【放デイ職員アンケート】9割が「対症療法」。解決には「性」=「コミュニケーション」の視点が必要

現場では、性のトラブルに対し、どのような対応が取られているのでしょうか?
職員アンケートの結果から見えてきたのは、「場所を変える」「時間をずらす」といった対症療法に留まらざるを得ない現状でした。

しかし、その中でも「保護者のリクエスト」を受けて一歩踏み出した事例や、トラブル解決への新たな視点も見えてきました。

この記事は、スペシャルラーニングのSL65から抜粋して作成しています。

講師は、合同会社ヨルミナ代表の坂爪 真吾先生(前 一般社団法人ホワイトハンズ代表理事)です。

1. 現場対応のリアル:ほとんどが「対症療法」

アンケートで最も多かった対応策は、以下の3つです。

  1. 場所の移動(人のいないところへ誘導する)
  2. 時間帯・担当者の変更(トラブル相手と会わせない)
  3. 興味をそらす(別の活動へ誘導する)

これらは全て、目の前の問題を回避するための「対症療法」です。
「性的欲求そのもの」や「なぜその行動をするのか」という根本に向き合うのではなく、とりあえずその場を収めることが優先されています。

2. 保護者のリクエストがあれば「教育」ができる

一方で、数は少ないものの、希望のある回答もありました。
「保護者からリクエストがあったので、性や二次性徴に関する教育を行った」というケースです。

「クレームが怖い」は思い込み?

職員側は「勝手に性教育をすると、保護者からクレームが来るのでは?」とビクビクしがちです(寝た子を起こすな問題)。
しかし、坂爪さんによれば、実際にクレームが来たという話はあまり聞きません。

むしろ、「家庭でどう教えていいか分からないから、放デイでやってくれると本当にありがたい」「うちの子にもやってほしい」と、感謝や要望の声が上がることの方が多いのです。
職員が思っている以上に、保護者は「教えてくれる誰か」を求めています。

3. 「完治」はない。だから「コミュニケーション」を学ぶ

アンケート結果でも、「トラブルが完璧に解決した」という回答はほぼゼロでした。
健常者であっても、恋愛や結婚の悩み(性の悩み)がゼロになることはありません。障害の有無に関わらず、性の問題は「完治」するものではなく、「向き合い続けるもの」です。

性教育の本質は「すり合わせ」

坂爪さんは、性教育を「コミュニケーションの教育」と捉え直すことを提案しています。

  • 「性」という言葉を使うとハードルが高い。
  • しかし、性の本質は「自分がしたいこと」と「相手がしたい(したくない)こと」のすり合わせです。

障害のある方は、この「他者とのすり合わせ(妥協や合意)」が苦手な傾向にあります。
「あえて『性』という言葉を使わずに、対人関係を円滑にするためのコミュニケーション研修を行う」
これが、結果として性のトラブルを減らす近道になります。

4. 外部の力とオンラインの活用

現場の職員だけで、これら全ての教育を担うのは限界があります。
日々の業務で手一杯な中で、さらに性教育の研修を一から作るのは困難です。

  • 外部専門家(NPOなど)との連携
  • オンライン研修の活用

性に関する悩みは、職場内でも共有しづらく、チームを作りづらいテーマです。だからこそ、オンラインなどを活用して「情報を蓄積・共有する仕組み」を持つことが重要です。

まとめ:自分の体を触ることは「成長」である

最後に、支援者が持つべきマインドセットとして、以下の言葉が紹介されました。
「自分の体を触ることは、問題行動ではなく『成長の過程』である」

この視点を持つだけで、対応は変わります。
「やめさせなきゃ」から、「どうやって社会的なマナー(コミュニケーション)として昇華させるか」へ。
対症療法から一歩進むために、まずは保護者との対話や、コミュニケーション支援としての性教育を始めてみましょう。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 「性」という言葉を使わずにできる「対人マナー・距離感」のSST
  • 保護者のニーズを引き出すための「アンケート・ヒアリングシート」
  • 忙しい現場でも導入しやすい、外部専門家による「オンライン性教育講座」

など、現場の負担を減らしつつ、根本的な解決に近づくためのツールや研修動画を配信しています。
まずは「コミュニケーションの練習」から始めてみませんか?ぜひご活用ください。

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