【障がい者の性】「性の問題」は個人の秘密ではない。地域で支える「社会の問題」として捉え直そう

【障がい者の性】「性の問題」は個人の秘密ではない。地域で支える「社会の問題」として捉え直そう
「利用者の異性トラブル、どう対応すればいい?」
「家庭でなんとかしてほしい…」
障害のある方の「性」に関する悩みは、どうしても「個人の恥ずかしいこと」「プライベートな秘密」として扱われ、支援の現場でもタブー視されがちです。
しかし、一般社団法人ホワイトハンズの坂爪真吾氏は、長年の活動を通じてこう訴え続けています。
「障害者の性の問題は、個人の問題ではなく『社会の問題』です」
今回は、私たちが目指すべき「性の支援」のゴールについて考えます。
この記事は、スペシャルラーニングのSL69から抜粋して作成しています。
講師は、合同会社ヨルミナ代表の坂爪 真吾先生(前 一般社団法人ホワイトハンズ代表理事)です。

なぜ性は「個人の問題」ではなく「社会の問題」なのか
「性は秘め事であり、人前で言うべきではない」
私たちにはそんな価値観があります。しかし、障害のある方の中には、自分一人では適切な性のケアやコントロールが難しい方も多くいらっしゃいます。
それなのに「プライベートなことだから」と放置してしまうとどうなるか。
- 特定の職員さんだけに負担が「丸投げ」される。
- 家庭内で抱え込み、虐待やトラブルに発展する。
- 適切な支援がないまま、風俗などの搾取的な環境に流れてしまう。
坂爪氏は語ります。
「誰かに丸投げするのではなく、みんなの力で、公の場での議論や実践を通して解決していく仕組みが必要です」
性は、食事や排泄と同じ「生活の一部」。だからこそ、社会全体で支える(ソーシャルワークする)視点が必要です。

放デイの急増は「ピンチ」ではなく「チャンス」
この10年間で、放課後等デイサービス(放デイ)は全国に広まりました。
それに伴い、地域の中で性のトラブルが表面化し、「昔はこんなことなかったのに(問題が増えた)」と嘆く声も聞かれます。
しかし、坂爪氏の視点は逆です。
「問題が顕在化したことは、一気に解決できる『チャンス』だとワクワクしています」
かつては病院や入所施設の奥深くで、誰にも知られずに苦しんでいた人たちが、今は地域に出てきています。
「問題が見えるようになった」ということは、「早期に発見し、支援できるようになった」ということです。
放デイという「相談できる場所」が全国にある今こそ、日本の障害福祉が性の問題と向き合う最大の好機なのです。
性の悩みは「コミュニケーションの悩み」である
では、現場の職員は何をすればいいのでしょうか。
「性の専門知識がないから無理」と構える必要はありません。
坂爪氏は、視点を変えることを提案します。
「性の問題というよりは、コミュニケーションや生活環境の問題として捉えてみてください」
「性的な問題行動」の背景には、必ずと言っていいほど「将来への不安」や「人間関係のストレス」があります。
性そのものをどうこうする前に、「本人が何に不安を感じているか」を聞き取り、生活環境を調整すること。
普段皆さんが行っている支援の延長線上に、解決の糸口はあります。
まとめ:あなたの事業所を「相談できる場所」に
職場に一人でも「性のこと、話してもいいよ」という雰囲気を出している職員がいれば、当事者は救われます。
あなたの事業所が、彼らにとっての安全基地になるのです。
今回取材した坂爪氏のノウハウは、障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」でさらに詳しく学ぶことができます。
- 性的な問題行動への具体的な介入ステップ
- 事業所で使える性教育のガイドライン
- 保護者との連携・相談対応のコツ
「社会の問題」として、チームで解決するために。
ぜひ、動画研修をご活用ください。
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