【トラウマの正体】「やる気がない」「キレやすい」は誤解かも?脳に刻まれた「冷凍保存された記憶」とは

【トラウマの正体】「やる気がない」「キレやすい」は誤解かも?脳に刻まれた「冷凍保存された記憶」とは
「何度注意しても、ボーッとして話を聞いていない」
「後ろから声をかけただけで、異常に驚いたり激怒したりする」
支援現場でこうした「不可解な行動」に遭遇した時、私たちはつい「本人の性格の問題だ」「やる気がない」と判断してしまいがちです。
しかし、その背景には「トラウマ(心的外傷)」という、目に見えない深い傷が隠れている可能性があります。
今回は、支援者が絶対に知っておくべきトラウマのメカニズムについて解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL197から抜粋して作成しています。
講師は、元法務省矯正局の委員であり、山口県立大学社会福祉学部社会福祉学科の教授の水藤 昌彦(みずとう まさひこ)先生です。

トラウマとは「心の怪我」であり「脳の機能変化」
トラウマとは、単なる「嫌な思い出」ではありません。
虐待、暴力、事故など、突然で理不尽な恐怖体験によって引き起こされる、脳や体に害を及ぼすレベルの「心の怪我」です。
水藤先生は、トラウマ記憶を「冷凍保存記憶」と表現します。
普通の記憶は時間とともに薄れていきますが、トラウマ記憶は冷凍保存されたように鮮度を保ち続け、何かの拍子に解凍されると、当時の恐怖や痛みがそのままの鮮度で襲ってくるのです。
これは本人の心が弱いからではなく、脳の機能自体が変化してしまっているために起こります。
誤解されやすい「3つの症状」
トラウマを抱えた人には、主に3つの症状が現れます。これらはしばしば、支援者に「問題行動」として誤解されます。
1. 再体験(フラッシュバック)
当時の記憶が突然、無意識に蘇ります。急にパニックになったり、叫び出したりすることがあります。
2. 回避・麻痺(ボーッとする)
あまりに辛い記憶から自分を守るため、感情を麻痺させたり、記憶を切り離したりします。
外から見ると「無表情」「無感動」「話しかけても反応がない」ように見えます。
これを支援者は「やる気がない」「反抗している」と誤解しがちですが、実は必死の防衛反応なのです。
3. 過覚醒(イライラ・過敏)
常に「また襲われるかもしれない」という緊張状態(神経が高ぶった状態)にあります。
例えば、背後からポンと肩を叩かれただけで、ものすごい勢いで驚いたり、殴りかかろうとしたりします。
これは過去に身体的・性的被害を受けた方に多く見られる反応です。

絶対にやってはいけない「精神論」
こうした背景を知らずに、支援者がやってしまいがちなNG対応があります。
- 「誰だって辛いことはあるよ」(一般化して傷つきを否定する)
- 「乗り越えられないのは気合が足りないからだ」(精神論で追い詰める)
- 「いつまでも根に持ってないで、水に流しなよ」(忘れることを強要する)
これらの言葉は、当事者を深く傷つけるだけで、プラスになることは全くありません。
トラウマは「気合」や「根性」で治るものではないのです。
正しい対応は「正常な反応だ」と伝えること
では、どうすればいいのでしょうか。
最も大切なのは、その行動(フラッシュバックや麻痺など)が、「異常な体験に対する、正常な反応なんだよ」と伝えることです。
「あなたが悪いわけじゃない」
「人格の問題ではなく、誰にでも起こりうることなんだ」
そうやって本人の苦しみを肯定(妥当化)した上で、「じゃあ、しんどくなった時はどうやって対処しようか?」と一緒に考えていく姿勢が必要です。
まとめ:その行動は「SOS」かもしれない
「困った人」に見えるその行動は、実は過去の傷から必死に身を守ろうとする「SOS」かもしれません。
支援者がトラウマの知識を持つだけで、かける言葉は変わり、救われる利用者がいます。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、
- 「トラウマインフォームドケア(TIC)」の基礎
- フラッシュバックが起きた時の具体的な対応法
- 虐待・性被害を受けた利用者への寄り添い方
など、心の傷に触れる支援者が持っておくべき専門知識を動画で配信しています。
精神論ではなく、正しい知識で支えるために。ぜひご活用ください。
知識や考え方の共通認識を作る、スペシャル ラーニング
弊社では、障がい福祉業界に特化したオンライン研修サービス「スペシャルラーニング」をご提供しています。
パソコンやスマートフォンでいつでもどこでも研修を受講できるため、スキマ時間を活用して、研修に取り組むことができます。
スペシャルラーニング(Special Learning)の特徴は主に以下です。
1動画3〜5分、2,000本以上のコンテンツ
1動画3〜5分×数本で1テーマの受講が完結する仕組みです。
1ヶ月30分の視聴の積み重ねでも、しっかりと知識習得につながります。
時間よりも「全員が同じタイミングで、同じ研修を受講する」ことが研修効果を最大限に発揮し、知識の共通認識を作ることにも重要なポイントです。
また、毎月約30本の新規動画が増え続けています。
著名講師の講義による「質」の高い学び
厚生労働省が国の研修で依頼する講師の方や国の研究機関の責任者、元厚生労働省の虐待防止専門官等、障がい福祉業界のトップ有識者と一緒にコンテンツ制作をしています。
そのため、スペシャルラーニングを通して、質の高い学びが実現できます。
導入から仕組み作りまで専任担当者によるサポート体制
研修は仕組み作りがとても重要です。
「どうやって事業所で仕組み化しよう」「やることが増えてしまうんじゃないかな…」
そんな悩みを解決し、運営負担は少なく、学習効果は大きい、研修運用の仕組み作りをサポートします。
少しでもご興味ある方は、ぜひお気軽に以下から資料請求・お問い合わせください!
研修環境の整備がもたらす効果や具体的な活用方法について、わかりやすくご案内いたします!
お電話でのお問い合わせ(平日10:00〜17:00)
072-648-4438 ※土・日・祝日、年末年始を除く