【司法×福祉】刑務所に行く前に救う。「出口支援」と「入口支援」が変える犯罪者の更生

【司法×福祉】刑務所に行く前に救う。「出口支援」と「入口支援」が変える犯罪者の更生
「罪を犯した人を、福祉だけで支えるのは怖い」
「でも、刑罰だけでは彼らは変わらない気がする…」
福祉現場の皆さんは、こうした葛藤を抱えたことはありませんか?
日本では2000年代半ば頃から、「刑事司法だけで犯罪に対応することの限界」が認識され始めました。
そこで生まれたのが、「司法と福祉の連携」という新しいアプローチです。
今回は、先生の解説をもとに、現在行われている2つの支援アプローチ、「出口支援」と「入口支援」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL195から抜粋して作成しています。
講師は、元法務省矯正局の委員であり、山口県立大学社会福祉学部社会福祉学科の教授の水藤 昌彦(みずとう まさひこ)先生です。

2000年代後半〜「出口支援」の開始
最初に整備されたのは、刑事手続きの終わりの段階、つまり刑務所から社会に戻るタイミングでの支援です。これを「出口支援」と呼びます。
以前は、満期で出所すると「あとは自分で頑張れ」と社会に放り出されていました。
しかし、帰る家も仕事もない障害者や高齢者は、すぐに生活に行き詰まってしまいます。
そこで、以下のような取り組みが始まりました。
- 刑務所に「社会福祉士」を配置: 中にいる段階から支援が必要な人を見つける。
- 「地域生活定着支援センター」の設置: 各都道府県に拠点を置き、保護観察所と連携して、出所者を地元の福祉サービスに繋ぐ。
これにより、「刑務所から福祉へ」というバトンパスの仕組みができあがりました。

刑務所に行くのはたった2%。残り98%をどうする?
しかし、出口支援が始まってしばらくすると、新たな課題が見えてきました。
「刑務所に来る人だけを支援しても、犯罪はなくならないのではないか?」という問題です。
実は、警察が「刑法犯」として認知・検挙した人のうち、実際に刑務所に入る人はわずか2%程度しかいません。
残りの98%の人たちは、
- 起訴されなかった(起訴猶予)
- 裁判で執行猶予がついた
- 罰金刑で終わった
などの理由で、刑務所には行かずに地域に戻ってきます。
彼らの中には、生活に困窮していたり、障害の支援が必要だったりする人がたくさんいます。ここを放置すれば、彼らはまた犯罪を繰り返し、いつか刑務所行き(2%)になってしまいます。
2010年代〜「入口支援」への拡大
そこで2010年代から強化されたのが、刑事手続きの入り口段階での支援、「入口支援」です。
これは、警察に逮捕された段階(被疑者)や、裁判を受けている段階(被告人)で福祉が介入する仕組みです。
2021年からは、各都道府県の「地域生活定着支援センター」の業務として、正式に「被疑者等の支援」が追加されました。
弁護士や検察官からの相談を受け、福祉の専門職が早い段階で面会に行き、
「この人には刑罰よりも、グループホームでの生活支援が必要です」
と調整を行う動きが活発になっています。
まとめ:支援は「早ければ早いほどいい」
「出口支援」で再犯を防ぐことも重要ですが、そもそも刑務所に入らなくて済むようにする「入口支援」は、当事者の人生にとっても、社会コストの面でも非常に大きな意味を持ちます。
皆さんの事業所にも、ある日突然、定着支援センターや弁護士から「受け入れの相談」が来るかもしれません。
その時、彼らがどんな背景で支援を必要としているのかを知っておくことは、スムーズな連携の第一歩です。
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