【更生の真実】「刑務所で反省したはず」は幻想です。犯罪からの「離脱(デシスタンス)」に必要な3つのステップ

【更生の真実】「刑務所で反省したはず」は幻想です。犯罪からの「離脱(デシスタンス)」に必要な3つのステップ

「刑務所まで行ったんだから、もう懲りて反省しているだろう」
「二度とやらないと誓ってほしい」

刑務所から出所した利用者を受け入れる際、支援者はどうしてもそう期待してしまいます。
しかし、先生は、それは当事者にとって「かなり無茶な要求だ」と指摘します。

なぜなら、犯罪をやめることは「スイッチを切り替える」ような単純なことではなく、「離脱(デシスタンス)」と呼ばれる長いプロセスだからです。

今回は、犯罪からの離脱に必要な「順序」について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL195から抜粋して作成しています。

講師は、元法務省矯正局の委員であり、山口県立大学社会福祉学部社会福祉学科の教授の水藤 昌彦(みずとう まさひこ)先生です。

「再犯防止」と「離脱」は違う?

まず、言葉の定義を知っておきましょう。近年、犯罪学の世界では「離脱(Desistance)」という考え方が重要視されています。

  • 第一次離脱(再犯防止):単に犯罪行為をストップしている状態。
  • 第二次離脱(真の離脱):犯罪をやめ続けることで、自分への認識(アイデンティティ)が変わり、社会的な役割を持って生きている状態。

支援が目指すべきは、単に「やらせない(管理)」ことではなく、本人が「自分はもう犯罪者ではない、〇〇の役割を持つ人間だ」とアイデンティティを書き換える「第二次離脱」まで伴走することです。

離脱を支える「4つの要素」

では、どうすれば離脱できるのでしょうか。国内外の研究により、離脱に成功した人には以下の4つの要素が揃っていることが分かっています。

  1. 引き金イベント(変わるきっかけ)
  2. 有益ななすべきこと(仕事、役割、趣味など)
  3. サポーティブな人間関係(支えてくれる人)
  4. 自己理解・認知の変化

私たち支援者が提供できるのは、主に「②有益な役割」「③支える関係」を作ることです。

いきなり「反省」は求めない。支援の3段階

しかし、ここで焦りは禁物です。
水藤先生は、離脱には「踏むべきステップ(段階)」があり、順番を飛ばしてはいけないと強調します。

第1段階:衣食住と安全(土台)

まず最優先なのは、「今日のご飯」「安心して眠れる布団」「殴られない環境(身体的・情緒的安全)」です。
これがない状態で、次のステップには進めません。

第2段階:信頼関係

生活の土台が安定して初めて、「この支援者なら信じてもいいかな」という信頼関係が芽生えます。
出所直後の不安定な状態で、「何でも相談してね」と言っても無理なのです。

第3段階:反省・語り直し

信頼関係ができて、新しい役割を得て、そこで初めて「反省」や「自分の人生の振り返り」が可能になります。

つまり、衣食住もままならない人に「反省して心を入れ替えろ」と迫るのは、階段の一段目を飛ばして三段目に飛び乗れと言うようなものなのです。

「どうせ自分なんて」が「あの過去も必要だった」に変わる時

離脱のプロセスが順調に進むと、当事者の「語り(ナラティブ)」に変化が起きます。

最初は「どうせ俺なんて前科者だし」と投げやりだった語りが、
やがて「昔は悪かったけど、今の自分になるためには、あの経験も必要だったんだ」と変化していきます。

自分の過去を否定するのではなく、現在の肯定的な自分に繋がるストーリーとして統合できた時。それが、本当の意味での「離脱」です。

まとめ:まずは「安心」を提供することから

「反省の言葉がない!」と焦る必要はありません。
まずは温かい食事と、安心して眠れる場所を提供すること。
それが、長い離脱のプロセスの、確実な第一歩になります。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 刑務所出所者への具体的な衣食住サポート
  • 当事者の「語り」が変わるコミュニケーション術
  • 再犯リスクが高まった時の対応フロー

など、時間をかけて利用者の「変化」を支えるための専門的な知識を動画で配信しています。
反省を迫る「指導者」ではなく、人生を支える「伴走者」になるために。ぜひご活用ください。

知識や考え方の共通認識を作る、スペシャル ラーニング

スペシャルラーニング紹介画像

弊社では、障がい福祉業界に特化したオンライン研修サービス「スペシャルラーニング」をご提供しています。
パソコンやスマートフォンでいつでもどこでも研修を受講できるため、スキマ時間を活用して、研修に取り組むことができます。

スペシャルラーニング(Special Learning)の特徴は主に以下です。

1動画3〜5分、2,000本以上のコンテンツ

1動画3〜5分×数本で1テーマの受講が完結する仕組みです。
1ヶ月30分の視聴の積み重ねでも、しっかりと知識習得につながります。

時間よりも「全員が同じタイミングで、同じ研修を受講する」ことが研修効果を最大限に発揮し、知識の共通認識を作ることにも重要なポイントです。

また、毎月約30本の新規動画が増え続けています。

著名講師の講義による「質」の高い学び

厚生労働省が国の研修で依頼する講師の方や国の研究機関の責任者、元厚生労働省の虐待防止専門官等、障がい福祉業界のトップ有識者と一緒にコンテンツ制作をしています。

そのため、スペシャルラーニングを通して、質の高い学びが実現できます。

導入から仕組み作りまで専任担当者によるサポート体制

研修は仕組み作りがとても重要です。
「どうやって事業所で仕組み化しよう」「やることが増えてしまうんじゃないかな…」
そんな悩みを解決し、運営負担は少なく、学習効果は大きい、研修運用の仕組み作りをサポートします。

少しでもご興味ある方は、ぜひお気軽に以下から資料請求・お問い合わせください!
研修環境の整備がもたらす効果や具体的な活用方法について、わかりやすくご案内いたします!

お電話でのお問い合わせ(平日10:00〜17:00)

072-648-4438 ※土・日・祝日、年末年始を除く

「1分でわかるサービス資料」資料ダウンロードはこちら

当社のプライバシーポリシーに同意の上、送信してください。