【食事制限】「また食べたの!?」と怒る前に。無理なく続く“習慣化”と“メンタルケア”の視点

「隠れ食いが止まらない」
「注意すればするほど、関係がギクシャクしてしまう」
食事制限(ダイエットや病気のための制限)は、利用者様にとって「やりたいこと」ではありません。
そのため、うまくいかずにイライラしたり、反発したりするのは当たり前の反応です。
今回は、長期戦となる食事制限を「継続しやすい形」にするための工夫と、うまくいかない時の「視点の切り替え方」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL32から抜粋して作成しています。
講師は、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の副代表であり、社会福祉法人ロザリオの聖母会 なざれの家あさひの所長の荒井 隆一(あらい りゅういち)先生です。
1. 支援者が「お節介・小言」になっていませんか?
制限が守れない時、支援者はつい焦ってしまいがちです。
「ダメって言ったでしょ!」「また食べて!」と、強い口調で指導したり、強引に管理しようとしたりしていませんか?
これを繰り返すと、支援者の対応が単なる「小言(お説教)」になり、ご本人の心はますます離れていきます。
対策:時には「距離」を置く
支援者が熱くなりすぎている(推しの一手になっている)と感じたら、少し距離を置いてみましょう。
あえて何も言わない期間を作ったり(小休止)、他のスタッフに対応を変わってもらったりすることで、お互いのクールダウンが必要です。
対策:「白衣」の力を借りる
スタッフが何度言っても聞かないことでも、医師や看護師などの「第三者」から説明されると、素直に受け入れられることがよくあります。
「私が言うと喧嘩になるから、先生からガツンと言ってください」と連携するのも賢い手です。

2. 「食」以外の楽しみで心を満たす
食事制限の辛さは、単なる空腹感だけではありません。
「好きなものを食べられない」という「満たされない気持ち(欲求不満)」が、心の安定を崩してしまうことがあります。
うまくいかない時は、食事から視線を外してみましょう。
- 趣味を見つける: 食事以外に夢中になれることはないか?
- 生きがいを探す: 何か一生懸命になれる役割はないか?
「食べる楽しみ」が減った分、別の「心の栄養」で満たしてあげること。
趣味が充実することで、結果的に食べ物への執着が薄れるケースは多々あります。
3. 「制限」を「習慣」に変える長期戦
食事に関することは、長い年月をかけて作られた生活習慣です。これを一気に変えるのは至難の業です。
しかし、逆に考えれば「習慣化してしまえば、それはもう『制限(我慢)』ではなくなる」ということです。
- 最初は辛いけれど、慣れればそれが当たり前になる。
- 3歩進んで2歩下がるくらいのペースでいい。
「今日できなかった」と悲観せず、根気強く時間をかけて新しい習慣を作っていく姿勢が大切です。
4. 「食べ方」は心のサイン。専門家と連携を
「急に食べなくなった」「異常なほど食べるようになった」「特定の食べ物に執着する」
こうした行動の変化には、精神的なストレスや疾患が隠れている場合があります。
食事のトラブルを「わがまま」と決めつけず、「精神状態の表れ」として捉える視点も必要です。
- 精神科医: メンタル面からのアプローチが必要か相談する。
- 相談支援センター: 地域の相談機関と繋がり、抱え込まずにチームで対応する。
- 保健所: 栄養指導や献立作成、研修会の講師派遣などを依頼する。
まとめ:諦めず、でも焦らず
食事制限は、入居者様と支援者の根比べのような側面があります。
うまくいかない時は、「今のやり方が合っていないだけかも?」と立ち止まり、アプローチを変えてみてください。
焦って強引に進めるよりも、お互いに少し休憩して、また明日から少しずつ。
その繰り返しが、健康な未来を作っていきます。
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