【親なきあと】いきなり大金を渡すのは危険!毎月少しずつ渡せる「福祉型信託」の仕組みとは?
【親なきあと】いきなり大金を渡すのは危険!毎月少しずつ渡せる「福祉型信託」の仕組みとは?
「子供のために3,000万円残しました」
これは素晴らしい親心ですが、もし障害のあるお子さんが、ある日突然3,000万円という大金を手にしたらどうなるでしょうか?
金銭管理が苦手な場合、あっという間に使い果たしてしまったり、詐欺のターゲットにされたりする危険性が非常に高くなります。
そこで今、障害のある方のご家族から熱い注目を集めているのが、「福祉型信託(家族信託)」という仕組みです。
今回は、親亡き後もお子さんの生活を安全に守り続ける、信託のメリットについて解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL27から抜粋して作成しています。
講師は、親なきあと相談室の主宰の渡部 伸(わたなべ しん)先生です。

3,000万円を「ポン」と渡す怖さ
例えば、お母さんと障害のあるお子さんの2人家族を想像してください。
お母さんが亡くなり、遺産3,000万円がそのままお子さんに相続されました。
通帳に突然記帳された3,000万円。
お子さんは「こんなにお金がある!」と気が大きくなり、欲しいものを買い漁ってしまうかもしれません。あるいは、そのお金を狙って近づいてくる悪い人に、言われるがまま渡してしまうかもしれません。
「お金は残したいけれど、一度に渡すのは怖い」
このジレンマを解決するのが、信託(しんたく)です。
信頼できる親戚に託す。「信託」の仕組み
信託とは、文字通り「信じて託す」制度です。
約10年前の法改正により、信託銀行などのプロだけでなく、一般の家族同士でも契約ができるようになりました。
甥っ子に管理を任せる例
お母さんが、信頼できる親戚(例えば甥っ子)と契約を結びます。
- お母さん(委託者):3,000万円を預ける。
- 甥っ子(受託者):3,000万円を責任を持って「管理」する。
- お子さん(受益者):そこから出るお金を「使う」。
甥っ子はお金を預かりますが、自分のものとして使えるわけではありません。あくまで「金庫番」として管理し、お子さんのために使うことが義務付けられます。

遺言にはできない!信託だけの「2つのメリット」
「それなら遺言でもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、信託には遺言では絶対にできない、画期的な2つの機能があります。
① 毎月定額を渡せる(お小遣い制)
遺言は基本的に「一括渡し」ですが、信託なら「毎月10万円ずつ渡す」といった設定が可能です。
甥っ子から毎月10万円が振り込まれる。
もしお子さんがそれを使い切ってしまっても、来月になればまた10万円が入ってきます。
この「生活費が途絶えない仕組み」こそが、長期的な生活の安定につながります。
② 使い残しの行き先を決められる
お子さんも亡くなった時、もしお金が余っていたらどうなるでしょうか?
お子さんに身寄りがなければ、そのお金は最終的に「国庫(国の金庫)」に入ってしまいます。
しかし信託なら、
「余ったお金は、お世話になった甥っ子にあげます」
「お世話になった施設や家族会に寄付します」
といったように、「その次の行き先」まで親が決めておくことができるのです。
まとめ:信託は「親の愛」を形にするシステム
福祉型信託は、親御さんが亡くなった後も、まるで生きているかのように「毎月これくらい使いなさいよ」「余ったらお世話になった人にあげてね」という意思を実行し続けるシステムです。
ただ、この仕組みを利用するには、信頼できる受託者(親族など)を見つけ、法的に有効な契約書を作成する必要があります。
障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、
- 福祉型信託の具体的な契約の流れ
- 受託者(管理する人)がいない場合の対処法
- 成年後見制度と信託の使い分け
など、複雑な制度を事例を交えて分かりやすく解説しています。
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