【GHの看取り】「重くなったから出て行って」は禁句。重度訪問介護を使って“最期の時”まで支える方法

【GHの看取り】「重くなったから出て行って」は禁句。重度訪問介護を使って“最期の時”まで支える方法

長年グループホームで暮らしてきた利用者様に、がんが見つかったり、加齢により寝たきり状態になったりした時。
事業所として、どのような判断を下しますか?

「うちには看護師がいないから」
「夜勤一人では見きれないから」

そう言って、病院や施設への転居(退居)を勧めてしまうケースは少なくありません。
しかし、ご本人が「住み慣れたこの部屋で最期まで暮らしたい」と願っていたとしたら?

今回は、グループホームにおける「重度化対応」「看取り(ターミナルケア)」を実現するための、具体的な人員配置のテクニックについて解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL18から抜粋して作成しています。

講師は、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の副代表であり、社会福祉法人ロザリオの聖母会 なざれの家あさひの所長の荒井 隆一(あらい りゅういち)先生です。

「重度・行動障害=入居不可」ではない

そもそもグループホームは、歴史的には「身の回りのことができる軽度の方」向けにスタートしました。
しかし現在は、重症心身障害の方や、強度行動障害のある方でも暮らせる制度設計になっています。

「そうは言っても、現場の職員だけでは手もスキルも足りない…」
それが本音でしょう。

だからこそ、外部サービスの併用がカギになります。

  • 強度行動障害の方:行動援護などの専門ヘルパーを入れる
  • 身体介助が必要な方:居宅介護(身体介護)を利用する

「ホームの職員だけでなんとかする」のではなく、外部のプロの手を借りることで、重度の方の受け入れは可能になります。

マンツーマンが必要な「看取り」をどう乗り切るか?

最もハードルが高いのが「看取り」の場面です。
死期が近づくと、頻繁な体位変換や吸引、あるいは不安に寄り添うために、誰かがマンツーマンでそばにいる必要が出てきます。

しかし、グループホームの夜勤は基本的にワンオペ(一人体制)。
一人がつきっきりになれば、他の利用者の対応ができなくなってしまいます。

そこで有効なのが、「重度訪問介護」というサービスの活用です。

「夜勤職員」+「重度訪問介護ヘルパー」の2人体制

  • 夜勤職員:これまで通り、ホーム全体の利用者を見守る。
  • 重度訪問介護ヘルパー:看取り対象の利用者様専属として、一晩中そばについてケアをする。

このように役割分担をすれば、夜勤職員の負担を増やさずに、手厚いターミナルケアを提供することが可能になります。
「制度」を知っているかどうかが、看取りができるかどうかの分かれ道なのです。

「どこで死にたいか」を決めるのは事業所ではない

現場では、支援度が上がると「うちでは無理だから出て行ってくれ」という通告が行われがちです。
しかし、動画ではこう語られています。

「それを決めるのはご本人さんであり、ご本人さんがそこで暮らしたいと希望されたなら、事業所としてそこをしっかり考えていくことが大事」

病院で死にたいか、ホームで死にたいか。
それを決める権利は、事業所の「都合」ではなく、ご本人の「意思」にあります。

「無理」と断る前に、「どうすれば(どのサービスを組み合わせれば)叶えられるか?」をケアマネジャーや相談員と一緒に考える。
その姿勢こそが、グループホームの本当の役割ではないでしょうか。

まとめ:制度を駆使して「終の棲家」を実現しよう

看取りの支援は、決して簡単ではありません。
しかし、最期の瞬間に「ここにいられて良かった」と思ってもらえた時の達成感は、支援者にとって何物にも代えがたい経験となります。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • グループホームでの看取りケアの実践事例
  • 重度訪問介護や訪問看護との連携・調整ノウハウ
  • 看取りにおける家族対応とグリーフケア(悲嘆ケア)

など、利用者の「最期までここで」という願いを叶えるための知識を動画で配信しています。
「追い出さない運営」を目指すために。ぜひご活用ください。

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