【身体拘束の手続き】「家族の同意」は免罪符ではない!やむを得ず行う際に絶対守るべき3つのプロセス
【身体拘束の手続き】「家族の同意」は免罪符ではない!やむを得ず行う際に絶対守るべき3つのプロセス
前回までの記事で、身体拘束を行うための「3つの要件(切迫性・非代替性・一時性)」について解説しました。
しかし、この要件を満たしているからといって、現場のスタッフが独断で拘束を行っていいわけではありません。
法律上、身体拘束を行うには厳格な「手続き」が定められています。
今回は、やむを得ず身体拘束を行う際に事業所が踏むべき「3つのプロセス」と、多くの管理者が誤解している「家族の同意」の落とし穴について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL144から抜粋して作成しています。
講師は、元厚生労働省 障害福祉課・虐待防止専門官であり、日本社会事業大学 社会事業研究所 客員教授の曽根 直樹(そね なおき)先生です。

手続き①「組織による決定」と「計画への記載」
まず大原則として、身体拘束は「個人の判断」で行ってはなりません。
事前に予見できるケース(多動による飛び出しリスク等)については、必ず「組織として」慎重に検討し、決定する必要があります。
誰が決定するのか?
現場職員だけで話し合うのではなく、以下のメンバーを含めた会議(個別支援会議等)で検討します。
- 管理者
- サービス管理責任者(サビ管)
- 虐待防止に関する責任者
個別支援計画への記載
決定した内容は、必ず「個別支援計画」に記載します。
記載すべきなのは、「どんな拘束をするか」だけではありません。
- 拘束の具体的な行為・時間・理由
- 拘束の解消(廃止)に向けた取り組み方針
- 目標とする解消の時期
つまり、「拘束することを決める」のではなく、「どうすれば拘束をなくせるか」を計画するのです。
手続き②「家族への十分な説明と同意」
次に、利用者本人やご家族に対し、なぜ拘束が必要なのかを十分に説明し、了解を得る必要があります。
しかし、ここで一つ、非常に重要な注意点があります。
「家族の承諾を得たことが、身体拘束の全てを許容する『免罪符』ではない」
現場ではよく、「家族が良いと言っていますから」「お母さんから縛ってくれと頼まれましたから」と、家族の同意を理由に拘束を正当化しようとするケースが見られます。
しかし、家族の同意があったとしても、それが不適切な拘束(虐待)であれば許されません。
あくまで「緊急やむを得ない場合の最終手段」として、ご家族に理解を求めているに過ぎないことを肝に銘じてください。
突発的な「緊急事態」はどうする?
では、「散歩中に初めて車道に飛び出した」といった、予期せぬ緊急事態はどうすればよいでしょうか。
この場合、組織で話し合う時間はありませんので、現場判断で安全確保(拘束)を最優先して構いません。
ただし、以下の対応が必須です。
- 事後記録:なぜ拘束したのか、状況を詳細に記録する。
- 以後の対応:同じことが繰り返される可能性がある場合、それは「予見可能」となるため、速やかに組織的決定と計画記載のプロセスへ移行する。

まとめ:正しい手続きは「法人を守る盾」になる
やむを得ず身体拘束を行う場合の手順をまとめると、以下の通りです。
- 組織による決定・計画記載(解消に向けた方針を含む)
- 家族への説明・同意(免罪符ではないと心得る)
- 必要な事項の記録(態様・時間・理由)
これらの一つでも欠ければ、それは「不適切な処遇(虐待)」とみなされるリスクがあります。
正しい手続きを踏むことは、利用者の人権を守るだけでなく、訴訟リスクや行政処分から法人を守る「盾」にもなります。
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