【生活習慣病】なぜ、管理された事業所でもリスクが高いのか?見えにくいSOSと障害特性

「生活習慣病」は国民病とも言われますが、知的障害や発達障害のある方にとっては、さらにリスクが高く、発見が遅れやすいという深刻な課題があります。

「施設に入所していれば、食事も生活リズムも管理されているから安心」
そう思われがちですが、実態はそう単純ではありません。
今回は、なぜ専門家のサポートがあっても生活習慣病のリスクが高いのか、その理由と発見の難しさについて解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL84から抜粋して作成しています。
講師は、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園研究員/看護師の 根本昌彦(ねもと まさひこ)先生です。

1. 生活習慣病を引き起こす「3つの障害特性」

糖尿病、高脂血症、高血圧。これらを引き起こす要因は、障害特性と密接に関わっています。

  • 偏食(食生活の乱れ):
    こだわりによる特定の食べ物への執着、野菜嫌いなど、栄養バランスを整えることが困難な場合があります。
  • 睡眠習慣の乱れ:
    昼夜逆転や、夜中に何度も目が覚めてしまう「断眠」など、質の良い睡眠がとれないケースが多く見られます。
  • 運動不足:
    身体を動かす機会が少なかったり、運動自体が苦手・嫌いであったりすることが、肥満や代謝の低下につながります。

2. 「施設にいれば安心」ではない現実

入所施設では、管理栄養士が計算した食事が出され、日中活動で体を動かし、間食も制限されるなど、生活習慣病予防にとって理想的な環境が整っているように見えます。

しかし、実際には施設内でも「極端な肥満」「極端な痩せ」の方がいらっしゃいます。
これは、環境を整えても、本人の「偏食」「睡眠障害」「運動嫌い」といった特性が強く、専門家集団であってもコントロール(改善)が非常に難しいという現実があるからです。

「管理されているから大丈夫」と過信せず、個々の特性に合わせた粘り強いアプローチが必要です。

3. 「痛い」「変だ」と言えないリスク

もう一つの大きな壁は、「発見の遅れ」です。

  • 本人の発信力不足:
    「なんとなく体がだるい」「少し変な感じがする」といった初期症状を、言葉で訴えることが苦手な方が多いです。
  • 支援者の専門外:
    普段接している生活支援員やご家族は、健康管理のプロではありません。医師や看護師なら気づくような小さな予兆(顔色、皮膚の状態、呼気など)を見落としてしまう可能性があります。

結果として、「悪くなってから(倒れてから)初めて気づく」という事態に陥りやすいのです。

まとめ:支援員には「観察の目」が求められる

知的障害者の生活習慣病リスクは、一般の方よりも高いのが現実です。
「言葉による訴え」を待つのではなく、支援者が「いつもと違う様子はないか?」「食事や排泄に変化はないか?」と、能動的に観察する力を養うことが、利用者の健康を守る命綱となります。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 医療職ではない職員のための「バイタルサイン・健康観察」のポイント
  • 偏食のある利用者への「食事支援・工夫」の具体例
  • 楽しみながら運動不足を解消する「レクリエーション」事例

など、生活習慣病の予防と早期発見に役立つ、実践的な知識を動画で配信しています。
「変だぞ?」にいち早く気づける職員になるために。ぜひご活用ください。

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