【思春期の性教育】人前での自慰行為・性器いじりへの対応|「やめさせる」より大切なプライベートゾーンの指導

【思春期の性教育】人前での自慰行為・性器いじりへの対応|「やめさせる」より大切なプライベートゾーンの指導

思春期を迎えた知的障害や自閉症のある男子利用者様の中に、「人前でズボンの中に手を入れて性器をいじる」「時間や場所をわきまえずに自慰行為を始めてしまう」といった行動が見られ、頭を抱えている管理者様は少なくありません。

職員は「やめなさい!」「恥ずかしい!」と注意しますが、一向に収まらず、他の利用者様や保護者からのクレームに繋がることもあります。

実は、こうしたケースにおいて「ただ禁止する(やめさせる)」という対応は、逆効果になるどころか、利用者様の「生きる意欲」そのものを奪ってしまう危険性があります。

今回は、障害のある方の「性的自立」と「社会的自立」の関係、そして現場で取り組むべき「プライベートゾーン」の指導について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL10から抜粋して作成しています。

講師は、合同会社ヨルミナ代表の坂爪 真吾先生(前 一般社団法人ホワイトハンズ代表理事)です。

なぜ「人前」でしてしまうのか?行動の背景にあるもの

まず、大前提として知っておくべきことは、現在の福祉制度において「性の健康と権利を守るケア」はほとんど存在しないという現実です。しかし、食事や排泄と同様、性も人間が生きていく上で不可欠な営みです。

性的行動は「SOSのサイン」かもしれない

「人前での自慰」という目に見える問題行動だけを見て、それを封じ込めようとしてはいけません。その行動の背景には、以下のような心理が隠れている場合があります。

  1. ストレスや不安の解消:人間関係のトラブルや環境の変化による不安を、性的快感で紛らわせようとしている。
  2. 孤独感の埋め合わせ:誰にも認められていない、居場所がないという寂しさを埋めるための行動。
  3. 自尊感情の低下:自分を大切に思えないため、「人に見られると恥ずかしい」という感覚が育っていない。

つまり、性的問題行動は、単なる性欲の暴走ではなく、「今の生活環境や人間関係が辛い」というSOSのサインである可能性があるのです。

「禁止」ではなく「場所」を教える(プライベートゾーンの徹底)

では、具体的にどう支援すればよいのでしょうか。
最も重要なのは、「性的な欲求自体を否定しない」ことです。

「ダメ」ではなく「どこなら良いか」

自慰行為そのものは生理現象であり、心身のバランスを保つために必要なことです。これを「汚いこと」「ダメなこと」と全否定すると、利用者様は自分の存在自体を否定されたと感じ、自尊感情を深く傷つけられます。

指導のポイントは、「行為の禁止」ではなく「場所の区別(TPO)」を教えることです。

  • プライベートゾーンの概念:水着で隠れる部分は、他人に見せてはいけないし、他人のものを見てはいけない。
  • 具体的なルールの提示:「リビング(公の場)ではダメだけど、自分の部屋やトイレ(個室)ならOK」と伝える。

「してはいけない」と抑圧するのではなく、「ここなら安心してできるよ」という安心・安全な環境(逃げ場)を保障することで、結果的に公共の場での行動が減っていくケースは多々あります。

性的自立は「働く意欲」につながる

管理者様の中には「障害者に性の話はまだ早い」「寝た子を起こすな」と考える方もいるかもしれません。しかし、性的自立と社会的自立は密接に関係しています。

「モテたい」「恋人が欲しい」は最強の原動力

障害のある人が「就労したい」「一人暮らしをしたい」と願うとき、そのモチベーションの根底に「恋愛がしたい」「セックスがしたい」「好きな人を部屋に呼びたい」という願望があることは珍しくありません。

この「誰かと繋がりたい」という欲求こそが、社会へ出ていくための強力なエンジンになります。
逆に言えば、性をタブー視し、性的存在として扱わないことは、彼らの「大人になろうとする意欲」を削いでしまうことにもなりかねません。

家庭だけで抱え込ませない支援体制

性教育は本来家庭で行うものですが、障害のあるお子さんの場合、親御さん(特に異性の親やひとり親世帯)だけで対応するのは限界があります。

「学校や施設で孤立している」「家庭に居場所がない」といった孤独感が、出会い系サイトへの依存や、予期せぬ性犯罪被害・加害トラブルに繋がることもあります。

だからこそ、事業所がプロとして介入する必要があります。
職員が感情的に「やめなさい!」と怒鳴るのではなく、「なぜその行動をするのか(背景のストレス)」を分析し、「適切な場所とルール」を冷静に教える。
そうした専門的な関わりができるかどうかが、利用者様の人生(QOL)を左右します。

まとめ:性の支援は「リスク管理」であり「自立支援」です

「人前での自慰」などの問題行動に対し、現場が動揺して感情的に対応してしまうと、利用者様との信頼関係は崩れ、問題はより潜在化・深刻化します。

障害のある方の「性」に向き合うことは、決して恥ずかしいことでも、特殊なことでもありません。それは彼らの「人間としての尊厳」を守り、社会的な自立を後押しする重要な支援です。

しかし、この分野は教科書的な正解が少なく、職員個人の倫理観に委ねられがちで、現場だけで教育するのは非常に困難です。

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