【障害者権利条約 第8条】なぜ条約は「偏見と闘え」と命じるのか?優生保護法の反省と支援者の使命

【障害者権利条約 第8条】なぜ条約は「偏見と闘え」と命じるのか?優生保護法の反省と支援者の使命

障害福祉の現場で働く支援者の皆さんに、どうしても知っておいてほしい条文があります。
それが「障害者権利条約 第8条(意識の向上)」です。

この条文には、条約全体の中で唯一、ある「強い言葉」が使われています。
それは「闘うこと(combat)」です。

なぜ、平和を求めるはずの条約が、あえて「闘え」と命じているのでしょうか。
今回は、日本の福祉史に残る深い傷跡「優生保護法」と、支援者が最前線で向き合うべき使命について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL178から抜粋して作成しています。

講師は、障害学会の理事・国際委員長であり、立命館大学生存学研究所上席研究員の長瀬 修(ながせ おさむ)先生です。

歴史的汚点「優生保護法」と国の謝罪

私たちが「偏見」と闘わなければならない理由。それは、過去に国が主導して障害者の尊厳を踏みにじった歴史があるからです。

その象徴が、1948年から1996年まで存在した「優生保護法」です。
この法律は、「不良な子孫の出生を防止する」という優生思想のもと、障害のある方(ハンセン病患者等含む)に対し、本人の同意なしに強制的な不妊手術を行いました。
被害者は約2万5千人にものぼります。

2024年7月、最高裁判所はついにこの法律を「憲法違反」と断じ、国は被害者に対して正式に謝罪しました。
「子供を持つ・持たないは個人の自由」という当たり前の権利が、障害者には認められていなかった。これがつい最近までの日本の姿でした。

条約第8条が命じる「ステレオタイプとの闘い」

こうした過ちを二度と繰り返さないために、障害者権利条約第8条は次のように定めています。

「あらゆる活動分野における障害者に対する定型化された観念(ステレオタイプ)、偏見及び有害な慣行と戦うこと」

「障害者は不幸だ」「何もできない」「守られるだけの存在だ」。
こうした社会にこびりついた固定観念こそが、差別の根源です。

だからこそ、条約は単に「差別をなくそう」ときれいごとを言うのではなく、「偏見(敵)と闘え」という強い表現を使って、私たちに行動を促しているのです。

支援者の中にも「偏見」はある

「私は支援者だから、偏見なんて持っていない」
そう言い切れる人は、どれくらいいるでしょうか?

長瀬先生は正直に告白します。
「私の中にも、残念ながら差別心や偏見はあります。例えば『偉い人に会う』と聞いた時、無意識に『健常者の男性』を想像してしまいます」

これは「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」と呼ばれます。
津久井やまゆり園事件の犯人が元職員だったように、支援者であることは、偏見がないことの証明にはなりません。

大切なのは、「自分は偏見を持っていない」と思い込むことではなく、「自分の中にも偏見があるかもしれない」と自覚し、その弱い心と日々「闘う」ことなのです。

まとめ:最前線にいるあなたへ

支援者の皆さんは、偏見との闘いの「最前線」にいます。

  • 外出先で、利用者様が奇異な目で見られた時。
  • 飲食店で「入店はお断り」と言われそうになった時。

その時、「普通のことですよ」「彼らも同じ人間ですよ」と毅然と説明し、守ることができるのは、そばにいるあなただけです。
それこそが、第8条が求める「闘い」の実践です。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 「旧優生保護法」問題の全貌と教訓
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