【障がい者支援のグループとチームの違い】「1+1」を「3以上」にするのがチーム。相乗効果と責任の共有

「グループワーク」とは言いますが、「チームワーク」で授業をすると言わないのはなぜでしょうか?
普段何気なく使い分けている「グループ」と「チーム」。この2つには、組織運営において明確な違いがあります。
今回は、 「シナジー(相乗効果)」「責任の所在」「スキル」 という3つの視点から、その決定的な違いを解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL93から抜粋して作成しています。
講師は、厚生労働省 社会保障審議会 介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会委員であり、日本社会事業大学専門職大学院教授の井上 由起子(いのうえ ゆきこ)先生と元厚生労働省 障害福祉課・虐待防止専門官であり、日本社会事業大学 社会事業研究所 客員教授の曽根 直樹(そね なおき)先生です。
1. グループとチームを分ける3つの壁
ある文献で紹介されている定義によると、両者には以下のような違いがあります。
① シナジー(相乗効果)
- グループ:個人の総和。「1+1=2」の世界です。一人一人が自分の仕事をこなす場です。
- チーム:化学反応。「1+1=3にも4にもなる」世界です。誰かと組むことで、一人では出せない成果を生み出します。
② 説明責任(Accountability)
- グループ:個人に帰属します。何かあった時、「それは担当の〇〇さんの責任です」となります。
- チーム:連帯責任(共同的な説明責任)を持ちます。「チーム全体としてどうだったか」を考え、全員で責任を共有します。
③ スキル(技能)
- グループ:ランダムで様々。たまたま集まった人たちの集団です。
- チーム:補完的(コンプリメンタリー)。「私はこれが得意、あなたはあれが得意」と、お互いの凹凸を埋め合う関係です(例:看護師の医療知識 × 支援員の生活支援技術)。

2. 縦割り事業所は「グループ」、連携すれば「チーム」
前回の「グループホーム」と「日中活動事業所」の事例に当てはめてみましょう。
- 現状(バラバラな状態):グループホームは夜のことだけ、日中活動は昼のことだけ。それぞれ独立して仕事をしている状態は、全体として見れば 「グループ」 に過ぎません。個人の成果(各事業所の利益)はあっても、シナジーはありません。
- 理想(連携した状態):情報を共有し、お互いの専門性を補完し合いながら一人の利用者を支える時、そこには相乗効果が生まれ、初めて 「チーム」 に変わります。
3. 「利用者」が変われば「チーム」も変わる
ここで重要な視点は、チームの枠組みは固定的ではないということです。
利用者を真ん中に置くと、チームの形は重層的に変化します。
- 利用者Aさんのチーム = グループホーム + 生活介護事業所
- 利用者Bさんのチーム = グループホーム + 就労継続支援B型
「Aさんを支えるために、今はこのメンバーでチームを組む」
このように、 利用者一人ひとりを中心にして、必要な事業所や職種が柔軟につながり合うこと が、福祉における本当のチームマネジメントです。
まとめ:ただの「集まり」で終わらせない
人が集まれば勝手にチームになるわけではありません。
「個人の足し算」を超えて「相乗効果」を生み出し、「お互いの苦手を補い合う」意識を持った時、初めて集団はチームへと進化します。
あなたの職場は、単なる職員の「グループ」になっていませんか?
利用者を中心にした「チーム」へと進化させるために、まずは隣の部署、隣の事業所と「補完し合う」ことから始めてみましょう。
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1+1を無限大にするために。ぜひご活用ください。
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