようなマニュアル通りの挨拶では通用しない場面が多々あります。
今回は、現場でついやってしまいがちな「悪い挨拶」と、利用者さんに安心してもらうための「良い挨拶」のポイントについて解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL1から抜粋して作成しています。
講師は、サービス接遇検定1級であり、インクレセントの代表の山本 真奈美(やまもと まなみ)先生です。

基本は「同じ目の高さ」でアイコンタクト
利用者さんへの挨拶で最も重要なのは、「目線の高さ」です。
車椅子の方や、座って過ごしている利用者さんに対して、立ったまま上から声をかけていませんか?
自分ではそのつもりがなくても、物理的に高い位置から見下ろす形になると、相手には強い「威圧感」を与えてしまいます。
良い例:視線を合わせる
- しゃがんだり、膝をついたりして、相手と目線の高さを合わせます。
- その上で、しっかりとアイコンタクト(視線合わせ)をして挨拶をします。
「私はあなたと同じ目線にいますよ」という姿勢を見せることで、対等な関係性と安心感が生まれます。
目を合わせるのが苦手な方への配慮
ただし、全ての利用者さんにアイコンタクトが有効なわけではありません。
自閉スペクトラム症(ASD)の方など、特性によっては「人と目を合わせるのが怖い・苦手」という方もいらっしゃいます。
その場合に無理に覗き込んで目を合わせようとすると、逆に恐怖心を与えてしまいます。
良い例:横に並んで同じ方向を見る
- 無理に目を合わせず、その方の近くに行き、同じ方向を向いて挨拶をします。
- 「隣にいますよ」という気配で伝えるイメージです。
相手の特性に合わせて、心地よい距離感を探ることがプロの接遇です。

絶対に避けたい「悪い挨拶」のNG行動
良かれと思ってやっていることが、実は利用者さんを不快にさせているケースがあります。以下の行動には注意が必要です。
NG①:上から見下ろす
前述の通り、目線を合わせずに立ったまま挨拶をすることは、威圧感の元です。特に言葉での理解が難しい方ほど、非言語の「圧」に敏感です。
NG②:不必要なボディタッチ
親しみを込めたつもりでも、急に体に触れられることに不快感や恐怖を感じる方もいます(感覚過敏など)。
関係性ができていない段階や、必要のない場面での過度なボディタッチは控えましょう。
NG③:返事を待たずに畳み掛ける
「おはようございます」と言っても返事がない時。
「あれ、聞こえてる? 元気?」と、矢継ぎ早に話しかけていませんか?
障がいのある方の中には、言葉を理解して返事をするまでに「時間」がかかる方がいます。
返事がないからといって、無視されたと怒ったり、こちらのペースでプレッシャーをかけたりするのはNGです。
まとめ:「待つ」ことも挨拶の一部
挨拶をしたら、相手からの反応があるまで「待つ」。
もし言葉が返ってこなくても、表情や仕草で返してくれているかもしれません。その小さなサインを見逃さないゆとりを持つことが大切です。
「上からではなく、同じ目線で」
「返事がなくても、焦らせない」
この2つを意識するだけで、利用者さんとの信頼関係はぐっと深まります。
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