【グループホームの歴史】「集団処遇」から「普通の暮らし」へ。利用者数13万人を超えても“まだ足りない”理由とは?

【グループホームの歴史】「集団処遇」から「普通の暮らし」へ。利用者数13万人を超えても“まだ足りない”理由とは?
現在、障害のある方の地域生活を支える基盤となっている「グループホーム(共同生活援助)」。
街の中で当たり前に見かけるようになりましたが、この制度が定着するまでには、日本の福祉における大きなパラダイムシフト(価値観の転換)がありました。
今回は、グループホームの歴史を紐解きながら、なぜ今これほどまでにグループホームが必要とされているのか、その背景と現状について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL18から抜粋して作成しています。
講師は、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の副代表であり、社会福祉法人ロザリオの聖母会 なざれの家あさひの所長の荒井 隆一(あらい りゅういち)先生です。

歴史の出発点。「集団処遇」から「ノーマライゼーション」へ
日本の障害福祉の歴史を振り返ると、そのスタート地点は「集団処遇」にありました。
- 知的障害のある方:山奥などの離れた場所にある「入所施設」
- 精神障害のある方:「精神科病院」への長期入院
かつては、障害のある方は社会から切り離された場所で、集団で管理されるのが一般的でした。
しかし、世界的な潮流として「ノーマライゼーション(Normalization)」の理念が浸透し始めます。
「障害があってもなくても、地域の中で当たり前に暮らす権利がある」
この理念に基づき、「施設から地域へ」という流れが生まれ、その受け皿としてスタートしたのがグループホーム制度です。

制度の変遷。「働ける人」限定から「誰でも」へ
制度が始まった当初、グループホームで暮らすには高いハードルがありました。
当時は「自立要件」や「就労要件」があり、「ある程度身の回りのことができて、日中は仕事に行ける人」でなければ利用できなかったのです。
しかし、それでは「支援が必要な人ほど地域で暮らせない」という矛盾が生じます。
その後、度重なる法改正により要件が緩和され、現在では重度障害のある方や高齢の方を含め、「どんな人でも地域で暮らせる仕組み」へと進化を遂げました。
入所施設より多くなっても、まだ足りない現実
かつて、日本の福祉業界では「グループホーム10万人」というスローガンを掲げ、整備運動が行われた時期がありました。
その目標は達成され、現在は約13万人の方がグループホームで暮らしています。
これは歴史的な転換点であり、ついに「入所施設で暮らす人」よりも「グループホームで暮らす人」の数が多くなったのです。
それでも「不足」と言える理由
「じゃあ、もう十分足りているのでは?」と思うかもしれませんが、現実は違います。
日本の人口の約7.4%が何らかの障害を持っていると言われています。
その比率から考えると、現在の13万人という受け皿は、潜在的なニーズに対してまだまだ圧倒的に足りていません。
「地域で暮らしたいけれど、空きがない」
そう待機しているご本人やご家族が、全国にまだたくさんおられるのが現状です。
まとめ:グループホームは「社会のインフラ」へ
グループホームの歴史は、障害のある方が「管理される対象」から「生活の主体」へと権利を取り戻してきた歴史でもあります。
今後もそのニーズは高まり続け、社会になくてはならないインフラとしての役割が求められます。
これからグループホームを運営する方、あるいは利用を考えている方は、この歴史的背景を知っておくことが大切です。
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