【放デイ職員アンケート】親と職員でこんなに違う!トラブルの原因は「障害特性」か「性的欲求」か?

「保護者アンケート」に続き、今回は「職員アンケート」の結果を見ていきます。
そこで浮き彫りになったのは、「何がトラブルか?」「なぜそれが起きるか?」という認識において、保護者と職員の間に横たわる決定的なズレ(ギャップ)でした。

このズレを理解せずに支援を進めても、議論は噛み合いません。現場の実態と、そこから見える課題について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL65から抜粋して作成しています。

講師は、合同会社ヨルミナ代表の坂爪 真吾先生(前 一般社団法人ホワイトハンズ代表理事)です。

1. 職員が困っているのは「性的な接触」と「自慰」

まず、職員が挙げる「具体的なトラブル」の上位を見てみましょう。保護者の回答とは全く異なる結果となりました。

  • 1位:異性職員への性的な接触
  • 抱きつく、胸や尻を揉む、触ってくるなど。職員が直接的な被害者になるケースです。
  • 2位:人前での性器いじり・自慰行為
  • 保護者アンケートでは下位でしたが、現場では頻発しています。

なぜ保護者アンケートと違うのか?

保護者が「人前での自慰」を問題視していない(アンケート上位に来ない)背景には、以下の理由が考えられます。

  1. 報告されていない:職員が保護者に伝えていない。
  2. 受け入れられない:報告されていても、親として「うちの子がそんなことを」と認めたくない心理が働く。

一方で、保護者が1位に挙げた「服を脱ぐ」は、職員にとっては「日常茶飯事」すぎて、もはやトラブルという認識すら薄れているという、現場ならではの慣れも見えてきました。

2. トラブルの原因は?真っ二つに割れた見解

最も衝撃的だったのは、「トラブルの背景(原因)は何だと思いますか?」という質問への回答です。

  • 保護者の1位:障害特性
  • 「障害のせいでこうなってしまう」「本人に悪気はない」と思いたい。
  • 職員の1位:性的欲求
  • 「これは明らかに性的な意図がある」「性欲が原因だ」と断定している。

「視点のズレ」が支援の壁になる

職員は、実際に体を触られたり、生々しい自慰行為を目の当たりにしているため、「これは障害特性ではなく、性欲だ」と強く感じます。
しかし、保護者は「障害があるから分からないだけ」と捉えたい。

この「性欲(職員)」vs「障害特性(親)」という認識の対立が、連携を難しくしている最大の要因です。

3. 「どちらも正解」だからこそ、すり合わせが必要

坂爪さんは、「どちらかが間違っているわけではない」と指摘します。
性というものは多面体であり、見る角度によって「障害特性」にも「性的欲求」にも見えます。おそらく、その両方が複雑に絡み合っているのが真実です。

しかし、この認識がズレたままでは、対策は打てません。

  • 職員:「性教育が必要です」
  • 保護者:「障害の特性を理解してください」

これでは平行線です。
子供への介入を始める前に、まずは「大人の間での認識のすり合わせ」から始めなければならない。アンケート結果は、その重要性を突きつけています。

まとめ:事実を共有し、同じ景色を見ることから

「放デイで見せる顔」と「家庭で見せる顔」は違います。
職員は「性的な行動があった事実」を隠さず、かつ保護者を傷つけないように伝え、保護者は「見たくない現実」を直視する。
双方が歩み寄り、認識のズレを埋める作業こそが、性トラブル解決の第一歩です。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 保護者にショックを与えずに「性の問題行動」を報告する伝え方
  • 「性的欲求」と「障害特性」を見極めるための行動観察シート
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など、最も難しい「保護者との認識のすり合わせ」をスムーズに行うための具体的なノウハウを動画で配信しています。
ズレを埋めて、チームで支援するために。ぜひご活用ください。

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