【意思決定支援】「言葉」がない人の声をどう聞く?「学習し続けるチーム」の4つの条件

「ご本人は何が好きですか?」
意思決定支援において、言葉での表現が難しい利用者さんの「本当の気持ち」を知ることは、支援者にとって永遠の課題です。

今回は、情報がない中で手探りで利用者さんの「意思」を探り当てた事例と、それを可能にするための「学習し続けるチーム(ラーニング・チーム)」に必要な4つの要素について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL97から抜粋して作成しています。
講師は、厚生労働省 社会保障審議会 介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会委員であり、日本社会事業大学専門職大学院教授の井上 由起子(いのうえ ゆきこ)先生と元厚生労働省 障害福祉課・虐待防止専門官であり、日本社会事業大学 社会事業研究所 客員教授の曽根 直樹(そね なおき)先生です。

1. 事例⑦:聞くのではなく「やってみて、見る」

ある生活介護事業所での事例です。
午後のクラブ活動を決める際、ご本人は自分で選ぶことができず、ご家族に聞いても情報が得られませんでした。

そこでチームは発想を転換しました。
「情報がないなら、いろんな体験(プログラム)を作って、反応を見てみよう」

  • アクション:様々な活動を用意し、実際に体験してもらう。
  • 観察:どの活動で笑顔になるか、何を選ぼうとするか、行動や表情を細かく観察する。
  • 推定:観察結果から、「これが好きなんだな」とご本人の意思を推定する(意思と選好に基づく最善の解釈)。

机上の空論で悩むのではなく、「行動と観察」によって答えを見つけ出した、まさに「複雑な業務」をチームで乗り越えた好事例です。

2. 「学習し続けるチーム」に不可欠な4つの要素

正解のない支援をチームで模索し続けるためには、以下の4つの要素が必要だと言われています。

① 率直に意見を言える(Speaking Up)

「あの時の反応、私はこう見えた」「それは違うと思う」といった意見を、職歴や上下関係に関わらず率直に言えること。これには、自分も相手も大切にする「アサーティブ(誠実)」なコミュニケーションが必要です。

② 互いに助け合う(Collaboration)

一人で抱え込まず、チーム全体で課題に向き合う姿勢です。

③ 試みる(Experimentation)

ここが非常に重要です。「一度でうまくいくことを期待しない」こと。
「やってみてダメなら次を試そう」という、不確実性を受け入れる柔軟さと粘り強さが求められます。失敗は「間違い」ではなく「データ」です。

④ 省察する(Reflection)

単に「楽しそうだった」「ダメだった」で終わらせず、「なぜ楽しそうだったのか?」「どの瞬間が良かったのか?」を深く振り返り、次の仮説につなげます。

3. チームを変えるには「自分」から

「人は変えられない。変えられるのは自分だけ」
動画の中で語られたこの言葉は、チーム作りの核心を突いています。

前回の事例で、新人のミスに対して先輩たちが「指導不足だった私たちが悪い」と謝ったシーンがありました。あれこそが、「他者を変えようとするのではなく、まず自分が変わる」という姿勢の現れです。

一人ひとりが「自分が変わる」姿勢を持ち、失敗を恐れずに試行錯誤できるようになった時、その集団は最強の「学習するチーム」へと進化します。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • 言葉以外のサインを読み取る「行動観察」のトレーニング
  • チームの心理的安全性を高める「アサーション」研修
  • 「失敗」を「学び」に変える振り返り(リフレクション)の実践手法

など、意思決定支援とチームビルディングを両輪で進めるための具体的なノウハウを動画で配信しています。
正解のない問いに立ち向かう、強いチームを作るために。ぜひご活用ください。

知識や考え方の共通認識を作る、スペシャル ラーニング

スペシャルラーニング紹介画像

弊社では、障がい福祉業界に特化したオンライン研修サービス「スペシャルラーニング」をご提供しています。
パソコンやスマートフォンでいつでもどこでも研修を受講できるため、スキマ時間を活用して、研修に取り組むことができます。

スペシャルラーニング(Special Learning)の特徴は主に以下です。

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厚生労働省が国の研修で依頼する講師の方や国の研究機関の責任者、元厚生労働省の虐待防止専門官等、障がい福祉業界のトップ有識者と一緒にコンテンツ制作をしています。

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導入から仕組み作りまで専任担当者によるサポート体制

研修は仕組み作りがとても重要です。
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