【犯罪は「特殊な人」がするものではない】障害と犯罪のリアル。なぜ彼らは法を犯してしまったのか?

【犯罪は「特殊な人」がするものではない】障害と犯罪のリアル。なぜ彼らは法を犯してしまったのか?
「障害のある人が犯罪を起こした」というニュースを見たとき、あなたはどのような感想を持ちますか?
「怖い」「近寄りたくない」と感じるのが、一般的な反応かもしれません。
しかし先生は、こう断言します。
「犯罪というのは、一部の特殊な人たちによって行われるものではありません」
「障害の有無に関わらず、犯罪は誰しもが行う可能性があるものです」
今回は、なぜ彼らは罪を犯してしまったのか、その背景にある「環境との相互作用」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL195から抜粋して作成しています。
講師は、元法務省矯正局の委員であり、山口県立大学社会福祉学部社会福祉学科の教授の水藤 昌彦(みずとう まさひこ)先生です。

その言葉、間違っていませんか?「触法(しょくほう)」の正しい意味
本題に入る前に、福祉現場でよく使われる「触法障害者(しょくほうしょうがいしゃ)」という言葉について、少し整理をしておきましょう。
実は、厳密な法律用語として「触法」と言う場合、それは以下の状態を指します。
- 14歳未満の少年(刑事責任が問えない)
- 心神喪失の状態にある人(障害により善悪の判断ができず、罪に問えない)
つまり、「罪を犯したけれど、逮捕・起訴されない人」のことです。
しかし、福祉の現場で問題になるケースの多くは、実際に裁判になり、刑務所に入る(刑事責任を問われる)人々です。
そのため、水藤先生はあえて「触法障害者」ではなく、「障害がある犯罪行為者」という言葉を使っています。
まずは、彼らが「特別な免罪符を持っているわけではなく、私たちと同じ法の下で裁かれる存在である」ことを理解する必要があります。

犯罪は「本人×環境」で起きている
では、なぜ彼らは犯罪に手を染めてしまうのでしょうか。
水藤先生は、犯罪学や刑事政策の視点から、犯罪を次のように定義します。
「犯罪は、本人と、本人を取り巻く環境の相互作用の中で起こる」
「生まれつきの犯罪者」がいるわけではありません。
その人が置かれた「環境(孤立、貧困、虐待など)」が、その人の「特性(判断力の弱さ、衝動性など)」とマイナスに掛け合わさった時、犯罪という悲しい結果が生まれるのです。
【事例で考える】彼らを追い詰めたものは何か?
講義の中で紹介された2つの事例(創作事例)から、その「相互作用」を見てみましょう。
事例① 繰り返される万引き(30代男性・軽度知的障害)
- 生い立ち:学校でいじめに遭い不登校。職を転々とし、最後は無職に。
- 環境:唯一の支えだった母親が他界。親族もおらず、社会的に完全に孤立。
- 犯行:食べるものに困り、スーパーで食品の万引きを繰り返す。
彼は「盗みをする悪い人」だったのでしょうか?
それとも、「頼れる人が誰もいなかった人」なのでしょうか。
事例② 自宅への放火(10代男性・発達障害)
- 生い立ち:厳格な家庭で、成績が悪いと暴力を振るわれた(虐待)。
- 環境:家出を繰り返すが、そのたびに連れ戻される。学校にも家にも居場所がない。
- 犯行:「自宅さえなくなれば、もう連れ戻されずに済む」と考え、自宅の一部に放火。
この放火は、凶悪な破壊衝動でしょうか?
それとも、虐待から逃れるための「悲痛なSOS」だったのではないでしょうか。
まとめ:必要なのは「罰」だけでなく「環境調整」
こうして背景を見ると、彼らに本当に必要だったのは、刑罰による矯正ではなく、
「困った時に相談できる支援者」や「安心して過ごせる居場所」だったことが分かります。
支援者が「犯罪歴があるから」と恐れるのではなく、「どんな環境が彼をそうさせたのか?」と想像力を働かせることが、再犯を防ぐ第一歩です。
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