【ニュージーランドの事例】「あなた自身」を大切にしていますか?NZ流・ケアギバーが幸せになるための鉄則
【ニュージーランドの事例】「あなた自身」を大切にしていますか?NZ流・ケアギバーが幸せになるための鉄則
「利用者のために、私が我慢すればいい」
「家族なんだから、最後まで面倒を見るのが当たり前だ」
福祉の現場やご家庭で、そんな風に自分を追い込んでいませんか?
日本には「自己犠牲」を美徳とする風潮がありますが、それが原因で支援者自身が燃え尽きてしまっては元も子もありません。
ニュージーランド障害者庁(ワイカハ)の先生は、こう断言します。
「ケアギバー(支援をする人)にも、人間としての権利があります」
今回は、支援者が潰れないために絶対に必要な「マインドセット」と「距離感」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL159から抜粋して作成しています。
講師は、ニュージーランド障がい者庁 WhaikahaのMatt Frost(マット フロスト)先生です。

ケアする人にも「人権」がある
障害のある方の高齢化や重度化に伴い、ケアの負担は年々増しています。
そんな中で、マット氏が強調するのは「ケアギバーの権利」です。
ニュージーランドには、ケアをする人たちが犠牲になるのではなく、彼ら自身も良い人生を送れるように支援する「Live Well(よく生きる)」という国家戦略があります。
「支援者が幸せで、健康であって初めて、質の高い支援が提供できる」
これが世界のスタンダードな考え方です。あなたが自分自身の人生を楽しむことは、決して悪いことではありません。
罪悪感はいらない。「レスパイト(休息)」の重要性
特にご家族の場合、介護や支援から離れることに罪悪感を持つ方が多くいらっしゃいます。
しかし、24時間365日のケアを一人で続けることは不可能です。
マット氏は、「仕事(ケア)から離れるブレイク(休憩)が必要だ」と説きます。
これを「レスパイト(Respite)」と呼びます。
- ショートステイを利用して、親は旅行に行く。
- ヘルパーに任せて、友人とランチに行く。
これは「育児放棄」でも「介護放棄」でもありません。
長く走り続けるための「給水」です。
誰かに任せて、自分は休む。このサイクルを戦略的に取り入れることが、共倒れを防ぐ唯一の方法です。

利用者と支援者は「別々の人間」である
また、マット氏の言葉で非常に印象的なのが、「健全な距離感(セパレート)」の話です。
日本では、障害のある方とその家族を「一心同体」や「運命共同体」と捉えがちです。
しかし、マット氏はこう指摘します。
「苦労は似ているかもしれないが、本人と支援者は『別々の人間』であり、それぞれに『別々の権利』があります」
マット氏には、支援をしてくれる叔母さんがいましたが、決して同居はせず、別々に暮らしていたそうです。
これが「ヘルシー(健全)な関係」です。
物理的にも心理的にも、適切な距離を保つこと。
「あなたの人生」と「私の人生」を切り離して考えること。
それが、お互いを尊重し合いながら長く付き合っていくための秘訣です。
まとめ:支援者が笑っていれば、利用者も笑える
「支援者への支援」は、決してわがままではありません。
あなたが倒れてしまったら、一番困るのは利用者様ご本人です。
支援者が笑顔でいるために、もっと制度や他人に頼りましょう。
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