【支援のコツ】「何を教えよう?」と迷ったら。“場面”を区切ればコミュニケーション支援はうまくいく

【支援のコツ】「何を教えよう?」と迷ったら。“場面”を区切ればコミュニケーション支援はうまくいく

「コミュニケーション支援が大切なのは分かった。でも、現場のどこから手を付ければいいんだろう?」

いざ実践しようとすると、アイデアが多すぎて迷子になってしまうことはありませんか?
そんな時は、あれもこれもと欲張らず、「一点突破」で始めるのが成功の秘訣です。

今回は、支援のアイデアを効果的に活かすための「場面設定」と、支援者自身の「向き合い方」について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL166から抜粋して作成しています。

講師は、香川大学教育学部附属特別支援学校の校長であり、言語聴覚士、公認心理師であり、香川大学教育学部の教授である坂井 聡(さかい さとし)先生です。

全部やろうとしない。「食事の場面」に限定する

24時間すべてのコミュニケーションを改善しようとすると、支援者も利用者さんも疲れてしまいます。
まずは、「場面を区切る」ことから始めましょう。

例えば、「食事の場面」だけに絞ってみます。
すると、そこで使うべき言葉やカードは自然と決まってきますよね。

  • 「いただきます」「ごちそうさま」
  • 「おかわりください」
  • 「残してもいいですか?」

場面を限定することで、利用者さんにとっても「今はこれを使えばいいんだ」とルールが明確になり、安心してコミュニケーションに挑戦できるようになります。

「伝わった!」「感謝された!」という成功体験を作る

コミュニケーション支援のゴールは、単に言葉を言わせることではありません。
「自分が発信したら、相手が動いてくれた(伝わった!)」という実感を味わってもらうことです。

おすすめなのが、あえて「役割」をお願いすることです。

  1. 利用者さんが配膳などを手伝ってくれる(アクション)。
  2. 支援者が「ありがとう、あなたがいてくれて助かったわ」と感謝する(リアクション)。

「自分がアクションを起こしたら、喜んでもらえた」。
この経験が自信となり、「また誰かと関わりたい」という意欲につながります。
一方的な指示出しではなく、心が通うラリーをデザインしましょう。

「診断名」ではなく「その人の困りごと」を見る

支援を考える際、一番やってはいけないのが「診断名」で思考停止することです。

  • ❌️「この人は自閉症だから、コミュニケーションが取れない」
  • ⭕️「この人は聴覚情報処理が苦手で困っているから、視覚的な補助を使ってみよう」

「自閉症だから」「知的障害だから」というラベルを見るのではなく、「その人個人が、今何に困っているのか」に想像力を働かせてください。
困りごとが違えば、解決策(コミュニケーション方法)も一人ひとり全く違うはずです。

利用者は変わらない。変わるのは「私」から

最後に、とても大切な視点をお伝えします。

この研修記事を読んでも、明日、目の前の利用者さんや子どもたちが急に変わっているわけではありません。彼らはそのままです。

変わったのは、「あなた」です。

あなたが新しい視点と技術を持ち、アプローチを変えるからこそ、初めて彼らの反応が変わるのです。
「相手を変えよう」とするのではなく、「私が変わる」。
その先に、これまで見たことのない彼らの笑顔や、新しいコミュニケーションが待っています。

まとめ:楽しいやり取りを始めよう

コミュニケーションは、苦しい訓練ではなく、本来「楽しいもの」であるはずです。
まずは一つの場面、一つの役割から。
明日から、新しい「やり取り」を楽しんでみてください。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 場面別(食事・排泄・余暇)のコミュニケーション支援実例
  • 自己肯定感を高める「役割付与」のテクニック
  • 支援者のマインドセットを変革する研修プログラム

など、知識を現場の「動き」に変えるための実践的な動画を多数配信しています。
あなたが変わり、現場を変えるために。ぜひご活用ください。

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