【早期高齢化】知的・発達障害者は「+10歳〜20歳」で考える。65歳の壁に囚われない支援の必要性

「まだ40代、50代だから、高齢者のケアは必要ない」
そう思って支援をしていると、利用者の体調変化や病気のサインを見逃してしまうかもしれません。
知的・発達障害のある方には、「早期高齢化(一般の人よりも早く老化が始まる)」という特徴があります。
今回は、具体的な病気のリスクや、年齢で区切ることの危険性について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL84から抜粋して作成しています。
講師は、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究員/看護師の 根本昌彦(ねもと まさひこ)先生です。
1. 体内年齢は「実年齢 +10〜20歳」
一般的に、知的障害や発達障害のある方は、健常者と比較して老化のスピードが早いと言われています。
その目安は、「実年齢プラス10歳〜20歳」。
つまり、実年齢が40歳の方であっても、身体機能や健康リスクは50歳〜60歳相当であると考えて支援に当たる必要があります。

2. 具体的な病気のリスク
早期高齢化の証拠として、本来であれば高齢期にかかるような病気に、より若い段階で罹患する傾向があります。
- ダウン症の方の場合:
- アルツハイマー型認知症: 若年での発症リスクが高いことが知られています。
- 白内障: 加齢に伴う目の病気ですが、早期に発症しやすい傾向があります。
- その他の障害のある方:
- 呼吸器疾患・消化器疾患: 一般的には50代〜60代で増える病気が、40代〜50代ですでに発症しているケースが多く見られます。
「まだ若いから大丈夫」という先入観は捨て、定期的な健康診断や、日々の観察を強化することが重要です。
3. 「65歳の壁」で見過ごされるリスク
日本の高齢者福祉制度の多くは「65歳以上」を対象としています。
しかし、障害のある方の支援現場で「高齢者対応は65歳から」と画一的に決めてしまうことは非常に危険です。
- 50代ですでに困っている: 実年齢が50歳でも、体は70歳近くになっている可能性があります。
- 支援の空白: 「高齢者ではない」としてケアが遅れ、重篤な状態になってから気づくことになりかねません。
まとめ:数字ではなく「その人の体」を見る
「早期高齢化」は、障害福祉に携わる全ての人が知っておくべき生理的な特徴です。
カレンダー上の年齢にとらわれず、「この方の身体年齢は今いくつか?」という視点を常に持ち、早め早めの健康管理や環境調整(バリアフリー化、食事形態の変更など)を行うことが、利用者の健康寿命を守ることにつながります。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、
- 障害特性別の「加齢」による変化とサイン
- ダウン症の方の「急激な退行」への対応と認知症ケア
- 中年期以降の健康管理・定期受診のポイント
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