【服薬管理】1日4時間、延べ8人。薬の管理に奪われる「支援の時間」

「お薬を飲んでもらう」
言葉にすれば一瞬ですが、福祉現場やご家庭において、その裏側には想像を絶する労力が隠されています。
たくさんの薬を管理し、セットし、誤薬なく確実に飲んでもらうために、支援者はどれだけの時間と神経を使っているのでしょうか。
今回は、具体的な数字から見る「服薬管理のコスト」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL84から抜粋して作成しています。
講師は、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究員/看護師の 根本昌彦(ねもと まさひこ)先生です。
1. 1ユニット(10名)にかかる衝撃のコスト
一般的な入所施設の1ユニット(利用者約10名)をモデルに調査したところ、服薬管理には以下のコストがかかっていることが分かりました。
- 時間のコスト:1日 合計4時間
- 朝・昼・夕・寝る前の配薬、確認、服薬介助、記録など、全ての作業時間を足し算すると、1日4時間近くが費やされています。
- 人のコスト:1日 延べ8人
- ダブルチェックや介助に関わる職員の数を足し合わせると、延べ8人の手が「薬」のために動いています。
たった10人の生活の場で、これだけの時間と人手が「薬の管理」だけに割かれているのです。

2. 「間違えられない」というプレッシャー
この4時間という数字には、単なる作業時間だけでなく、「絶対に間違えてはいけない」という精神的な負担も含まれています。
- 種類や量を間違えないためのセット作業
- 飲み込みの確認
- 服薬後の体調変化の観察
薬の量が増えれば増えるほど(多剤併用)、確認作業は複雑化し、ミスが起きるリスクも高まります。そのリスクを防ぐために、さらに多くの時間と人員が必要になるという悪循環も生まれます。
まとめ:薬を減らすことは、ケアの時間を増やすこと
薬は健康を守るために必要なものですが、同時に現場の大きなリソース(資源)を消費しています。
「薬の量を見直す」「減薬する(ポリファーマシー対策)」ことは、利用者の身体的負担を減らすだけでなく、職員の「服薬管理にかかる時間」を減らし、その分を「本人と関わる支援の時間」に充てることにもつながります。
「大変な労力がかかっている」という現実を直視し、本当にその薬が必要なのか、定期的に見直す視点を持つことが大切です。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、
- 誤薬事故を防ぐための「服薬管理マニュアル」の作り方
- 服薬介助の負担を減らす「業務フロー」の見直し術
- 医師と連携して進める「減薬」へのアプローチ
など、安全を守りながら業務負担を軽減し、本来の支援に注力するためのノウハウを動画で配信しています。
薬に追われる時間を、人に向き合う時間へ。ぜひご活用ください。
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