【障がい者支援のマネジメント】チームは生き物、ケンカは成長の証。タックマンモデルで読み解くチームの成長プロセス

チーム作りにおいて、最初はうまくいっていたのになぜか空気が悪くなったり、停滞してしまったりすることはありませんか。
それはチームがダメになったのではなく、成長するために必要な段階を通っているからかもしれません。
今回は、チームビルディングの基礎理論であるタックマンモデルを用いて、チームが辿る4つの成長段階と、最大の難所である混乱期の乗り越え方について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL93から抜粋して作成しています。
講師は、厚生労働省 社会保障審議会 介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会委員であり、日本社会事業大学専門職大学院教授の井上 由起子(いのうえ ゆきこ)先生と元厚生労働省 障害福祉課・虐待防止専門官であり、日本社会事業大学 社会事業研究所 客員教授の曽根 直樹(そね なおき)先生です。
1. チームが辿る4つの成長段階
タックマンモデルでは、チームは以下の段階を経て成長していくとされています。生活介護や入所施設では解散期があまりないため、主に4つの段階で考えます。
(1) 形成期(Forming):遠慮と様子の探り合い
まだお互いのことをよく知らず、遠慮がちな時期です。
新入職員が入ってきたばかりの頃などがこれに当たります。波風は立ちませんが、本音での議論も生まれません。
(2) 混乱期(Storming):本音の衝突と葛藤
仕事に慣れ、自分の意見が出始めると衝突が起きます。
前の職場とのやり方の違いや、支援観のズレから批判的な視点が生まれ、対立構造ができます。
福祉現場では、命に関わる医療とは異なり、個人の生活感(お風呂の温度や食事の好みなど)が支援に反映されやすいため、この混乱が起きやすいのが特徴です。
(3) 統一期(Norming):価値観の共有とルールの確立
衝突を乗り越え、自分たちのチームの価値観や支援方針が定まる時期です。
例えば、自閉スペクトラム症の方への支援手順が職員間で統一され、阿吽の呼吸で動けるようになります。
(4) 機能期(Performing):自律と高い成果
統一されたルールを維持し、さらに高いパフォーマンスを発揮し続ける時期です。
リーダーの強い意志と継続的な働きかけによって維持されます。

2. なぜ混乱(対立)が必要なのか
多くの人は対立を避け、仲良くしようとします。しかし、この混乱期を避けて通ると、チームは成長しません。
低空飛行のチーム(点線のチーム)
対立を恐れ、言いたいことを飲み込んで表面的な仲良さを維持したチーム。
大きなトラブルは起きないかもしれませんが、成果も上がらず、なあなあの関係で終わってしまいます。
右肩上がりのチーム(赤い線のチーム)
混乱期において、意図的に対立を受け入れ、腹を割って話し合ったチーム。
一時的には空気が悪くなっても、そこでお互いの価値観をすり合わせたことで結束力が生まれ、その後のパフォーマンスが飛躍的に向上します。
3. サッカー日本代表に学ぶチームビルディング
動画内では、ワールドカップの日本代表(森保ジャパン)が例に挙げられました。
最初は寄せ集めで批判も浴びましたが(混乱期)、それを乗り越えて結束し、強豪国を破る強いチームへと成長しました(機能期)。
最初から完璧なチームはなく、苦しい時期を共有するからこそ強くなれるのです。
まとめ:理論を知れば、トラブルも怖くない
今、職場で意見の対立が起きていても、焦る必要はありません。
「今は成長のための混乱期なんだ」
「この次は統一期が来て、もっと良いチームになれるはずだ」
このように理論(地図)を持っていれば、現状をポジティブに捉え、逃げずに話し合いの場を持つ勇気が湧いてきます。
チームビルディングとは、嵐を避けることではなく、嵐の中を共に進むことなのです。
障害福祉の研修動画サービス スペシャルラーニング では、
- チームの現在地(どの段階にいるか)を知るためのチェックリスト
- 混乱期における会議のファシリテーション技術
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雨降って地固まるチームを作るために。ぜひご活用ください。
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