【就労支援】面談だけでは不十分?「3段階のアセスメント」で本人の真の姿を見抜く

「面談では『できます』と言っていたのに、現場に出たら全然違った…」
「ご本人が自分の課題を認識できておらず、就職後にトラブルになった」
障害者支援、特に就労支援のアセスメントにおいて、最初の面談(インテーク)だけで全てを把握するのは不可能です。
なぜなら、言葉による情報は不確かであり、環境が変われば人の行動も変わるからです。
今回は、より正確に本人の特性や課題を把握するための「3段階のアセスメントの流れ」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL37から抜粋して作成しています。
講師は、NPO法人ジョブコーチ・ネットワークの理事であり、日本職業リハビリテーション学会の近畿ブロック代表理事であり、社会福祉法人北摂杉の子会ジョブジョイントおおさかの所長の星明 聡志(ほしあき さとし)先生です。
1. アセスメントは「3ステップ」で深める
アセスメントは、一度きりの点ではなく、段階を踏んで深めていく「線」のプロセスです。以下の3つのフェーズで進めます。
① 基礎情報の収集(インテーク)
最初のステップは、初回面談やヒアリングによる情報の収集です。
- 本人からの聞き取り: 生育歴、職歴、希望など。
- 文章の読み取り: 本人に文字を書いてもらい、そこから識字能力や表現力を読み取る。
- 関係者からの情報: 家族や以前の支援機関からの客観的な情報。
② 作業場面での行動観察(施設内)
次は、実際に体を動かしてもらい、その様子を観察します。
- 作業課題: 実際に作業に取り組む姿から、手先の器用さ、集中力、理解力をアセスメントする。
- 休憩中の様子: 仲間とどう関わっているか、オン・オフの切り替えができるかを見る。
③ 職場・実習先での評価(施設外)
最終段階は、より実践的な環境(企業実習、施設外就労)での評価です。
- 環境との相性: 施設とは違う環境で、どう振る舞うか(環境との相互作用)。
- 要求水準への到達度: 企業の求めるスピードや品質に、どれくらい応えられているか(達成度)。
2. なぜ「インテーク」だけではダメなのか?
アセスメントにおいて重要なのは、「インテーク(面談)の情報には限界がある」と知っておくことです。
- 本人の防衛心: 「話したくない」「知られたくない」という心理が働き、事実を隠すことがある。
- 自己認識のズレ: 本人が自分自身の課題に気づいていない場合、不確かな情報しか得られない。
机上の面談だけで判断せず、実際の作業や、外部の環境(企業)での様子と照らし合わせることで初めて、情報の精度が高まります。

まとめ:環境が変われば、人は変わる
アセスメントとは、本人をテストすることではありません。
「様々な環境(場面)の中で、本人がどう変化し、何を感じるか」を丁寧に拾い集めていく作業です。
段階を踏んで確認することで、「思い込み」によるミスマッチを防ぎ、本人にとって納得感のある支援につなげることができます。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、
- 本人の本音を引き出す「インテーク面談」の質問技法
- 作業場面で見るべき「行動観察チェックリスト」の作り方
- 企業実習における「評価表」の活用とフィードバックのコツ
- アセスメント情報を支援計画(個別支援計画)に落とし込む方法
など、感覚に頼らず、根拠を持って利用者の特性を把握するためのプロの技術を動画で配信しています。
支援の第一歩であるアセスメントの質を高めるために。ぜひご活用ください。
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