【法人後見】「通い慣れた施設に後見人もお願いしたい」は可能?2018年の解禁と、普及しない”大人の事情”
【法人後見】「通い慣れた施設に後見人もお願いしたい」は可能?2018年の解禁と、普及しない”大人の事情”
「うちの子のことを家族以外で一番よく知っているのは、毎日通っている生活介護の職員さんだ」
そう感じる親御さんは多いはずです。
弁護士や司法書士といった「見ず知らずの専門家」よりも、長年寄り添ってくれた「いつもの施設の法人」が後見人になってくれたら、どんなに安心でしょう。
実はこの「サービス提供法人による法人後見」は、長らく禁止されていました。
そして、2018年に解禁された今でも、なかなか普及していません。
今回は、その裏にある「利益相反(りえきそうはん)」という問題と、制度の現状について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL27から抜粋して作成しています。
講師は、親なきあと相談室の主宰の渡部 伸(わたなべ しん)先生です。

なぜ今までダメだった?「利益相反」の壁
「いつも面倒を見ている施設が、後見人もやる」。
一見、合理的で理想的に見えますが、法律的には大きな落とし穴があります。
それは、利用者(お金を払う人)と施設(お金をもらう人)の利害が対立する可能性があるからです。
怖すぎる「囲い込み」のリスク
例えば、利用者が「この施設は合わないから辞めたい、別の楽しい施設に行きたい」と言い出したとします。
もし、今の施設の法人が「後見人(契約の決定権者)」だったらどうなるでしょうか?
- 本来の後見人:「本人の意思を尊重して、施設変更の手続きをしよう」
- 施設が後見人の場合:「辞められたら売上が減る(金づるがいなくなる)。『本人の判断能力不足』ということにして、退所は認めないでおこう」
このように、法人の利益のために本人の権利が不当に制限されるリスクがあります。これを「利益相反」と呼び、長年禁止されてきた最大の理由です。
2018年の転換点。条件付きで「解禁」へ
しかし、親御さんからの「それでもやっぱり、よく知っている人にお願いしたい」というニーズは圧倒的です。
そこで2018年、国は方針を転換しました。
「透明性を確保できるなら、サービス提供法人が後見人になっても良い」
ただし、利益相反を防ぐために非常に厳しい条件が設けられました。
- 特定の職員一人に任せず、法人内部に専門チームを作ること
- 外部の「後見監督人」をつけてチェックを受けること
- 法人としての利益誘導を行わないこと

それでも広がらない「高いハードル」
「じゃあ、通っている施設にお願いしよう!」と思っても、実際に引き受けてくれる法人はほとんどないのが現状です。
なぜなら、法人側の負担があまりにも大きすぎるからです。
専門チームを作り、外部のチェックを受け、重い責任を負う割に、後見人としての報酬は低く抑えられる傾向にあります。
経営的な視点で見ると、「リスクと手間ばかりかかって採算が合わない」ため、多くの社会福祉法人が二の足を踏んでいるのです。
まとめ:制度は「ニーズ」に合わせて進化する
現状ではまだ一般的ではありませんが、この事例から分かる重要なことがあります。
それは、「成年後見制度は、利用者の声に合わせて変わり続けている」ということです。
「昔はダメだったこと」が、今は条件付きで可能になっています。
今後、成功事例が増えたり、運用ルールが見直されたりすれば、「通い慣れた施設が後見人になる」ことが当たり前の未来が来るかもしれません。
「制度が使いにくいから」と諦めるのではなく、常に最新の動向をウォッチしておくことが大切です。
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