【アセスメントの基本】「検査結果」だけでは見えない?フォーマルとインフォーマルを組み合わせる重要性

支援現場において、利用者のことを正しく理解(アセスメント)するためには、一つの方法だけに頼るのではなく、異なる視点を組み合わせることが重要です。
その代表的な分類が、「フォーマル・アセスメント」「インフォーマル・アセスメント」です。

今回は、それぞれの特徴とメリット・デメリット、そしてなぜこの2つを組み合わせる必要があるのかについて解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL37から抜粋して作成しています。

講師は、NPO法人ジョブコーチ・ネットワークの理事であり、日本職業リハビリテーション学会の近畿ブロック代表理事であり、社会福祉法人北摂杉の子会ジョブジョイントおおさかの所長の星明 聡志(ほしあき さとし)先生です。

1. フォーマル・アセスメント:客観的な「数値」

フォーマル・アセスメントとは、構造化された環境で行われる、客観的な評価のことです。

具体例

  • 心理検査・知能検査(WAISなど)
  • 医療的判断(主治医の診断書、意見書)
  • 職業評価(障害者職業センターなどで行う適性検査)

特徴とメリット

  • 客観性と信頼性:
    検査の手順や採点基準が決まっているため、検査する人の主観が入りにくく、数値化された客観的なデータが得られます。
  • 根拠になる:
    「妥当性が保証されている」ため、支援方針を決める際の強力な根拠となります。

デメリット(限界)

  • 環境が限定的:
    静かな個室など「整えられた環境」で行われることが多いため、実際の騒がしい職場や生活の場で、その能力が発揮できるかどうかまでは分かりません。

2. インフォーマル・アセスメント:日常の「様子」

一方、インフォーマル・アセスメントとは、日々の活動や生活の中で観察される、ありのままの情報のことです。

具体例

  • 作業場面: 就労継続支援A型・B型などでの作業風景。
  • 生活場面: 休憩中の過ごし方、レクリエーションへの参加態度、座学での様子。

特徴とメリット

  • 情報量が豊富:
    「非構造化(日常)」の環境なので、マニュアルにはない予期せぬ反応や、素の表情、対人関係など、リアルな情報がたくさん得られます。

デメリット(限界)

  • 主観が入る:
    見る人(支援者)のスキルや経験によって、「元気がない」と捉えるか「集中している」と捉えるかが変わるなど、評価がバラつく可能性があります。客観的な保証(信頼性・妥当性)という点では、フォーマルに劣る場合があります。

3. 「組み合わせ」て初めて全体像が見える

どちらか一方だけでは、その人の本当の姿は掴めません。

  • フォーマルだけだと…: 能力のピークは分かるが、実際の現場でどう動くかが見えない。
  • インフォーマルだけだと…: 支援者の思い込みが入ったり、基礎的な能力を見誤ったりする。

最適なアセスメントとは

「検査室で分かった客観的な能力(フォーマル)」が、「実際の作業現場や人間関係の中(インフォーマル)」でどう発揮されているか?

この2つの情報を照らし合わせ、組み合わせることで初めて、精度の高いアセスメントが可能になり、将来に向けた有効な支援計画を作ることができます。

まとめ:データと現場、両方の目を持つ

アセスメントは、「検査結果」という点と、「日々の観察」という線を結ぶ作業です。

  • 診断書や検査結果(フォーマル)をしっかり読み解く知識。
  • 日々の何気ない行動(インフォーマル)から変化を感じ取る観察眼。

この両方を持ち合わせることが、プロの支援者には求められます。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 心理検査(WAIS-IVなど)の結果の読み取り方と支援への活かし方
  • 日々の観察記録(行動観察)を客観的に残すための記述テクニック
  • アセスメント情報を統合して「個別支援計画」を作成する手順

など、フォーマルとインフォーマルを効果的に組み合わせ、根拠ある支援を行うための実務ノウハウを動画で配信しています。
利用者の可能性を正しく理解するために。ぜひご活用ください。

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