【支援の鉄則】「あの人は付き合いづらい」の正体。そだちを剥奪された人への「焦らず、諦めず、当てにせず」

【支援の鉄則】「あの人は付き合いづらい」の正体。そだちを剥奪された人への「焦らず、諦めず、当てにせず」

「一生懸命に関わろうとしているのに、無視される」
「『やります』と言ったのにサボる。皮肉を言われる」

支援現場で出会う、いわゆる「付き合いづらい人」。
彼らの不可解な態度の裏には、「そだちを剥奪(はくだつ)された」という深い傷があることをご存知でしょうか。

今回は、彼らがなぜ支援者を困らせるのか、その心理的メカニズムと、支援者が燃え尽きないための「黄金のルール」について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL197から抜粋して作成しています。

講師は、元法務省矯正局の委員であり、山口県立大学社会福祉学部社会福祉学科の教授の水藤 昌彦(みずとう まさひこ)先生です。

「そだちを剥奪された人」とは?

「そだちを剥奪された」とは、虐待や機能不全家族などの環境により、人間として成長するために必要な機会を奪われてきたことを指します。

  • 安心の剥奪:虐待を受け、人を信頼する機会を奪われた。
  • 成功の剥奪:失敗ばかり指摘され、成功体験を積む機会を奪われた。
  • 子ども時代の剥奪:親の介護や顔色伺い(ヤングケアラー等)を強いられ、「子ども」として甘える機会を奪われた。

刑事司法の対象になる人の多くは、こうした経験を持っています。
彼らにとって世界は「敵」であり、支援者もまた「いつか自分を傷つける存在」に見えているのです。

なぜ、支援を拒むのか?

彼らの行動を理解する鍵は、2つの心理用語にあります。

1. 学習性無力感

「どうせ自分なんて無理」「どうせこの人も最後は裏切る」
長年の失敗経験から、そう学習してしまっています。
だから、困った時でも「助けて」と言えません。支援の手が伸びてきても、「どうせ無駄だ」と拒絶したり、逃げ出したりします。

2. 受動的攻撃性

これが最も支援者を疲弊させます。
彼らは正面から暴れたり反抗したりする代わりに、「無視」「遅刻」「サボタージュ(わざと失敗する)」「皮肉」といった方法で、静かに相手を攻撃・困らせようとします。

一見すると「やる気がない」「性格が悪い」ように見えますが、これも自分を守るための鎧であり、歪んだSOSの形なのです。

支援者が燃え尽きないための「3つのA」

こうした利用者に対し、支援者が「私がなんとかしてあげなきゃ!」と期待しすぎると、必ず裏切られます。
そして「あんなにしてあげたのに!」と絶望し、支援者自身が無力感に陥ってしまいます。

では、どうすればいいのか。
水藤先生は、大谷大学の脇中博氏の言葉を引用し、「焦らず、諦めず、当てにせず」という姿勢を提案しています。

  • 焦らず:何十年もかけて作られた人格は、すぐには変わりません。長期戦を覚悟しましょう。
  • 諦めず:「どうせ無理だ」と見捨ててしまえば、支援はそこで終わります。細く長く繋がりましょう。
  • 当てにせず:これが一番重要です。「きっと分かってくれる」「変わってくれる」と過度に期待(当てに)しないこと。良い意味で期待値を下げておくことで、裏切られても傷つかず、支援を継続できます。

まとめ:トラブルは「成長の機会」

反抗されたり、問題行動が起きたりした時、それを「支援の失敗」と思わないでください。
それは、彼らが自分の殻を破ろうともがいている「成長の機会」でもあります。

「まあ、そんな簡単には変わらないよね」と、心の中で少し距離を取りながら、淡々と、でも温かく見守り続けること。
それが、そだちを剥奪された人への、最強の支援です。

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